流れ星が攻めてきた
ぎゅうーん!
大気と大地を揺るがすすごい音!
今日も流れ星が攻めてきた!
流れ星は必ず
人間のいる町を攻めにやってくるんだよ
あかるいところを狙って
壊しにくるんだよ
でも大丈夫
安心して
地球にはヒーローがいるんだ
色んな名前の、色んなヒーローが
そして
日本のこの町を守るヒーローは
君だった
君は考えていた
『どうして流れ星は人間の国を壊しにやってくるんだ……?』
答えは誰にも出せなかった
流れ星は喋れないからだ
そんなことを考えているあいだに
また今日も流れ星が降ってきた
ギラギラと輝きながら、憎むような音をたてて
人間のたくさん暮らす、幸せそうな住宅地にむかって
きみは素早く移動すると、
必殺技を繰り出した
「くらえ! すげーパンチ!」
もっとかっこつけてもよかったんだよ?
ちょっとその技名テキトーすぎない?
でも破壊力は本当にすげーくて
一発で流れ星は粉々のほんとうの小麦粉みたいな粉になった
キラキラ、キラ
今日の流れ星はなんだか違ってた
雪のように、星のように舞う粉の中に、
女の子が入ってた
しくしくしく……
女の子は泣いていた
「どうしたの?」
君はびっくりして、彼女に尋ねた
「どうして流れ星の中に入ってたの? 君は誰?」
「わたし、流れ星に願いごとをしたの」
少女は言った
「それなのに……願いごとはかなわなかったの」
「だから」
君は聞いた
「この世を憎んだの?」
「そうよ!」
女の子は顔を上げた
「こんなつまらなくて苦しいだけの世界は、滅んでしまえばいい!」
女の子の顔は憎悪で歪んでいた
君を睨みつけると、手を挙げた
空から今まで見たこともない数の流れ星が、襲ってきた
君は無理だと思った
これをすべて迎撃するのは無理だと、すぐに悟った
だいじょうぶ
君には仲間がいる
台湾からフェニー・スーが駆けつけた
アメリカからケン・リュックマンが駆けつけた
色んな国から色んなヒーローたちが
光の速さで駆けつけて
一緒に流星群を迎え撃つ
力を合わせてすべての流れ星を破壊した
女の子は声を上げて泣いた
どうして誰もが意地悪するの
どうして私をいじめるの
さて
君はどうしますか?