第1章 プロローグ
【実は俺、宇宙船を育てています】のスピンオフ作品第一弾。 本編にもリンクする予定です。
私の名前は、ドクターアン。
みんなから名前は呼ばれずに、ドクターやドク、中には恐れを持ってマッドドクターなんて呼ぶ者まで居たけどね。
ちょっと連合議会がきな臭く成ってきたから、腹癒せにコア自壊用の時限ウイルスをバラ撒いてトンズラして3年、主星も無くなって帰るところも無いし、あたしも年貢の納めどきかね~?。
「まだまだ、ヤりたい事は尽きないけれど、あたしゃもう寿命だよ。
あんたは、新しいマスターを見つけて自由に生きな。
あはは、宇宙船に生きなも無いか?・・」
パタンッ・・
そして、あたしゃ一度寿命で死んだのさ。
1万と666年生きたけど、まだまだ生き足りなかったよ。
運斬技牙と云う天の川銀河で一番技術の進んだ一族に生まれて、愛船のキシャールと好き勝手に生きてきたけどさ、とうとう寿命が来たようだ。
[マスター、私は諦めませんよ。
貴女が生き足りないと云うのなら、未来永劫一緒に居てもらいますからね・・。
進路をアンドロメダ銀河へ固定、速度は低速亜空間航行に固定(通常亜空間航行の7分の1)。
これでしばらく邪魔は入らないでしょう。
では、術式を開始します!]
・・そして250年後・・ (およそ1万光年/年の速度で飛行中)
[マスター、そろそろ目を覚まして下さい。
もう、アンドロメダに着いちゃいますよ!
マスターたら!]
『ウ~ン、もう朝かい?あったま痛いネ~、キシャール!二日酔いの薬を出しておくれ・・』
[・・アッ、起きた!?・・、マスタ~マスタ~~] ・・涙声・・
『何だい何だい、湿っぽいね~。お前さん宇宙船だろう、泣くやつがあるかい・・って、何だいこりゃあ?』
手のひらを見てびっくりしている、アン。
[やっと目を覚ましたんですね!そろそろ諦めようかと思っていたんですよ~♪]
『あんた、あたしに何をしたんだい?これじゃまるで・・』
あたしゃ相棒のキシャールを舐めていたよ。
まさか、倒れたあたしを冷凍睡眠で保存して、延命の研究を進めているとは思わなかった。
どうやら、あたしゃ~まだあの世へは行けないようだね♪
本編のキャラを書いていたら、一本出来てしまったので、チョッと浮気!