1-4 デジャブぷらすフラグ。
明日は二、三回くらい投稿できると思います。
更衣室に行くと、先客がいた。……デジャブった。
……また勇者か。今度はなんだろ。固有スキルとか?
「……あのさ」
おお珍しい。勇者から質問が来た。
最近は無口に磨きがかかったのだと思っていた。
人は見かけと噂によらないな。
「自由時間って何してる」
……これはあれだ、会議の不満やら何やらだな。
そういうものがあると知ってはいたし、避けてきたことにも違いないから。
「いろいろと。最近は部屋にいるよ。スキルを調べたり」
「へぇ……」
この世界、様々な隠しパラメータがあるんだよな。
最近はそれを見つけるのにハマっている。
「あのさ」「それと」
被った。
「……先どうぞ」
「サンキュ……少し話さないか?」
「まあそれくらいなら」
風呂に入りながら、いろいろなことを話した。
俺のこと、順也(やっと名前覚えた)のこと、スキルのこと、この世界のこと。
ついでに固有スキルは明かしておいた。
「へぇ……面白いスキルだな」
「使い勝手がいいのは認める。けど……」
「けど?」
「……無双系スキルが欲しかった……!」
攻撃スキルゼロ。応用すれば攻撃に使えるスキルはいくつかあるけど。
災難だ。
少しくらい攻撃スキル欲しかったなあ……
「じゃあな」「ああ」
それから順也と別れて、部屋に向かう。
明日は迷宮に挑む。
……サボれないかなあ……
翌日。
俺達は召喚された大広間に集められた。
その後、国王のありがたい(笑)お話を聞いて、迷宮に向かうことに。
……サボれませんでしたとさ。出席確認(?)された。
王城から迷宮へ向かう途中、面白い噂を耳にした。
「あの迷宮の最下層には呪われた巫女が封印されている」
というものだ。実際には街の人の噂を聞いていて、興味センサーにひっかかっただけ。
……盗み聞きとか言わないお約束。
RPGだって盗み聞きイベントでストーリーが進む。同じことだ(と思いたい)。
呪われた巫女は、邪神に仕えていたらしい。昔は普通の神様だったそうなので、巫女がいてもおかしくない。
そして邪神の巫女という理由で、最下層に封印されたらしい。
これからいく迷宮──シガール迷宮というらしい──は完全攻略が完了しているので、何かあったとしても対応できるらしい。
付き添い、というか案内役として騎士がいるので迷うことはないだろう……あ、フラグ。
迷宮の近くについた。移動時間は30分。これはシガール迷宮と呼ばれるわけだ。王都から近い。
迷宮は下に進んでいくタイプらしい。一階部分しか見えていないからな。
この辺りでパーティを組んで進んでいくらしい。……ソロじゃ駄目?
会議に参加しなかったからなのかことごとく避けられるし。
……ちょっとその辺で<擬態>を使う。
バレてないバレてない。
そのままそーっとそーっと移動していく。音を立てないように。
……なんか今段ボール欲しくなった。しかしこの世界に段ボールはありません。
抜き足差し足忍び足、すり足飛び足千鳥足……え、違う? ……確かに飛び足は違うな。
ジャンプはしないで、慎重に歩いていく。
迷宮の近くまで来た。
あともうちょい。ここからはさらに慎重に。
こういうのって小枝とか踏んで失敗するパターンが多いから、足元にも気を付けて……っと。
よっしゃ行けた!スネークミッション達成!
俺は迷宮の中へ足を踏み入れた。