1-3 勇者、賢者、帰還者。
修正完了したので投稿します。
今回は勇者サイドから。
─Side:順也─
俺達が召喚されてから一ヶ月。
俺のスキルレベルは27まで上がった。
途中、<生命の鼓動>というレベルが上がりやすくなるスキルを手に入れ、他のクラスメイトより大きく成長した。
この一ヶ月で、俺達は会議を開いたりして、自分達の限界、職業などを共有した。
しかし、数家のスキルはわからなかった。
自由時間内に開いたのだが……
おかげで数家だけ職業とスキルがわからないままだ。
前に職業は聞いたことがあるが、スキルについては聞かなかった。
<帰還者>という職業。概念としては、<帰る>。
すなわち、地球に帰る何らかの手段を持っていてもおかしくはない。
……今までの行動で、そんな気配はないが。
「ねえ、順也君」
「何?」
俺が数家について(数家の職業について?)考えていると、声をかけられた。
彼女は水原真紀。職業は賢者。
特徴的なツインテールをいじりながら、彼女は話す。
「数家? のこと、どう思う?」
そういえば、彼女は去年違うクラスだった。数家のことをあまり知らないのだろう。
「どうって……そこまで<悪人>ではないよ」
「そうじゃなくて」
彼の性格じゃないなら、何を聞いているのだろう。
「会議に参加しないことだよ」
行動のことらしい。
「……中庭にでもいるんじゃないのか」
「何でいるの? 王女が<あんまり外に出ないように>って言ってたけど?」
「<中庭>は中にあるんだろ。外じゃない」
頭が固いのか? ……まあいいや。
卒業式の売り物事件みたいな感じだろう。あのクオリティが高すぎて他の学校に売られたやつ。
あれと同じ感じで、納得いくまでやってるんだろう。
……何をやってるのかまでは知らないが。
「……本人にでも聞くか」
「どこにいんのよ」
前に風呂場であったからいけるだろう。そう言うと。
「……あの外見で?」
「ああ、あの外見で」
いくら生物学が証明してもな……
「じゃあ、頼むわね」
そう言って、彼女は歩いて行った。
……思いつきだったのだが、採用されてしまったようだ。
俺は会話を繋げるのが得意ではないのだが……仕方ないか。
──Side:数家
あれから、一ヶ月が経った。
ステータスは大きく成長し、新しいサブスキルも手に入った。
具体的には。
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カズヤ・キリシマ 男 13歳
人族 Lv.1
職業:帰還者
VIT:213
STR:24
INT:14
RES:32
DEX:179
AGI:1057(+5)
<固有スキル>帰宅Lv.37
<通常スキル>共通言語
アクセサリ
アイテムボックス(指輪:中)
シプア生地の服(AGI+2)
天馬の靴(AGI+3)
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……こんな感じだ。
全体レベル(一番上の)は魔物を倒すことで上がるらしいので放置。
固有スキルの派生スキル(めんどいからサブスキルと命名)も増えた。
具体的に、分身とか。
表示するとこんな感じ。
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固有スキル<帰宅>Lv.37
獲得スキル一覧
Lv.1:高速移動(13倍まで)(A
Lv.1:味付け(AGI+21)(A
Lv.5:オールウォーキング(P
Lv.7:タイマーセット(A
Lv.10:地図化(P
Lv.11:擬態(A
Lv.15:視力上昇(P
Lv.20:転移(A
Lv.22:全方位視点(P
Lv.25:念話(自分含む2人まで)(A
Lv.28:分身(最高3体)(A
Lv.30:危険察知(P
Lv.33:天候変化(A
Lv.35:言語習得(P
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Aはアクティブスキル、Pはパッシブスキルの略だ。
……なんか必要ないようなものが混じってるのは気にしてはいけない。
ぶっちゃけ天候変化とか何に使うんだとか思ってる。
……明日は迷宮探索なのだが。
これでどうしろと? って言うのが本音。建前も何もあったもんじゃない。
ボッチが幸いして擬態とか使ってもバレないんじゃね?
……できそう。知り合いとかいないし、バレなさそう。バレても「ふーん……」で片付きそう。
今もうすでに夜なわけだが……他に対応策が思いつかないしそれでいくか。
あと2日分は……あるかなあ。
とりあえず頑張ります。