2-6 VS天海神 決着と感想
さあ張り切って二話目を投稿しますよー!
決着がつきます!
「ん、あそこか。──『海戦流抜刀術、火照命』」
それは、俺の喉元を貫いた。
落とし穴があり、刀の間合いよりも離れているはずなのに。
さらに言えば、擬態で体を隠している。
確かに一瞬のことで体が動かなかったのは認める。が、いくら何でもそれは。
「んー。失血死とかありなのか?でも周りから構成するなら水分は多いよな……」
刀はもう鞘に収まっていて、刀身がどんなものなのかはわからない。
能力のおかげで元通りだが、あれを攻略しないとな。
刀の形状的に直線にしか移動しないだろう。なら、それを逆に利用できればいいけど、そんな器用なことできないし……あ、あれがいけるかも。
「もう一回やってみよ。てい」
「てい」でできるのは普通にすごいことなのだが、気にも留めていないようだ。
「今!<ヘルファイア>!」
<分身から>ヘルファイアを飛ばす。
これなら、本体が攻撃を負っても分身から攻撃できる。
そして本体は死なないので問題ない。
分身がやられると攻撃できないというラスボス感あるものになったが。
水を操る相手だからかあまり効いていないようだ。
「お、いいねぇ。じゃあもうちょっと気合いれるか」
そういって、手を前に突き出す。
「『海運「オーシャンビュー」』」
そこから、大量の水があふれだした。
反応が遅れ、少し水を飲んでしまう。
「……ひょっは!?<転移>!」
上に転移する。<オールウォーキング>のおかげで空も歩ける。が、絶対に目立つので人前では使わないようにしている。
ああ、喉乾いた。あれ海水だったのか。
一点に集中させた圧力は分身を押しつぶした。水圧こえー。
俺が助かったのはとにかくたくさん作った落とし穴のおかげだ。
あれが多少水位を下げていなかったら、確実に一回は死んでいるだろう。
「あーらら。溺死のサンプル欲しかったのに」
「生き返るっけど、な!」
高速移動のおかげで、下から飛ばされるに対応できているが、無いと絶対に避けられない自信がある。
時折体を掠めるせいで、体が水にぬれて寒い。あと、重い。
結界?でフィールド以外に漏れないようになっているが、その分深さが増すわけで。
俺もそんな感じの範囲攻撃欲しい。
酸性雨は範囲継続ダメージだし。
「<転移>」
水圧で潰された、倒れた木を体の中に転移させようとしているが、それを読んだかのように避けられる。
「ん。おっけ、そろそろ終えようか。『海流「シンセシス」』」
シンセシス……えっと、どんな意味だっけ。アナリシスが「分析」だから……
「追尾と、窒息と、殺さない。でいいかな」
あ、「合成」だ、前にどっかで……
意識が言葉を紡ぐ前に、追尾してきた流水に飲み込まれて、俺は意識を失った。
「あそこまで耐えるとはなぁ」
正直、侮っていた。
まあオーシャンビューを使った時点で予想外だったのは確かだ。
使う気なかったし。
「おお、こーなるのか。不死身って面白いな」
まず飲み込んだ水を吐き出す。
そして、肺を復活、というか機能を元に戻してるんだなこれ。
外傷を治し、<元通りに>する。
(あ、終わった?)
「終わった?じゃねーよ。かなり苦労したぜ」
リアの奴。俺に押し付けやがって。
まあ楽しかったから別に文句はないが。貴重な物も見られたし。
(むぅ。そこまで強いとは)
「ふつーに強かったぜ。「ビュー」を耐えるくらいには」
(あれ、燃費が悪いとか言ってなかったっけ)
「まあ、最初にブッパするのが一番効率いいけどな。というか、こいつの前でそれができないのか」
(緊張するって言わなかったっけ)
「ああ、姉妹揃ってコミュ障だったか」
姉の方もそうだよな。弟はどうだか知らんが。
(私はともかく、あれがそうとはとても思えない)
「そのへんは置いといて、そろそろ戻ってもいいか?」
(りょーかい。お疲れ)
「疲れさせたのはお前だろ」
「……まあ、そうだけど。とりあえず、カズヤを小屋の中に運ぶか」
カイトのおかげで重いカズヤをなんとか持ち上げて、小屋の中に運び入れる。
運び入れたはいいが、そこで落としてしまったので、放置した。
「ふぁあ。寝るか……」
カズヤは……自力で起きると思う。多分。
【天海神】神名はカイティラクル。天気(空)、海(水)、風を司る。ギャンブル好きで有名。狙うは一発逆転。お気に入りの刀「海運風水貫刀」は貫き特化。何かを斬るのには向いていない。蒼く長いマフラーを巻いた青髪の少年の姿で描かれる。
100ユニーク突破しました!本当にありがとうございます!
皆さんのおかげです!
ポイントとかブクマとかくれてもいいんですよ?|д゜)チラチラ