06
「えっと玉藻さんと丹歌くん?」
墨は恐る恐るふたりの名前を呼んだ。
「そうだ。
私の名前は多摩月 玉藻だ。
んでコイツが詩空 丹歌」
「よろしくね」
丹歌が笑う。
「僕の名前は墨です」
「墨やな?」
「え?」
関西弁で現れたひとりの少女。
「ウチはハデス13世や」
「……え?誰?」
「だーかーらー、ハデス13世や。
よしなに!」
ハデスと名乗る少女はそういって笑った。
「僕もいるよ」
そういって十三も現れた。
「テメェは……」
ジルがそういって十三を睨む。
「僕の名前は十三。美神 十三。
それ以下でもそれ以上でもないよ」
「その名前は心に刻んだ!
覚えてろよ」
「なにを覚えるの?」
「俺たちの名前と顔をだ!」
「誰だっけ?」
「ジル・ジルベルトだ」
「ふーん」
十三が興味なさそうにうなずく。
「あのダーク・グラムのギルド長!デスペル・ジルベルトのが息子!ジル・ジルベルト様だぞ!
跪け!」
「とりあえず殺してもいいかな?」
十三の言葉にジルの怒りが頂点に達した。
「やれるものならやってみろ!
お前の銃で俺が殺せるのならな!」
するとジャキが間に入る。
「やめておけ。そんなヤツ相手にするだけ無駄だ」
「なんだ?乱闘か?」
すると別の男子生徒が教室に入ってきた。
「なんだ?ゾロゾロ集まりやがって」
「いや、始業式だし教室だし……そんなモンだろ?」
その男子生徒がそういうとベラがいう。
「こいつ百瀬 百道だ……
ステゴロの百道」
「ああん?」
百道がベラを睨む。
「相手を殴れば殴るほど手が固くなるステゴロの能力を持つんだ。
敵に回すと厄介だね」
すると教室に今度は教師が入ってくる。
「喧嘩は停学処分だよ?」
教師のその一声でジルは舌打ちを打ったあとその場から離れた。
「今日は厄日か」
そう言い残して……