表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/19

#8〜コミュニケーションに暗雲‼︎ 上司がギャルでした〜

明日は関西地方に台風接近⁉︎


皆さまお気をつけ下さい。

 僕はRUIさんに先導され、エレベーターに乗り、3階にある部屋の前にいた。


 「『人事部』?」


「えぇ。私が部長を拝命している組織です。安達さんにはここに所属して頂きます」


 え、と言う事は? RUIさんのお膝元で仕事をすると言う事? え、何それ? これってRUIさんとの社恋フラグ立ってる? RUIさんルート入っちゃってるの? 何それラッキー‼︎


「では参りましょう」


 RUIさんが禁断の扉を開け、中に入る。僕も後に続き、そそくさと中に入った。


 部屋の広さは、めっちゃ広い。ちょっとした体育館だ。その中でそれぞれ作業する机があり(ざっと見ただけだが100名分くらい)、机スペースと仕切られた所に丸机(多分ミーティングスペースかな?)がある。


「皆様‼︎ お仕事中に失礼します‼︎ こちらにご注目頂けますでしょうか‼︎」


 100程の人間が一斉にこちらを見る。言わなくても読者様には理解して頂いておるとは思うが、念の為に言っておく。この状況、無理だ。僕は今から死ぬ。死因、過度な注目視線を浴びた為の注目死。


「本日より、この部署に配属となった『安達勇』さんです。皆様よろしくお願い致します。では、安達さんからも一言」


 はぁ〜⁉︎ 無理です無理です無理ですよ⁉︎ こんな人数の前で話すだなんて、到底無理な話ですよ‼︎ 女神様‼︎ ちょっと女神様⁉︎ ネットの掲示板に上げても良いですか⁉︎ 300字以上書きますから‼︎ お願いします‼︎ 助けて下さい‼︎


「頑張って下さい」


 女神からの耳打ちが入る。顔が近くなり、余計無理になった。息が耳にかかる程近い。やり過ぎっす女神様‼︎ ご褒美っすか⁉︎ 何もしていませんがご褒美っすか⁉︎ いいです‼︎ わかりました言いますよ‼︎ さぁ、全員見るがいい‼︎ これが僕の全力だ‼︎


「よよよよよ、よよよ、よろしきおねマス‼︎」


 部屋の全員が拍手で迎えてくれる。どうやら僕は生きている様だ。


「よく頑張りました」


 女神から笑顔で拍手を頂き、さり気なく僕に耳打ちする。今まで生きていた僕は、今死んだ。


「では、安達さんの研修を……キラさん‼︎ お願い致します」


 え? killerさん? 殺し屋?


「うっそ〜‼︎ ガビーん‼︎ マジあっしっすか⁉︎」


 まさかのギャルだ。立ち上がった彼女は、髪が金髪、肌はこんがりと焼けており、目はアイシャドウこそ塗りたくってはいないが、まつ毛が長い。服装も黒とヒョウ柄が目に入る。僕が一番話せないタイプの人が、研修係になってしまった。正に勇killer。


「はい。キラさん、よろしくお願い致します」


 よろしくお願いしないで下さい。チェンジして下さい。RUIさん、入社初日で見捨てないで下さい。靴でも何でも舐めますから。


「ルイルイのお願いならしゃーねー。とりま、よろしく頼むっすわ。えと、自己紹介した方が良さげ?」


「はい。ちょまちめんでぃでもよろしくお願いします」


 は? 途中外国語の様なものが聞こえて来たが……


「ルイルイのギャル語とか、マジバイブス上がるわ‼︎ チョマチメンディって程でも無いけど、とりまこしょうかいしとくわ。あっし、『斎藤 季楽里(サイトウ キラリ)』っつーんだけど、キラとか、キラリンとか、エフェクトとか呼ばれてっから、テキトーに呼んで」


 エフェクト⁉︎ 地味にジワる。しかしまー言葉が半分以上わからんかった。とりあえず僕は


「よ、よろしくお願いします」


 とだけ答えて、不安な気持ちにいっぱいになりながら、案内された自分の席に座った。


 元々話すのが絶望的に苦手な僕にとって、天国から地獄へ、落とされた気分だった。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

また次回もよろしくお願いします^ ^

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ