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#6〜ガチムチ社長、名はサンタ〜

ドライブ疲れた〜(-。-;

 ちょっと待て、一回落ち着こう。えぇ〜っと、確か蒼さんは『中で杜若さんと社長がお待ちです』って言っていたよね? 杜若さんはRUIさんだから、顔も知っている。って事は……え? 隣にいた赤くてデカイ男性が社長? イヤイヤイヤ。まさかそれは無いでしょう? ボディガードか何かでしょう? だって一撃殴られたら首が飛びそうだよ。僕なんか一瞬で終わりだよ。刃牙で言うとドリアンだよドリアン。


「あの……どうかされましたか? 凄い汗ですが……」


「あの……すすすみません。部屋を間違えました」


「え?」


 蒼さんが扉を開けて中を確認する。軽く言葉を交わし、扉を閉めた。


「合ってますよ?」


「嘘だぁぁぁぁ‼︎‼︎ 絶対違うよ‼︎ 国が違うよ‼︎ 中国だよここは‼︎ 素手と素足でトンネル掘れそうだもん‼︎ その内『敗北を知りたい』とか言いそうだもん‼︎」


「あの〜、漏れてますよ。声……」


 やっちまった。心の声が漏れ出した。このまま入ったら違うものまで漏れそうだ。涙とか。


「ふふふ。驚かれましたか? 社長って、個性的ですからね」


 個性なの⁉︎ 個性で片付くの⁉︎ 何であそこまでムキムキになる必要があるの⁉︎


「見た目は怖そうですけど、心はとてもお優しいですよ? 私もこの前ミスした時、社長に謝罪したら『君ハ最高ノWarriorダ』って言って、許してくれましたよ」


 もう完全にドリアンじゃねぇか‼︎ 刃牙読んでない人には絶対に通じないネタを大放出だよ‼︎ 面白いから是非読んでね‼︎


 そんなこんなでもたもたしているうちに、部屋の扉が開いた。中からRUIさんがヒョッコリ顔を出した。


「安達さん? どうされましたか?」


「あ……あの……」


「あ、私が説明します‼︎」


 蒼さんが手を挙げて、言葉が出ない僕の代わりに、説明してくれると言う。


 はぁ〜……社長と役職者を待たせた罰でペナルティを負いそうだ。


「社長の見た目が、『ドリアン』と余りにも酷似していたので、驚いておられるのです」


 一言も『ドリアン』とは発していませんけど⁉︎ 心の中では散々言ったけれど、言葉では発していませんよ⁉︎


「まぁ‼︎ それは社長もお喜びになられるわ‼︎」


 お喜びになられるのかよ⁉︎ って言うか皆んな刃牙読んでるの⁉︎ 面白いからね刃牙は‼︎


「大丈夫ですよ。安達さん、社長は急に毛を飛ばしたりしてきません」


 でしょうね‼︎ 刃牙ネタはそろそろやめて下さい‼︎


「どうぞ中に入って下さい。社長を紹介するだけですから」


「はぁ…………」


 RUIさんに先導され、中に入る。社長が立ち上がり、僕に握手を求めてきた。


「初めまして、私が代表取締役を拝命している『セント・ニコラス』です」


「あ……はい。よ、よろしく、お、お願いします」


 社長の大きな手を握り、握手をした。それにしても『セント・ニコラス』? まぁ単なる同姓同名だろうが。


 RUIさんが僕の疑問を察知したのか、補足説明をしてくれた。


「社長は、子供達から『サンタクロース』と呼ばれ、親しまれているのですよ」


 『セント・ニコラス』は、確か4世紀頃に実在した人物で、『サンタクロース』のモデルとなった人物だ。なるほど、同姓同名だから、あだ名が『サンタクロース』か。考えた人は博識だな。でも僕が言葉として言える事は、


「あ、あ、サンタクロースですか」


 の一言だけ。印象最悪だろうな。


「安達君に期待しています」


 社長にそんな事を言われれば、僕にとってプレッシャーでしかない。お腹が痛くなってきた。


 その一言を残し、『失礼します』と社長は退席した。残った僕とRUIさんは、そのまま会社の説明会に移った。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます!

次回もよろしくお願い致します♩

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