#4〜内定が来た。が、これは間違いではないか?〜
今週もお疲れ様でした‼︎
前話の最後に内定通知が来た事を語った。
が、今、僕は『これが何かの間違いではないか』と疑っている。この話をする事すら、まともに目をみて出来ないこの僕が? 面接でも『モンハン』の話しかしていないこの僕が? 内定? ハハッ‼︎ 冗談だろう?
恐らく、何者かが僕の就職活動を知り、イタズラをしようと通知を偽造して送り付けたのだ。そう考えると全ての辻褄が合う。
って合わないか。
第一イタズラのメリットが無い。そもそもメリットを考えてイタズラをするのか? いや、その前に『メリット』とは何だ? 皆当たり前のように『メリット、メリット』と言うけれど、『メリット』とは何だ? リンスが要らないシャンプーか? そんな訳ないか。
僕は今日も『モンハン』をする。モンハンをしながら考えていた。
ちなみにここで言う『メリット』はシャンプーの銘柄では無く、『有益性』の事だ。自分、もしくは相手にとって、プラスになる事(つまり『お金が増える』『知識が身につく』等等)を『メリット』と言う。僕もちゃんと知ってるよ。
「あっ‼︎ 『RUI』さんだ‼︎」
面接が終わってから1週間、明日で月が変わり、記念すべき僕の初出社だ。考えていたらお腹が痛くなて来た。
1週間毎日ネトゲをしているが、毎日RUIさんと出会う。人事部部長って言っていたけど、そんな偉い人がゲーマーとか、僕にとっては好印象でしか無い。
「おっ、チャットだ。『ISAさんこんばんわ』」
「『RUIさんこんばんわ』」
「『明日から楽しみにしていますね』」
何を? 何を楽しみにしているの? もしかして、こんなに毎日ネットで出会うなんて、僕、意識されちゃってる? 楽しみってそう言う事? 職場でも会いたい的な?
何っつって。ある訳ないか。舞い上がったらそれこそイタイ奴になってしまう。僕に興味を持っている奴はいない。僕はその辺に落ちている石ころだ。誰も気にはしない。
「『明日からよろしくお願い致します』と、返しておくか」
「お、返信。レスポンス早いな。『では一狩行きましょう』切り替えも早いな‼︎ ゲーム好きなんだなぁ〜」
以降現実の話をする事なく、狩に集中した。限定クエストを行きまくった。
僕の中で『ゲームの世界にいる時は現実の話はご法度』ルールがある。面接時に話したか忘れたが、RUIさんは一言だけ、僕の不安と緊張を見透かした様に、一言だけ言ってくれた。
『明日から楽しみにしていますね』
この一言が、この一言でどれだけ僕が救われたか。僕にとってRUIさんは、やはり女神だった。
次回も読んで頂ければ幸いです^_^