俺は死んだらしい
「暑い・・・」
今日は7月31日だ。暑いのは当然だろう。だが、それを分かっていながらも口に出してしまうほど今日は暑かった。
「昨日はこんなに暑くなかったのに、どうして今日はこんなに暑いんだ。せめて明日にしてくれ〜」
1人でそんなことをぼやきながら、俺はベットの上に横になっていた。
今日は高校の終業式だ。今日1日耐えれば、明日から素晴らしい1ヶ月が待っている。そう自分に言い聞かせてベットから起き上がり、朝食のトーストをニュースをぼんやりと見ながら食べていた。
「速報をお伝えします。現在、何者かが都内の銀行から現金5000万円を盗み、八王子付近を逃走中です。お出かけの際には充分注意してお出かけ下さい。」
へーここら辺だな。気をつけねーとな。
学校に行かないわけにもいかないので、俺は家の鍵をしっかりかけて出かけた。
横断歩道を待っていると、反対側を渡っている俺と同じ制服を着た女子高生に車が突っ込んで来た。彼女はイヤホンをしていて、気づいていないようだ。俺はとっさに彼女の手を引っ張って避けさせようとした。だが、俺は彼女を引っ張った後、バランスを崩して盛大に転んでしまった。そこに車が。
俺の意識はそこで途絶えた。
その後、俺は見覚えのない場所で目を覚ました。教会のような場所だ。病院じゃない。そもそも俺の体には怪我のひとつもない。
「目を覚ましましたか。」
後ろの方から声がしたと思って振り向いてみると、そこには、天使のようなコスプレをした美少女がいた。
「えーと、聞きたいことは色々あるけど、まず君は誰?ここはどこなの?」
「ここは死人が一時的にとまる場所です。名前とかは特にありません。私は女神です。」
?何を言っているのかよく分からない。あっ!そういえば俺は車にひかれたんだった!傷がないとこをみると本当に死んでしまったのか・・・
「そうか。俺が死んだってのには納得したよ。あんたは女神には見えないけど」
「なんですって?私は正真正銘の女神です!」
「と言われてもな・・・」
衣のような服を着て頭に天使の輪っかのようなものをつけた金髪で短髪の少女はどう見てもただの人間だった。
「まあそれはとりあえず置いておきましょう。あなた、神になってみませんか?」
ここから俺の第二の人生が始まろうとしていた。