回想 1
夢をみた。遠い昔の夢を。
『ゆうちゃん、あーそーぼっ』
『…もえ、また?』
『だって、もえ ゆうちゃんとあそぶのすきなんだもん』
ぷくっと柔らかな頬を膨らませる萌は可愛らしい。
思えばこの頃から、萌は将来美女になるだろうと予想できる容姿だった。
色素の薄いふわふわな髪と瞳。
ピンクのぷるぷるな唇。
誰も踏みしめたことのない、綺麗な雪を思わせる白い肌。
なにもしていないのに、整っている並行眉。
高い鼻。
本当にパーフェクト。
対して私は、光にすかせば茶色に見えるけど基本は黒く見える髪と瞳。
サーモンピンクの唇は、少し乾いている。
唯一誇れるのは白い肌くらいか。
双子とは思えない、本当に。
『ゆうま、おねがい。もえ、ほんとうにゆうまとあそぶのだいすきなの』
『……まゆは?』
『? なにが?』
『まゆは、おれとあそぶのすき?』
その質問に暫しキョトンとする。
次いで浮かんだのは純粋な疑問だった。
『なんで、わたしにきくの?』
いつも、私は萌の言ったことを肯定していればよかった。それか援護。
だから、なんで私に聞くのか当時の私は本当に理解出来なかった。
『…まゆは、おれとあそぶのすきじゃないみたいないいかたしたから』
『うーん。べつにきらいじゃないよ?』
『すきかきらいか、きいてる』
『………もえ』
思わず視線の先にいる萌に助けを求めると、萌は困ったように眉を下げる。
『まゆ、もしかしてこうしてあそぶのきらいだった…?』
『え』
『だったらごめんね?いままで、むりさせてたかも…』
シュンと落ち込む萌を見てられなくて、思わず全力で否定した。
『ううん!ゆうまとあそぶのすきだよ!だから、もえも きにしないで』
『ほんと……?』
コクコクと頷くとようやく萌が笑った。
『よかったぁ!まゆとあそべなくなるの、もえかなしいもん。ねぇ、ゆうちゃん』
『……うん』
それを聞いて、思わず固まる。
私が嫌いって言ったら、もう私と遊ばないつもりだったの……?
萌も悠真も、私を選んでくれないんだ…。
涙で歪みそうになる視界を、瞬きを多くしてやり過ごす。
2人にとって、私はそれくらいの存在。
早くから知れて良かったんだよ、きっと。
『まゆ、なにしてるの〜?はやく座って!』
『……トランプするって』
仲良しな2人の間にいつまでいれるんだろう。
そんな不安を抱えながら、笑って返事をする。
『よーし、まけないよ!』
~おまけ〜
『しんけいすいじゃくやろー!』
『『『じゃーんけーんぽんっ』』』
『え〜、もえからかぁ。ついてないな〜』
ーペラッ……ペラッ
『『『あたった……』』』
ー9分後ー
『もえ22まい』
『18まい』
『もえもゆうまも、つよいね!わたし12まいだよ〜』
『『まゆがよわいんだよ』』
『え〜?』
ーいったん休憩ー
『次は、はばぬきやりたい!』
『だれが ばばもってるの〜?』
『それいったらだめだろ』
『わたし、かおにでちゃうからなぁ』
『まゆ、それもいったらだめだとおもうよ〜?』
ー7分後ー
『あがり』
『ゆうちゃんはやい!もえも、まけてらんない!』
『わたしもまけないもん』
『ふふふっ。さぁ、どっちだ!』
『う〜〜〜ん。………こっち!』
ーペラ
『わぁい!もえのかちっ!』
『またまけだ…。もう、2人ともつよいよ〜』
『『まゆがよわいんだよ?』』
舞由は、トランプがめっぽう弱いです。




