部屋への憧れについて書く手紙
1月21日
僕だけのオリジナルのズゴックって何だ!という恐ろしく早い返事を拝読しました。
そんなに心配しなくても、私はストーキングなんてしません。参考までに今日彼女と交わした言葉を書いておきます。
「お疲れ様でーす。」
さあ、話を変えましょう。
私には憧れの部屋があります。それは二つの青い部屋です。一つはエジプトはルクソールのオアシスというホテルです。地面も建物も、ナイル川以外は全て黄土色の町で、壁も家具も青色に塗装されたそこは、とても清涼感のある空間でした。オアシスというよりは水中にいるような。
もう一つはスペインはバルセロナ、グエル公園の守衛小屋です。青色の光は心を鎮める効果があり、駅のプラットホームに設置すると自殺者が減るなんて話も聞きますが、ここは何だか逆に落ち着かないくらいの真っ青に、壁も天井もウルトラマリンで塗られています。もはや深海に沈んでいるかのようです。
そんな部屋に憧れて、ユザワヤで十メートル三千円で売られていた、ポリエステルの青いサテン地を買ってきて壁にかけてみました。なんだか出来は微妙で、とてもセンスが光っているという感じにはなりませんでした。
そんな海に憧れる私なので、きっとズゴックなんてついうっかり書いてしまったのでしょう。この海に私のズゴックで彼女を・・・
K様
Sより