ピクニックへのお誘いの手紙
12月4日
実家から帰ってくると、日当たりの悪い部屋の中が外よりも寒くて驚きました。K君も実家には帰省しましたか?
日常へ戻る帰りの電車は、冬の低い太陽の光が差し込んで、黄昏た雰囲気です。隣に座っているスーツケースを持った人も、きっと悲哀に満ちた心持に違いありません。
この世の果てへ向かう列車が、多摩川を越えた時、私は良いことを思いつきました。
我が家の裏手に川があります。近くにはバラが植えられていて、小さい芝生のスペースがあり、ススキも眺められるステキな場所があるのです。
そこでピクニックしませんか?
冬ですが、晴れて風の無い日は十分に暖かです。食べ物は買ってもいいですが、折角なので簡単に料理します。スコーンも焼きましょう。魔法瓶にはお茶を並々と。我が家にあるありったけのひざ掛けやスローを持っていきましょう。
太陽の光は横から浴びると悲しくなりますが、青い上空から浴びると気持ちがいいものですよ。K君以外にあと一人か二人お呼びするつもりです。
それでは色よい返事を期待しております。
さわやかK様
料理美男子S