幸運故に妹
小説を書き始めて、最初の感想を頂きました。
本当嬉しいです。ありがとうございます。
遂に異世界にいった3話です。
これからもよろしくお願い致します。
目覚めると僕は大きなベットの上にいた。
天井には大きくそして煌びやかなシャンデリアがぶら下がっており、誰の目からみても高級そうなのは明らかだ。
「知らない天井だ……」
ゴメン、言ってみたかっただけ。
さて、ここは何処だろう。
ベッドのある部屋はとても広くて少なくとも教室3個分はある。
そして、今自分が着ている服も高価そうだし、部屋の内装はこれでもかというほど豪華だった。
現状を把握しようと、 キョロキョロと辺りを見回しているとベッドの横の椅子に1人の少女が座っているのに気がついた。
スゥ……スゥ…という音と共に肩が小さく上下に揺れている。
どうやら寝てしまっているようだ。
女の子の寝顔なんてそうそう見れるものじゃないぞ、とご尊顔を拝見しようと顔を近づけたその時、バッと彼女が飛び起きた。
寝不足だったのだろうか、その美しい顔にできた隈が少し疲れを感じさせた。
っとそんなことを言ってる場合じゃない。
僕と彼女の顔は今にもキスができそうなほど近い。
彼女は目前まで迫った僕の顔を見て驚愕の表情をつくり、そしてその端整な顔を歪ませた。
はい、分かった、もう分かった。
殴られると直感した僕はとっさに右頬を左手で庇い、相手が左利きである可能性も考慮し、右手を布団から出して両手を自由にする。
だてに前世で不運な人生を送っている僕ではない。
こんな事は学校で日常茶飯事だったしそのおかげで自分の回避スキルもかなり高いと自負している。
さぁこれでどんな攻撃がきても対処できる、かかって来い!っと意気込む僕に対して彼女がとった行動は殴るでも蹴るでもなく、抱きつくという不可解なものだった。
「兄様ぁぁ! 良かった!良かった! 気がついたんですのね! あぁ神よ……ありがとうございます。はっ…母様に伝えなくては…母様ぁぁ〜 母様ぁぁ〜」
と早口で言うと名残惜しそうに僕を離し、彼女は部屋から飛び出していった。
部屋に残された僕は少女に抱きつかれたという今の状況を理解できないままでいた。
(うん…分からないぞ。兄様って僕のことを呼んだよな。って事はあれは妹! あんな可愛い子が妹か……捗るな。 っとやばいやばいそんな事は今は問題ではない。今は現在地の確認をしないと……)
そんなことを考えているとギイッと重い扉の開く音がして、外から豪華な服を着た夫婦らしき人が部屋に入ってくる。
従者らしき人達も続々と部屋に入りその中には僕を兄様と呼んだ妹? もいた。
最初に入ってきた夫婦の男性の方が、ベットの上にいる僕を見て、大声をあげた。
「アレン! 無事なのかい! あぁ良かった。私はアレンが死んでしまったのかと……」
横にいた女性も涙を流して続く。
「アレン! 良かった! 本当に良かった!」
周りにいる従者達もみんな涙ぐんでおり、実に感動的なシーンであった。
だから僕はこう続けたのだ。
「すいません。あなた方は誰ですか?」
「「「「「「は?」」」」」」