処刑
頭が痛い……、目覚めるとそこは薄暗い所だった、ジメジメしているし何となく不快な思いをさせる場所。
「此処は何処なんだろう?」
床はごつごつしていて氷の上に居る様に冷たかった。
棺桶……なわけないよな?
見回していると前の方に何かがこすれる音が聞こえる。
「誰?」
勇はそう言うと同時に首に何かが巻き付いてきた。
咄嗟に勇は首に巻きついてきた物を外そうとするがなぜか自分の肌の感触しかしなかった。
「うっ」
首にが引っ張られる。
「取調べだ」
そこで初めて入ってきた人物が話した。
「取調べ?」
「ああそうだ」
強く引っ張られ首が閉まるがもがきながらも前に進む。
なんなんだよ……此処は地下牢なのか?それと取調べって?
勇は混乱しながらも大人しく着いて行く、それしか選択肢が無かったのだ。
しばらく歩くと外に出られた、暗い所に居たからか目が痛くまともに開けられなかったが立ち止まる事すら許されなかった。
しばらくすると目が落ち着きゆっくり開ける。
緑色の草木やオレンジ色の木などが植えてある庭が見えた。
そこは知っている場所だった、知識ではなく記憶が知っていると言っている。
美希って子の記憶なのかな?
勇はそう思っていると無駄に大きい扉の前に着いていた。
「罪人を連れて来ました!」
そういうと扉が開き中には険しい顔をした男の人と豚の様に醜いこれまた険しい顔をした人?が居た。
横には兵士や変な服を着た男女が勇を見ていた、この場に居る全員が敵意を勇に向けていた。
怖い、なに此処?何でそんな目で睨んできているの?
「お前は何者だ?」
目の前に居る男がそう言う、言葉の一つ一つに殺意が籠っている。
「僕は、」
「言えないのか!お義父様、こいつは怪しいです!!何より自分の事を言えない事が何よりの証拠です」
口を開くと同時にあの豚みたいな男が割り込んでくる。
それに若干カチンときたが落ち着き言葉を言おうとするがまたもや遮られる。
「この者は即刻、首を斬った方がいいですよ!」
豚がそう言うと周りも同意の言葉を言ってくる。
「……そうだな、この者の首を撥ねよ!」
そこで勇は気づいた、取調べなんかするつもりなんかないという事、それにこの人たちは嫌な大人達と同じだという事。
勇は膝を床に着かされ髪を引っ張られる。
あぁこんな所で死ぬんだ……でもいいや、もう帰る場所なんてないし。
勇の首に白銀の塊が下ろされそうとした時。
「お待ちなさい!!」
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