目覚め
友達、大人、先輩……さっきまで生きていた人間の血で大地が赤く染まり周りには青春の表にも裏にもなるはずだった舞台の残骸であるコンクリの塊、鉄の塊その真ん中には真っ赤な服を着た人ならざる存在が立っている。
手には友達だった頭を持ち勇を見て薄く狂気に満ちた笑みを向ける。
まるで滑稽なモノを見るような笑み、その笑みはこれはお前が望んだ事だ、本当はこうなる事を望んでいたんだろ?と言っているようだった。
「違う!こんなのは……こんなのは望んでいない!!」
だが人間らしき存在は笑みを消すことなく勇に近づいてくる、一歩一歩確実に。
恐怖が勇を包み込む、怖い怖い怖い、死ぬのは嫌だ!一人になるのも嫌だ!!
恐怖に狂いそうになる勇、その時頭に優しい感触を感じる、それは優しく頭を撫でられている感触その感触に気づいた途端、勇を包み蝕んでいた恐怖は無くなり代わりに優しい感情で包み込む。
「何?」
小春日和に昼寝をしている時に風が頬や髪を撫でる様なくすぐったい感触、自然と勇はこれを手放したくないと思う、こんな感触は初めてだった。
次第に頭の感触が遠のく。
「待って……待って」
手を上げる、勇は目を開く。
見知らない天井、最後に見たあの青空ではなかった。
「此処は?」
死後の世界っというのをさいぎる様に少女の声が聞こえる。
「起きました?何処か痛むところはありますか!?」
危機迫るような顔でそう聞いてくる勇と同じぐらいの少女、だがテレビでも見たことなく綺麗だった。
勇はそれしか表現できないのを笑いたい気持ちになる。
「姫様……誰か来てしまいます」
少女の隣にも少女が居た、月で出来たような金色の髪を長く伸ばし芸術品のようなだが弱々しくなく逆に勇ましいと感じてしまう鎧を着こんだこれまた綺麗な少女だった。
でも勇は混乱していた、この二人が喋る言葉が理解できないのだ。
困り果てていると二人の少女が話し込んでいく。
その時、勇の頭にこの国の言葉、今いる国の歴史が頭に入ってくる。
膨大な情報のはずだが頭痛もしないし混乱もなかった、ただ知っている事として入ってくる。
「君たちは?」
「言葉が分かりますの?」
「ええ、なんとなくではありますが」
「それならまずお前が名乗れ」
「優衣!」
金色の少女が勇にそう言った、その声には不機嫌さがある」
「すみません、俺は佐橋勇です」
これが三人が出会った出来事。
評価、感想などをくれるとうれしいです。
なるべく早く次のを書く努力はします。