退屈な日々
「今日も大変麗しいです、姫様」
「ありがとう、それで今日の予定は?」
「はい、――――――――」
広い部屋に二人少女が話している。一人は月明かりに照らされ煌めく蜘蛛の糸を思わせるほど綺麗な銀色の髪を持ち肌も透き通るほど白いのに不健康の印象を与えなく目は鋭利の刃物を思わせるのと同時に艶やかさを醸し出していた。
そしてその少女に対面している少女は黒い服に白を強調した服を着ている、容姿は普通に綺麗だが目の前のドレスを着た少女が居るため見劣れしてしまう。
「それでは移動しましょう、姫様」
「そうですね」
私は人形、それは生まれた時からの宿命、走る事も好きなことも出来ない、ただ勉学に励み愛想笑いをしていなければいけない、好きな人も作れない結婚する相手も選べない人生って何?
明日で十五歳になるだがこの退屈の日々は変わらない。
誰か私を誘拐してくれないかな?物語に出てくる勇者様とまでは言わないけどせめて他国の密偵などに……。
そこまで考え思考を中断した。
「御機嫌よう」
擦れ違う貴族に挨拶してささっと通り過ぎる、後ろから情欲の視線を浴びる。
気持ち悪い、男なんて……男なんて!くだらない!!
それでも顔には出さない。幼い時からそう教わって来たからだ、如何なる感情も隠す鋼鉄の仮面。
十歳になってから男の人に度々向けられる視線その度に背筋が虫が這ったような感覚になるのだ。
でもそれを口にも顔にも態度にも表してはいけない、この国は大陸で四番目に大きい国なのだ良くも悪くも周りの国々に影響を与えてしまう。
それに四姫の一人がこの国の姫なのだ。
四姫、この大陸でどんな宝石、花にも負けない美貌を持つ姫達の事だ。
だから私は逃げられない、逃げてはいけない……もし逃げたらこの国が滅んでしまう。
「いやだ、いやだ……あんな奴と結婚したくない」
十五歳を迎えた時、父親である現国王に言われたのだ。
「美希一か月後、ルア国の第一皇子と結婚することになった」
ルア国このアニア国の隣に位置する国だ、その第一皇子とは美希は一度会ったことがある。
お腹が出ていてまるで豚みたいな容姿をしているそれで気持ち悪い目で舐め回す様に見ているのだ。
そんな奴と結婚して子供を産まないといけないっと思うと仮面が外れる。
それでも普通の顔をして何でもないかのように装い誰も居ない書庫に向かう。
書庫に入ると同時に目に涙が流れる、とめどもなく流れる涙で白い頬が喉が濡れる。
「誰か……誰か助けて、勇者でも神様でもいいから」
声を押し殺して言う、言わなければどうにかなってしまいそうだから、それでも声を押し殺して小さな声で助けを求める。例え空想の人物でも助けを求めずには居られないのだ。
そんな中、ある一冊が目に入る。この書庫は数十年前から使われていないのだ。
その本には勇者召喚と書いてある。
魔法が普通に存在するのだが勇者召喚など空想の魔法だと思っていた。
嘘かもしれない、でも藁にも縋る思いでその魔法を発動させる。
通常魔法の習得に早くても二、三週間が必要なのにこの魔法だけは生まれた時から習得しているかのようにすんなり発動できた。
淡い光が円を書きその円の中に幾何学の模様を描く。
それが完成したと同時に眩い光が書庫を包み込む。光に包まれ美希は胸から大切な何かが抜けるような感覚を覚えそして別な何かがその代りに入ってくる感覚に襲われる。
その何かは美希を優しく包み込み安心させる、自然と涙が止まり安らかな気持ちになる。
評価、感想などをくれるとうれしいです。
なるべく早く次のを書く努力はします。