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始まりの話

 残酷な描写があります苦手な人は見ないことをお勧めします。

 不規則に投稿するつもりです。

  真っ赤な大地が続く、その上には数日前まである者は仲間と笑い合い又ある者は愛しい者と居た者が今はただの物として転がっていた。

 その物は元仲間や元敵だった者だそして今はもう…………。

 何時かは皆こうなると分かっていた、だがそれを見ない振りをしてそして自分は特別だと思い込み目を反らしてきた、この世界は残酷までに死が近くそして生が遠いかった。

「また一人になってしまったか……」

 唯一の生存者が悲しそうにそうぼやく、この死が蔓延している世界で最も死を欲しそして恐れる男だった。


「オイ!最後尾遅いぞ!!」

 先生がそう怒鳴る、生徒たちが体育の初めに走っているのだ、この先生はとにかく走らせたがる、それをクラスの皆が怒り半分不満半分で指示に従う。

「誰かあいつを訴えないか?」

 走りながらそう誰かが言う、それに皆が黙り込む。

「訴えるにしてもう少し証拠をそろえないといけないだろ」

「だよな~、ゆうもそう思うだろ」

「いっその事カメラで撮ってテレビ局に送るってのはどうだ?」

 勇がそう言うと次々にそうだな、いい案だ、などと言って段取り決めていく。

 勇が所属するこのクラスは全員が行動力があるといわれていて何かと学校を敵に回していたりもする。

 そうやって平和な学校生活がゆっくり流れていった。

 勇は退屈で刺激を求めていた、この生温くもある生活に胸躍る血肉躍る何かを求めていた。

 それは恋でもいいし小説の主人公みたく探偵になり次々と難事件を解決でも勇者として異世界に呼ばれそこで呼んだ国の姫様や女騎士などに慕われるのでもよかった。

 とにかく世界が変わるほどの刺激を欲していた。

 現代社会の授業中、先生の話を聞き流しながら窓を見ていた。

 青い空白い雲そして若々しく緑色のてかり帯びた葉っぱこんな日には河川敷か草原で読書と昼寝がしたくなる。

 そう思いながら外を見ていたら不意に視界の端に紅い物を捕える。

 なんだと思って勇はその方向を見る。

「人?」

「どうしたん?」

 つい漏らした言葉を前の席に居る男子生徒が聞いたのかそう聞いてきた。

「あそこにいるの人じゃね?」

「え?……どこに居るんだよ?」

 指さした方向に確かに居たはずなのに何もなくただ青い空が広がっているだけだった。

「あれ?」

「寝ぼけてんじゃね?勇少し寝たら?」

 そう言った友人がそれっきり何も言わなくなる、気づいたら外で見た人は黒板の前に居てそして突然現れ教師も生徒も動揺する。

「何だあれ?」

 前の席の友人も困惑していた。

「誰かね、今は授業中だよ!それに部外者は学校に入って来てはいけないよ」

 教師がそう言って人らしき者に手を伸ばす。

「え?」

「きゃああ!!」

「何だ!?」

 伸ばした手は千切れて黒板に当たり血を着ける。

「があああ!!」 

 教師の尋常ではない声、表情で全員が立ち上がり我先に出口に向かう、勇も例外ではなく出口に向かって走る。

 女子も男子もなりふり構わず廊下に出ようとする、廊下には今さっきの悲鳴や尋常ならざる雰囲気を察したのか先生たちが出てきていた。

「どうした!!」

 さすがに出てきた先生は今の現状を見て走ってくる。

 そして勇は見た、先生の手を吹き飛ばした何かが子供が蟻を遊びで踏むかの様な笑顔をしたのを。

 勇はそれを見て背筋がビクっとした。

 やばい!何かが本能に打ったえかけてくる。

 その時人間らしい何かの周りに不可思議な物が円を書くように球体を作るように動いたのだ。

 ドゴン!!

 すごい音がする、目を開けるとそこには真っ赤な大地があった、辺りには瓦礫や何か赤い物そして白い物が散らばっていた。

 上には青い空そして……あの人間らしきもの、そいつの手には目の前の席だったクラスメイトの今さっきまで喋っていた男の頭が握られていた。

 頭から下は何もなく鮮血が地面を赤色に染める。

「グ!おえぇぇぇぇ」

 口から胃の物が出る、すべて出ても胃液しか出なくても嘔吐感が引くことが無かった。

 鼻が痛い、気持ち悪い。

 その場に居るのは勇と人間ではない何かだった。

「何で俺だけ生きているんだ!」

 目尻に涙を湛えながらそう呟いた。

 また何かが嗤う。

「何笑ってんだよ!!」

 勇がそう叫ぶ、此処にはもう人間と呼べる者は勇しか居なかった。

 勇はあまりにもショックで意識を失う。

 評価、感想などを待って居ます。

 一応残酷の方を強めでやる予定ですが幸せの方を強めになるかもしれません。

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