意味が分かると怖い話 心霊写真
《作者からの一言メモ》
このシリーズの更新が遅れて申し訳ございません……
あと、連載の方も遅れて申し訳ございません……
とりあえず、存分に怖がってください!!
とある男女三人組が肝試しにとある廃墟へ訪れていた
「うわ、出そうだね、こりゃあ。こわ~い」
と、怖さも欠片もない可愛らしい声で
幼なじみのひとみは廃墟を見上げて言う
「絶対に出るっていう噂だ」
そう言うのは、友達のたろうだった
僕はというと、先に行く二人の後に遅れて続く
彼らは僕とは違い、怖いものが好きだった
特に幽霊とか
残念ながら、僕は怖いものが大の苦手
足が震えて、立っていることすらままならないというのに……
「おおお、おい。ほほ、本当に大丈夫か?
僕達呪われないよな?」
「何々? 「僕」君は怖いのー?」
「そそっ、そんなわけんだいだろ!」
ひとみにちゃかされながら僕達三人は廃墟の中に入った
たろうが持ってきていたライトで辺りを照らす
円い縁取りに照らされた廃墟内は、薄暗く気味が悪かった
足場が悪く、歩く度にみしみしと音がする
僕達はしばらく廃墟内を探索した
数分して、
「な~んも出ないね~」
「ああ、そうだな。時間を無駄にした」
と、ひとみとたろうが口々に文句を言い出した
僕はやっと帰れると安堵していたのだが……
「折角だから、写真撮らな~い?」
「いいな、それ。撮ろう。
もしかしたら幽霊が映るかもしれない」
二人とも幽霊のことを諦めていないご様子
たろうが近くにあった朽ちたテーブルの上にカメラを乗せた
「ほら、「僕」も一緒に映るんだ」
たろうが僕の腕を強引に掴み、
既にポーズをとっているひとみの側に立たせた
タイマーで撮ったのだろう
パシャリと眩しい光が放つ
たろうはすかさず朽ちたテーブルに行き
写真を確かめる
「お、おい……。これ……」
震える声を発するたろうに
僕とひとみは顔を見合わせ
急いで彼の側に寄る
「まさか、幽霊が映っていたのか?」
僕は恐る恐る尋ねる
「後で見せる……。
ここを今すぐに出よう」
初めて見る彼の焦った態度
その雰囲気に当てられて
僕達は駆けだした
そして三人は僕の家に行き
そこで息を落ち着かせた
僕は思いきってたろうに
カメラを見せてと言う
たろうは後悔するなよ
と念を押して僕にカメラを押しつける
僕は電源を入れてカメラを見た――
僕達三人の他に一人、
背後に赤い服を着た後ろ姿の女性が映っていた
僕は身震いする
たろうが焦っていた理由が分かったから