表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

ペールの一生

 ペール・ギュントの祖父と父親は、先祖が貴族だったのにもかかわらず、金遣いが荒かったため、あっという間に没落してしまった。

 父親は酒を飲んで暴力を振るい、母親にやつあたりをしてとうとう、家を飛び出した。

 そんなペールの野望は、皇帝になって楽をすることであった。

 

「おっかさん、おっかさん。俺がよう、皇帝になったらよ、病気も治るぜ」

 母親はペールがかわいかったので、何も言わなかった。

 あるとき、ペールは友達のイングリッドの結婚式があると聞いて、飛び入り参加した。

 しかし誰もペールを呼んでおらず、かかわりたくないので白い目で彼を見ていた。

 ペールはありったけの酒をがぶ飲みすると、

「てやんでえ、俺様がそんなにうざってえかよ。あっそ、べつにいいがね!」

 テーブルをひっくり返したり大騒ぎ。

 最近一目惚れしたソルヴェイグにちょっかいを出し、俺と踊れと強要したが、

「乱暴だからね、あなたは、嫌いよ」

 つんとおすまし。

 無視されたと怒ったペールは、やけくそになり、イングリッドをかっさらって森の中に逃げ込んだ。

「ペール、あたしホントはね、あの金持ちのどら息子、好きじゃなかったんだ。だってペールのほうが、顔いいし、かっこいいもんね」

「だろう、だろう、俺様のほうがお前にふさわしいぜ」

 ガハハと大笑い。

 ペールのたくましさにイングリッドはどきどき。

 ところが、森の中に魔王の娘がさまよっているのを見て、

「ここは彼女に取り入って、魔王の座をいただいてしまおう」

 イングリッドをあっさり捨てると、魔王の娘に近づいた。

 怒ったイングリッド、

「なんなのよ、おぼえてらっしゃい。あんたを村には入れないから!」

 魔王は魔王で、娘がやっと嫁に行くかと大喜び。

 ところが配下のトロールはペールが気に入らない。

「魔王様、コイツはキリスト信者だぜ」

 トロールに城を追われて逃げ出すペール。

 逃げた先は、アラビアの砂漠地帯、灼熱地獄。

 そこでペールは絶世の美女、アニトラと出会う。

 ペールは拾った盗賊の着物を着て貴族に成りすまして、首領に近づいた。

「ペールといったか、おぬし、気に入ったよ」

 首領は酒を勧める。

 アニトラはペールを新婚旅行に連れて行けとだまし、根こそぎ財産を盗んで一文無しにしてしまった。

「ああ、そんな」

 母親のオーゼも死んで、ペールは身よりなし、金もなしで、結果、山に小屋を建ててすむことにする。

 すると、煙突から煙が立ち昇っていた。

 中をのぞくと、ソルヴェイグが暖炉に火をくべてペールの帰りを待っていたのだった。

「俺には、お前しかいなかったんだよな。今までごめん」

 ソルヴェイグはペールに膝枕をしてやり、歌を歌う。

 ペールの死に顔は、安らかであった。 

ってことで、ご紹介。

トロールに襲われて逃げ出す臆病者。

北欧系って、こういうのばかりな気がするよ。

「サガ」のエイナルは、ずるい感じだし、フラヴンケルってゴジはいじわるだし。

簡単に殺したり死んだりしすぎ。 汗

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ