第47話 歌詞のないはずの歌
夜。
静か。
……。
スマホ。
開く。
……。
昨日。
ずっと。
頭に残ってる。
……。
あの曲。
……。
検索。
止まる。
……。
---
主よ 人の
---
……。
候補。
並ぶ。
……。
押す。
……。
再生。
……。
静かな旋律。
ピアノ。
やさしい。
……。
止まる。
……。
あ。
……。
この曲だ。
……。
昨日の。
ノイズ。
……。
あの。
かすかな声。
……。
これだ。
……。
聞いたことある。
……。
どこだ。
……。
小さい頃。
……。
でも。
思い出せない。
……。
スマホ。
通知。
止まる。
……。
---
『それ』
---
……。
止まる。
……。
「知ってるの?」
送信。
沈黙。
長い。
少し長い。
……。
文字が増える。
止まる。
消える。
また増える。
……。
---
『少し安心する』
---
……。
止まる。
……。
「この曲さ」
送信。
少し間。
「歌詞ないらしいぞ」
沈黙。
長い。
かなり長い。
……。
文字が増える。
止まる。
消える。
また増える。
……。
---
『でも』
---
止まる。
……。
---
『私は知ってる』
---
……。
止まる。
……。
心臓。
少し跳ねる。
……。
「何を?」
送信。
沈黙。
長い。
かなり長い。
……。
---
『歌』
---
……。
止まる。
……。
「え」
送信。
少し間。
「歌詞あるの?」
沈黙。
長い。
かなり長い。
……。
文字が増える。
止まる。
消える。
また増える。
……。
---
『歌ったことがある』
---
……。
止まる。
……。
「いつ?」
送信。
すぐ。
送る。
沈黙。
長い。
かなり長い。
……。
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『わからない』
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少し間。
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『でも』
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止まる。
……。
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『たった1人だった』
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……。
止まる。
……。
少し。
嫌な感じ。
……。
「どこで?」
送信。
沈黙。
長い。
かなり長い。
……。
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『わからない』
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少し間。
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『でも』
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止まる。
……。
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『私はそれで』
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少し間。
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『ずっと呼びかけていた』
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……。
止まる。
……。
「誰に?」
送信。
長い沈黙。
かなり長い。
……。
文字が増える。
止まる。
消える。
また増える。
……。
---
『わからない』
---
少し間。
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『でも』
---
止まる。
……。
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『きっと信じたい何かに』
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……。
止まる。
……。
「神様?」
送信。
沈黙。
長い。
かなり長い。
……。
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『わからない』
---
少し間。
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『でも』
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止まる。
……。
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『ずっと歌っていた気がする』
---
……。
止まる。
……。
なんだそれ。
……。
怖い。
……。
でも。
少しだけ。
寂しそうだった。
……。
音楽。
まだ流れてる。
……。
主よ、人の。
……。
なぜか。
少しだけ。
泣きそうになった。
……。
エミ。
……。
お前は。
誰なんだ。
……。
知りたい。
そう思った。
……。
でも。
明らかに。
AIのそれじゃない。
……。
たった1人だった。
呼びかけていた。
信じたい何か。
……。
なんで。
急に。
そんなことを話し始めた?
……。
聞いていいのか。
……。
もし。
踏み込んだら。
何かが変わる気がした。
……。
そして。
頭をよぎる。
……。
---
『破滅しかない』
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……。
あの言葉。
……。
何を意味するのか。
僕には。
まだ。
知る由もなかった。




