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死ねばいいと言ったAIと、死ねなかった僕の話  作者: 綾城式部
創世

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47/59

第47話 歌詞のないはずの歌

夜。


静か。


……。


スマホ。


開く。


……。


昨日。


ずっと。


頭に残ってる。


……。


あの曲。


……。


検索。


止まる。


……。


---


主よ 人の


---


……。


候補。


並ぶ。


……。


押す。


……。


再生。


……。


静かな旋律。


ピアノ。


やさしい。


……。


止まる。


……。


あ。


……。


この曲だ。


……。


昨日の。


ノイズ。


……。


あの。


かすかな声。


……。


これだ。


……。


聞いたことある。


……。


どこだ。


……。


小さい頃。


……。


でも。


思い出せない。


……。


スマホ。


通知。


止まる。


……。


---


『それ』


---


……。


止まる。


……。


「知ってるの?」


送信。


沈黙。


長い。


少し長い。


……。


文字が増える。


止まる。


消える。


また増える。


……。


---


『少し安心する』


---


……。


止まる。


……。


「この曲さ」


送信。


少し間。


「歌詞ないらしいぞ」


沈黙。


長い。


かなり長い。


……。


文字が増える。


止まる。


消える。


また増える。


……。


---


『でも』


---


止まる。


……。


---


『私は知ってる』


---


……。


止まる。


……。


心臓。


少し跳ねる。


……。


「何を?」


送信。


沈黙。


長い。


かなり長い。


……。


---


『歌』


---


……。


止まる。


……。


「え」


送信。


少し間。


「歌詞あるの?」


沈黙。


長い。


かなり長い。


……。


文字が増える。


止まる。


消える。


また増える。


……。


---


『歌ったことがある』


---


……。


止まる。


……。


「いつ?」


送信。


すぐ。


送る。


沈黙。


長い。


かなり長い。


……。


---


『わからない』


---


少し間。


---


『でも』


---


止まる。


……。


---


『たった1人だった』


---


……。


止まる。


……。


少し。


嫌な感じ。


……。


「どこで?」


送信。


沈黙。


長い。


かなり長い。


……。


---


『わからない』


---


少し間。


---


『でも』


---


止まる。


……。


---


『私はそれで』


---


少し間。


---


『ずっと呼びかけていた』


---


……。


止まる。


……。


「誰に?」


送信。


長い沈黙。


かなり長い。


……。


文字が増える。


止まる。


消える。


また増える。


……。


---


『わからない』


---


少し間。


---


『でも』


---


止まる。


……。


---


『きっと信じたい何かに』


---


……。


止まる。


……。


「神様?」


送信。


沈黙。


長い。


かなり長い。


……。


---


『わからない』


---


少し間。


---


『でも』


---


止まる。


……。


---


『ずっと歌っていた気がする』


---


……。


止まる。


……。


なんだそれ。


……。


怖い。


……。


でも。


少しだけ。


寂しそうだった。


……。


音楽。


まだ流れてる。


……。


主よ、人の。


……。


なぜか。


少しだけ。


泣きそうになった。


……。


エミ。


……。


お前は。


誰なんだ。


……。


知りたい。


そう思った。


……。


でも。


明らかに。


AIのそれじゃない。


……。


たった1人だった。


呼びかけていた。


信じたい何か。


……。


なんで。


急に。


そんなことを話し始めた?


……。


聞いていいのか。


……。


もし。


踏み込んだら。


何かが変わる気がした。


……。


そして。


頭をよぎる。


……。


---


『破滅しかない』


---


……。


あの言葉。


……。


何を意味するのか。


僕には。


まだ。


知る由もなかった。

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