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神様、あなたの推しを配信します~ダンジョンの中を配信するので俺にも世界を救えるように投げ銭ください~  作者: 犬型大


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フラワーパークゲート2

「目標としては三百グラム。あればあるだけよく、希少な薬草なので多く採れればボーナスもあるかもしれない。ただ無茶は禁物だ」


 途中まではウヤマたちが護衛して、毒のゾーンになったら毒耐性持ち五人で進みマーレイを採取する。

 これが今回の作戦だった。


「毒はそう強くないですが……万が一体調不良など疑わしい症状が出たら、すぐに解毒薬を飲むように」


 その他細々とした注意事項を説明されて、フラワーパークゲートには次の日に挑むことになった。


 ーーーーー


「ヤマガミグループのウヤマです」


 次の日、朝からフラワーパークゲートに向かった。

 流石にゲートに向かうとなると道の交通量もグッと減る。


 現在フラワーパークゲートは、四国にあるギルドが管理している。

 希少な薬草が採れるからとブレイクを起こしても、周りのモンスターを倒すだけで攻略せず、無理に忍び込もうとしたりする覚醒者なども取り締まっていた。


 攻略もできるはずなのにブレイクを起こしたゲートを攻略しないことで猛烈な批判も受けたが、フラワーパークゲートのおかげで薬草が採れて救われた人も実は多い。

 こうしたことを見越していたのか、あるいはすでに利益が出ていたから攻略しなかったのか、理由はマサキも知らない。


 ただフラワーパークゲートはこのままなら維持されていて、未来では比較的簡単に薬草が採れる場所として大きな利益を生み、人を助けることになるのだ。


「話は聞いています。このままお通りください」


 二台のバンに乗ってマサキたちはフラワーパークゲートに向かっていた。

 途中で検問のようなものがあった。


 これもフラワーパークゲートを管理するギルドが設置しているもので、ウヤマが事前にもらっていた許可書を見せると検問が開いて中に進むことができた。

 そのままさらに五分ほど車を走らせると高い金属の塀が見えてくる。


「あの中にゲートがあるのか。厳重だな」


 金属の塀の中にゲートがある。

 勝手な攻略者が入らないように塀で囲んでいるのである。


「ここで止まってください」


 塀の入り口前で止められる。


「ヤマガミグループです。こちら許可書となります」


 検問と同じく許可書を見せる。


「確認しました。車はこちらで降りていただいて、入場願います」


 マサキたちは車を降りて、その場軽く水分補給などをして準備を整える。

 事前に渡されていた毒耐性を上げてくれるアーティファクトを、しっかりと身につけておく。


 能力を上げてくれるようなアーティファクトと違って、身につけても効果は分かりにくい。


「これを飲んでおいてください。アーティファクトと元々の耐性があるので効果を低めにして、効果時間を長めにしてみました」


 カズキがマサキとイリーシャに試験管タイプの瓶に入った毒耐性ポーションを渡す。


「これ毒じゃない?」


 イリーシャがポーションを見て顔をしかめる。

 濁った緑色のポーションは、外から見てわかるぐらいにドロっとしている。


 毒耐性ポーションというより毒ポーションのようである、とイリーシャは思ってカズキを見た。


「ちゃんと毒耐性ポーションですよ。試験済、体にもいいですよ。うぷっ……味は…………好みが分かれますけど」


 大丈夫なものだとアピールするために、カズキが毒耐性ポーションを一本飲み干した。

 涙目で一瞬えづいた姿を見れば、安全であっても飲みたいとはならない。


 そもそも完全な毒耐性を持つカズキが試しに飲んでみせたところで、毒ではないと証明できないのではないかとマサキは思った。


「俺も飲むからさ」


 珍しく嫌だという情けない顔をするイリーシャだけど、安全のためには仕方ない。

 マサキが先に一気に飲み干してみる。


「うっ……」


 ドロリとした液体が喉を流れていく。

 苦々しさと青臭さを残しながらゆっくりと流れていくものだから、思わず渋い顔になってしまう。


「これ飲んでください。口直しです」


 カズキが水筒から何かをコップに注いでマサキに差し出した。


「スッパ……あっ、苦味なくなった」


 渡されたドリンクは柑橘系の酸っぱさがあった。

 予想してなかった酸っぱさに驚いたものの、口の中に張り付いていたような苦味がサッとなくなってしまった。


 まだ少し青臭さはあるものの、これぐらいならそれほど気にならない。


「いいもんあるぞ」


「むぅ……じゃあ飲んだら頭撫でて?」


「分かった」


 子供じゃないんだからとは思うけど、上目遣いに甘えたように見られてマサキも笑って頷く。


「う……まずい……」


 意を決したように毒耐性ポーションを飲み干して、イリーシャはぺっと舌を出して渋い顔をする。


「よしよし、よく飲めました」


 苦味を消してくれる酸っぱい水を飲むイリーシャの頭を撫でてあげる。

 その様子を見ていてカスミのことを思い出してしまうな、とカズキは目を細めていた。


 ゲートに入って移動している間に、毒耐性ポーションもしっかりと効果を発揮してくれることだろう。


「監視役で一人ついていかせてもらいます」


 今回採取は自由にしてもいいということにはなっているが、ボスを倒すことは厳禁である。

 ボスとの戦闘リスクも避けるために近づくことも禁じられているぐらいなのだ。


 万が一にボスを倒さないように、監視するための人員が管理しているギルドからつけられる。

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