表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様、あなたの推しを配信します~ダンジョンの中を配信するので俺にも世界を救えるように投げ銭ください~  作者: 犬型大


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

87/97

大事なもののために3

「なんと神様からの試練もらっちゃいましたー!」


 ともかく悪いことではない。

 文言が上から目線なことは気になるけれど、試練をこなせれば能力が上がるらしい。


 [神の試練ってレア現象じゃん]

 [神の試練って何?]

 [なんかすごく稀に神様からあれしろって命令が来るからそれをやるとなんかもらえるらしい]


 神の試練というレアなイベントは注目を集めるのにもいい。

 試練を与えられていない人には、試練の表示も見えない。


 なので配信を見ている人には何が起きているのか分からないのである。

 病院の時はそんな余裕もなかったが、今回はちゃんと何があったのか伝えておく。


「とりあえずゲートに向かいます。あとはゲート前になったら配信終わらせて、後日攻略の様子を上げようと思います」


 ここでも時間は浪費していられない。

 マサキたちは外に出る。


「より激しくなってるようにすら感じるね……」


 外は相変わらずだ。

 むしろ激しくなったようにも感じられる。


 [雨凄!]

 [こんな中行くなんてお疲れさんwwww]

 [雨の音でトラの可愛い声が聞こえなくなりそう]


「いくぞ!」


 マサキたちは雨の中に飛び込んでいく。

 せっかく体を拭いたのに、出て一歩でもうびしょ濡れである。


「いたぞ! トラ、カメラ頼む!」


「りょー」


 配信しているスマホはイリーシャに任せる。

 トラの顔を見たいという意見は多いが、魔法使いのトラは後ろにいて顔が映りにくい。


 どの道映らないなら後ろから映してもらうほうがいい。

 カメラに映る比率が男寄りになってしまうけど仕方ない。


 先ほど倒したフロッグマンの近くに別のフロッグマンがいる。

 おそらく倒された仲間を見つけて敵を探していたのだろう。


「アース、俺から離れすぎるなよ!」


 瞬間拘束してしまえば楽だが、スキルな以上魔力も使う。

 連発しすぎると反動があったりして後がキツくなってしまうので、温存できるところでは温存しておく。


 明かりに反応してフロッグマンもマサキたちに気づく。


「う、うわああああっ!」


 実際にモンスターを目の前にするとなかなか怖い。

 雨に濡れてヌメヌメとしたフロッグマンはよく見ると結構気持ち悪い。


 フロッグマンが口を開けて舌を伸ばし、ダイチの持っている盾を叩きつけた。

 普段なら耐えられるだろう衝撃も、魔物に倒して及び腰になっている今のダイチは耐えきれずに後ろに倒れる。


 だがフロッグマンの攻撃を防いでくれたことは間違いない。

 ダイチが作り出してくれた隙を狙ってマサキはフロッグマンの頭を刎ね飛ばす。


 [新入り、本当に素人?www]

 [ちょっとお粗末すぎ]

 [だいじょぶかー]

 [初めてにしてはよくやっている]


 転ぶダイチに対して割と辛辣なコメントが流れる。

 時間帯的にも視聴者も辛口な人が多そうだ。


 ただ画面見ているイリーシャには見えているが、ダイチ本人には見えていない。

 知らなきゃショックを受けることもないだろう。


「一体だけか」


 周りに他のフロッグマンはいない。

 異常を感知すると仲間を呼び寄せたりするモンスターもいるが、特にそうした行動しないらしい。


「大丈夫かい?」


「は、はい……」


 マサキはダイチに手を差し出す。


「怖いかい?」


「怖いです……でも……やらなきゃいけないんです」


 ダイチの声が震えている。

 モンスターへの恐怖は自ら乗り越えていくしかない。


 ただ思ったほど顔色も悪くはないし、目の奥の意思はいまだに燃えているように見えたのでマサキはそのまま進むことにした。


「アース、しっかり体の前で盾を構えるんだ!」


「は、はい!」


 突っ込んでいかないか心配だったけれど、ダイチは意外と慎重派であった。

 だがやはり慣れないのか動きも悪く、フロッグマンにも狙われやすい。


 幸いダイチが防げないような攻撃もないので相手から目を離さず、しっかり盾で受けることができれば大きな問題はない。

 むしろダイチが相手の目を引きつけてくれるのでフロッグマンの相手は簡単になった。


「後はゲートを見つけなきゃな」


 ひとまずまた二体のフロッグマンを倒して佐田の家までやってきた。

 ゲートは家の近くにあるらしいが、正確な位置までは分からないから探さねばならない。


「とりあえず家の裏手から探していくぞ」


 家の周りは雑木林になっている。

 マサキたちは家の後ろに回り込んで、雑木林に入っていく。


「あっ、あそこ!」


「本当に家に近いところにあるな……」


 林に入っていくと割とすぐ青白い光が見えた。


 [本当にゲートあんじゃん]

 [四人……下手すれば三人と半分だけど大丈夫?]

 [レイレイがんばれ]


 モンスターが出た時点でにわかに騒がしかったが、ゲートがあってさらに配信も盛り上がる。


「中で生配信はできないのでここで終わりにしますね。続きが気になるなら……生きていれば後日動画上げますんで、見てください」


 [ちょ……ここまできて攻略みれないとか!]

 [マサとアースはいいけど、レイレイとトラは死んだら人類の大きな損失]


「それじゃ終わります」


 色々コメントが流れていくけど、マサキは容赦無く配信を打ち切る。

 ゲートの前でダラダラしているとフロッグマンが出てくるかもしれないからしょうがないのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ