表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様、あなたの推しを配信します~ダンジョンの中を配信するので俺にも世界を救えるように投げ銭ください~  作者: 犬型大


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/97

引っ越し、居候1

「まあ中々いい部屋あったな」


「ここがお家?」


「ああ。将来的にはもっといいところに住むつもりだけどとりあえず今こんぐらいだろ。それぞれの部屋も確保できるしな」


 中でどんな話し合いがあったのかは分からないが、結局イリーシャはマサキが引き取ることになった。

 引き取ることを前提としてマサキは新しい部屋を探した。


 もうタナカなんかが来ることはないと思われるけれど、また部屋の前で待ち伏せさせるのは勘弁願いたい。

 だから前の家から離れていながらイリーシャとも暮らせるように部屋があるところ、なおかつレイの家も近ければ集まりやすいなと考えていた。


 お金は意外とあった。

 ゲートの攻略金だけでなく今回逮捕に繋がるような情報提供、協力による報奨金もあった。


 ついでにイリーシャを引き取るにあたって支援金なるものまで出ている。

 経済的基盤を心配されたが、これからも活動するし一年ぐらいなら養えるだろうなぐらいは入ってきていた。


「……何もない」


「家具まではついてこなかったからな。買いに行こう」


 部屋を見回したイリーシャはポツリとつぶやいた。

 マサキの家にあった家具はどれも古かった。

 

 布団なんてペラペラだし、リサイクルショップでも引き取ってくれないようなレベルのものしかなかった。

 引っ越すにあたってうら若きイリーシャにボロボロの家具を使わせるわけにはいかない。

 

 支援金だってそうした目的だろうと家具をこの際買い換えることにしたのだ。

 マサキは部屋の見学もそこそこにイリーシャを連れて大型商業施設を訪れた。


 以前レイとも来た覚醒者協会近くにあるあの商業施設である。

 家具、家電なんでもござれなのでまとめて買っていく。


 すでに部屋割りは決まっているのでイリーシャも自分の部屋がどうなるかをイメージしながら家具を選んでいく。

 どうやら白が好きらしく、白を基調とした家具を選んでいた。

 

 ベッドだけダブルベッドを選ぼうとしたけれど流石にそれが入るような大きな部屋ではないのでやめてもらった。

 思いつく限りで一通り必要なものを揃えた。


 足りなければあとは買い足していくしかない。


「最後に……アレだな」


「アレ?」


 そろそろ帰らないと帰宅ラッシュに当たってしまうなと思いながらマサキは最後の店に向かった。

 そこは覚醒者用の装備が売っているお店だ。


「いらっしゃっせー……あっ」


 暇そうにしていた店員はマサキとイリーシャを見て冷たい目をした。

 その店員はマサキがレイを連れてきた時に接客した店員であり、マサキのことは覚えていた。


 今度はまた違う女の子を連れていると思って羨ましさで冷たい目をしていたのだ。

 ただマサキは気づいていない。


「イリーシャは魔法系だから杖や指輪なんかの魔法補助具がいいだろうな。身を守る剣を持っていてもいいけどまずは魔法に慣れる方が先だろうな」


 買いに来たのはもちろんイリーシャの装備である。

 すでにマサキの中ではイリーシャにも活躍してもらう計画だった。


 回帰前の記憶にもイリーシャ、氷の女帝は魔法系の覚醒者であった。

 今回も同じようにすれば成長に間違いはないだろう。


 接近武器には剣、槍、ナイフや斧など色々ある。

 同じく魔法を使う人にも様々なものがある。


 杖が有名であるけれど、杖と一口に言っても様々なのだ。

 スタッフという人の背の高さぐらいの長さがあるものからワンドという短い指揮棒ぐらいのもの、その間のロッドもある。


 他にも指輪やマサキの記憶では本を魔法を使うための補助具としている人もいた。

 接近武器であるけれどメイスを魔法の補助具とすることもあって意外と選ぼうと思うと幅が広い。


「……どれがいい?」


 イリーシャも初めてのことなのでどれがいいのか分からず困った顔をしてマサキを見る。

 

「どれがいいんだろな……」


 剣なら多少知識があるから選んであげられるけれど魔法の方はマサキも全く無知である。

 回帰前の氷の女帝はどんなだったか思い出そうとしてみる。


 マサキは近くで一緒に戦ったことがない。

 なので遠くに見えた姿からどんなものを使っていたのか推測してみようとする。


「何も持ってなかったな」


「ん?」


「いや、こっちの話」


 ほんのりと思い出したイリーシャは杖なんかを持っていなかった。


「指輪はどうだ? 杖よりも効果は落ちるけれど持ち運びは楽だし常に身につけておける」


 何も持っていなかったということは選択肢は限られる。

 本当に何も持っていないか、見えないようなものか、あるいは指輪タイプの補助具であるかである。


 現実的なのは指輪だろう。

 魔法使いといえば杖だが指輪も意外と人気だ。


 マサキが言ったように杖と違って持ち運ぶ手間がかなり小さい。

 小さなワンドならともかく大きなスタッフとなると結構めんどくさい。


 ファッションとしても指輪なら可愛くワンポイントということで女子に人気が高いのである。

 回帰前のイリーシャも指輪をつけていた可能性が高いなら指輪がいいだろう。


「指輪……どれがいいかな?」


 指輪に絞って見てみるけれど指輪も意外と種類がある。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ