表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様、あなたの推しを配信します~ダンジョンの中を配信するので俺にも世界を救えるように投げ銭ください~  作者: 犬型大


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/97

実の奪い合い8

「次には行かないんですか?」


 木は全部で三本あるとマサキから聞いている。

 ここまでで二本の木を燃やしたのだからあと一本残っているはずだ。


 けれどマサキは木の方に向かうことはなくフラフラと森の中でモンスターを倒していた。


「最後の一本は少し特殊なんだ」


「そうなんですか?」


「ああ、今探しにいったって見つからないんだ」


 マサキはオオカミのようなモンスターを切って倒す。

 マサキの覚醒者能力からすると少しばかり格上な相手であるが前世から培った技術があればなんとか倒すことができた。


「それにモンスターを倒すのも大事だしな。特にレイはまだまだ強くなれるから」


 マサキは伸びる可能性があまりないけれどレイはCSクラスである。

 つまり今の能力がCクラスで潜在能力がSクラスということ。


 潜在能力がSということはレイがモンスターを倒して成長していくと能力がSクラスになれる可能性があるのだ。

 実のことも大切だがレイが成長することも大切である。


 配信を通じて神様にアピールするためにもレイには是非とも強くなってほしい。


「レイ!」


「あっ! えいっ!」


 マサキが手を伸ばす。

 レイの後ろにオオカミのようなモンスターが気配を消して迫っていた。


 マサキは瞬間拘束のスキルを発動させてオオカミのようなモンスターの動きを止め、レイはその間に剣でモンスターを切り裂いた。


「ご、ごめんなさい……」


「怪我がないならいいさ」


 油断がないのが一番だ。

 しかしレイはまだまだ経験が浅く、常日頃から周りに気を張り続けることは難しい。


 こうしたものも経験がものを言う。

 少しずつ慣れていけばいいのだとマサキは思う。


「ありがとうございます……」


 マサキの大人な余裕にレイは少し顔を赤くする。


「モンスターが出なくなってきたな」


 最初は探さずとも向こうから襲いかかってきていたモンスターが探しても見つからなくなってきた。


「1000体が近づいてきてるんだな」


 1000体も見た時には途方もない数に思えたがやってみると案外あっという間である。

 100人いるなら一人10体でいい。


 貢献度というものがあってみんなが競い合うようにしてモンスターを倒していけば1000体いても倒せるのだ。

 そもそもゲートに出現するモンスターもあまり強くはなかったからという理由もある。


「あと……91ですね」


 レイが表示を開いて残りを確認する。

 まさきの予想通り残りのモンスターは100も切っていた。


「こうなると残ってるモンスターは奥にいる強い奴ばかりだろうな」


 浅いところにいる弱めのモンスターはすでに倒し尽くされて残るは奥にいる強めのモンスターだけである。


「モンスターを探さないようにしながら奥に向かおうか」


「モ、モンスターを探さないんですか?」


 探すのかと思ったら探さないというのでレイは不思議そうに首を傾げる。


「自分の実力はちゃんと把握して動くべきだ」


 マサキの能力は高くない。

 今戦っているモンスターも能力的にギリギリなのでこれ以上強くなると戦うことは厳しい。


 報酬は欲しいけれど無茶をして怪我をしては元も子もない。

 回帰前に立ち向かった敵は今よりもはるかに強かったけれどその時には周りに強い人もいたしマサキも多少は強かった。


 ここは戦いを避けておく方がいい。

 だけど最後の一本のためには多少奥に行っておく必要もあった。


 本当なら配信の一つでもしておきたいところなのだけど今はまだお手軽な配信方法も確立されていない。

 ゲートに潜った100人の中の誰かとなると配信をしたのがマサキだと見つけられてしまう可能性もある。


 バレてもいいのだけどもう一台ぐらいスマホを確保してからじゃないと不慮の事故などの時にスマホが品切れということになると困る。

 ゲートに持ち込める重たくてデカいスマホは今のところ重たくてデカいだけだと思われているから売れないだけで、ゲートに持ち込めるとなればすぐに買えなくなってしまう。


 配信したらきっと話題を集められるだろうが話題を集めるだけが良い方法というわけでもない。


「ここは他の人の戦いを見学しよう。見ることもまた学びだ」


 強い人がどう動き、どう連携を取っているのか。

 今後に活かせる学びがあるかもしれない。


 基礎的な戦い方はマサキも教えてやれるが、最後にはレイがレイ自身の戦い方を作り上げていかねばならないのだ。

 たまには見学することも悪くはない。


「それじゃあ行こう。あとはのんびり見学だ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ