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神様、あなたの推しを配信します~ダンジョンの中を配信するので俺にも世界を救えるように投げ銭ください~  作者: 犬型大


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生配信6

「よし、いい感じだ!」


 ともあれダイチは上手くグラスウルフを切り裂いた。

 背中を切り裂かれたグラスウルフは、少し走りながらも体が草に解けていく。


「はぁっ!」


「うん、レイレイもいい感じ……トラ? 戦ってる方映せよ」


「ううん、マサがいい」


 最後にレイがグラスウルフを倒した。

 せっかくの戦闘シーンなのに、イリーシャはずっとマサキを映している。


 仮面の下でマサキは苦笑いするけれど、イリーシャは割と真剣な目をしている。


 [マサ好かれてるwww]

 [軽く嫉妬]

 [トラちゃんが映すならしょうがない]

 [そんなもの映しても何にもならん。トラ、自分を映せ]


 マサキが自分で自分を映そうものなら山のように批判が飛んでくるだろう。

 しかしイリーシャが映すならとコメントも温かい。


 実際一番覚醒者っぽい動きをしているのはマサキでもある。

 覚醒者の戦いを見たいなら今の所マサキを映すのがよかったりする。


「それじゃあ、この調子で攻略していこうか」


 攻略に問題なし。

 配信も今のところ順調で、配信画面がフリーズしたりすることもなく通信状況もいいようだ。


 マサキたちはその後も撮影する人を交代しながら、ゲートの攻略を進めた。


「グラスケロベロスウルフ……」


「ちょっと可愛いね」


 ゲートボスは頭が三つあるグラスウルフであった。

 頭が三つという特徴からケロベロスとついているが、能力的なところに大きな差はない。


 別に普通のグラスウルフと比べて大きなわけでもなく、ただ頭が三つというだけだった。


「トラスペシャルぅ〜」


 途中の戦いではどれほどモンスターが出てくるのか分からないからある程度力をセーブして、後々にも備えながら戦わないといけない。

 しかしボスが相手ということは最後の戦いであるので、全力を尽くして戦っても大丈夫。


 イリーシャの魔法が炸裂した。

 グラスケロベロスウルフを中心に白い魔法陣が広がる。


 瞬く間にグラスケロベロスウルフが氷の中に閉じ込められてしまう。


「トドメをどうぞ」


「自分ですか?」


 イリーシャがダイチに最後を任せる。


「どうしたら……いいんでしょうか?」


「えいっ、ってしたらいい」


「えいっ、ですか」


 氷に閉じ込められたグラスケロベロスウルフを前にアースは困惑したような目をしていた。

 えいっとやらがどんなものなのか分からないが、とりあえず何かしてみようとダイチは氷を剣で叩きつける。


「うわっ!?」


 氷に細かなヒビが走る。

 ヒビによって氷は白くなって中の様子は見えなくなり、グラスケロベロスウルフごと氷はバラバラに砕け散ってしまった。


「え、これ、で……いいんですか?」


 おそるおそるといった感じでダイチが振り返る。

 なんとなく締まらない終わり方。

 

 でもそれでいい。

 ボスの魔石だけを拾ってマサキたちは脱出しようとゲートに向かう。


「それじゃあ配信を終わります。ゲートを通る時に通信が不安定になって配信は終了しちゃうのでこのまま中で終わることにします」


「みんな、バイバイ」


「み、見てくださってありがとうございます!」


「ええと、恥ずかしくなかった……かな?」


 ゲートの前で最後の挨拶をする。

 マサキがカメラを向けるとみんな一応それぞれ最後に一言述べていく。


「……よし、これで終わり!」


 マサキは配信を終了させる。

 こうして、世界初のゲート生配信は無事に終了したのだ。


「はぁ……なんだかすごく疲れました……」


 レイが大きく息を吐き出した。

 生配信なので、いろいろ気をつけなきゃいけないことも多かった。


 普通の攻略の倍ぐらい精神的に疲れたような気がしている。


「お疲れ様。次どうするかは反響見てだけど、数日は休むことにしようか」


 あまり短い間隔で生配信をしても新鮮さがすぐに失われてしまう。

 ここは適度にやっていくのがいいだろう。


「おい、マサキ! すごいぞ!」


 ゲートを出ると興奮した様子のケンゴが、スマホを手にマサキに駆け寄ってきた。


「世界的なニュースになってる! 俺のところにも正体不明のマクスマンについて調べろなんて父さんから直接連絡が入ったよ!」


 マサキたちの生配信はいつの間にかかなり大きく取り上げられていた。


「そりゃあ世界初だからな」


 マサキも覚えている。

 世界で初めての生配信が始まって、大騒ぎになったことを。


 とある大きなギルドが始めたのだけど、あまりに注目されすぎてしまったために身動きが取れなくなって潰れてしまった。

 だから今回はマサキたちの情報をギリギリまで出すつもりはない。


 謎の生配信として話題が話題を呼んでくれれば嬉しい。


「ここまでとは予想してなかった」


「すごいだろ? だけど……まだこれは始まりにすぎないからな。これからもっと活躍するためにも……頼むぜ、親友」


「……ああ、こんなことに関われるなんて興奮するよ!」


 生配信が始まった。


「神様、見てますか? 投げ銭くれれば、もっと頑張りますよ?」


 マサキは誰にも聞こえないように呟いた。

 生配信の目的は神様だ。


 ゲートの中の様子をこれから見られるようになるのだと神様に対してアピールはできている。

 今回は神様の支援もない奴だなんて言わせない。


 むしろ神様の視線を独占するぐらいのつもりでいる。


「そして……あのクソ野郎ども倒してやる」


 今回は竜人族に負けてやるつもりはない。

 マサキは一人でやる気を燃やしていたのだった。

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