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あなたの隣で  作者: 淡雪
6/12

授業

いつもと変わりのない朝、カーテンを開けるといつもと変わらない景色。いつもと同じように起きて身支度をしてご飯の支度を始める。

変わったのは中学から高校に変わったのと両親が海外生活になった事くらいか。


「あ、ひーくんおはよう!」


前言撤回。何より大きな変化があったのを忘れていた。心のどこかで夢なんじゃないかと思っていたけどそんなわけないよね。


「おはようございます」


「今年は入学式が木曜だったから一日行って休みなのはラッキーだね」


「そうですね、今日は授業も無くて学園の中散策したり、オリエンテーションだけなので気楽に行ってきますよ」


「あーいいなぁ。私達は今日からしっかり授業だよ。」


「それ聞くとやっぱり進学校だなって思います。僕達も今日だけだと思うので来週以降は気を引き締めていかないと」


「だね、じゃ私ちょっと用事があるから先に出るね。行ってきます」


「はい、僕も後ほど出ます。いってらっしゃいです」



先輩が家を出て、少しした後家を出た。今までよりだいぶゆっくりの通学時間だが、始業時間までには余裕があるのはほんとありがたい。

学園に着いて教室に入ると、まだ早めの時間ということもあって生徒はまだ少ししかいなかった。


昨日は入学式で終わったし、その後はすぐに下校したのでまだ友達もいないので何となく窓の外の景色を見て時間をつぶす。

そんな事をしていると段々人が増えてきて、先生も教室に入ってきた。


「おはようございます。これからHR始めますので席に着いてください。

私はこのクラスの担任になりました早野美玖(はやのみく)と言います。まだ教師歴は短いですが、その分皆さんとは近い視点でコミュニケーションが取れると思っていますので、これからよろしくお願いします。」


挨拶が終わると教室内で拍手の音が響き渡った。若いわりにしっかりしてそうな先生で安心した。


「ではこの流れで皆さんにも簡単に自己紹介してもらえればと思います。右前の方から順番にお願いします」


その後、クラスメートによる自己紹介が始まった。

始めからそこまではしゃぐ生徒もおらず、無難に出身中学や趣味などを話して終わっていた(自分を含めて)


「ありがとうございました。それじゃ少し休憩を挟んで学園内の見学に行くことにしましょう」










「じゃまずは体育館の紹介からです。ここは皆さん昨日も使ったと思いますが、部活に力を入れている関係もあって複数の部活が同時に活動出来るよう広めの体育館になっています。また、冷房も完備されているのもポイントです。夏場などの集会でも熱中症にならないよう対策が取られています」


確かにいくつか高校見学回った時に思ったけどかなり立派だよなぁ。教室に冷房は珍しくなくなったけど、この近辺だと体育館はまだ珍しいので特に印象に残っていた。


この後、職員室や保健室など今後お世話になるであろう所も案内してくれた。


どの部屋も設備が充実している上に、授業のカリキュラムも充実していて、二年生に上がってからは一部の授業は自身で選択することが出来る。そのため大学のように自分で時間割を組むことも出来るのも面白い。

このようなシステムで進学率も高いのだから、学園が人気になるのも納得というか当然の結果である。


「それじゃ次は校庭に出てみましょうか。丁度先輩達が授業をしているので見学させてもらいましょう」


外に出て校庭に向かうと、上級生達がサッカーだったり、テニスだったり球技を行っていた。


「今日は球技をやっているみたいですね。いくつかのクラスが合同でやっているので人数が多いのですが、体育館同様大人数でも対応出来るような広さになっています」


正確には校庭とは別に各球技の専用グラウンドがある感じかな。サッカーなんて芝のグラウンドだし。

あ、テニスもグラスコートだよ。こんなのみると部活とか入ってみたくなるけどキツいんだろうなぁ


「では各自好きな所に行って見学して構いません。先生や先輩達には話を通してあるので、色々相談に乗ってくれると思いますよ」


先生の言葉にしたがって各々興味がある所に散らばって行った。

純粋に授業に興味がある人もいれば、カッコいいor可愛い先輩と絡みたいがために移動していく人もいる。


ん?何か近い場所で特に人だかりが出来ている所があるな。ここはテニスコートかな?

そして集まっているのは男子って事は可愛い先輩でもいたのだろうか。


興味はあるけど、何か嫌な予感しかしないし離れておいた方がいいな。深く聞かなかったけど、みぃ先輩が朝用事があるって早く出たのもこの授業の準備とかだったら合点がいくし。


そんな事を思いながらコソコソと離れていこうとした時、テニスボールが近くに飛んできた。


「すみませーん、ボール取ってもらえますか??」


聞き覚えがある声がした気がする。出来る限り顔を隠しながらボールを返すことに成功した。


「ありがとうございました!ってあれ?ひーくんだ!こっち来てたなら声かけてよ!」


こちらの努力虚しく満面の笑みで顔を覗き込んでくる人がいる。。怖くてとても見れないが、集まっていた男子達の殺意のこもった視線を感じていた…


読んでいただいてありがとうございます。

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