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無償の愛  作者: あお


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魔法の練習1




先週と同じぐらいの時間帯にヴォルさんが迎えにくるといっていたので、私はいつもより早めに起きてお義母さん達の手伝いをしようと顔を洗っていたら、お義父さんに厨房に連行される。

ちなみに今日は動きやすそうな服ということなので、レインのおさがりの服を拝借しています。

ようするにいつもの格好だね。


「え?え?」

「なに戸惑ってんだよ、今日みっちり魔法教えて貰いに行くんだろ?」


みっちりかどうかわからないけど、その通りだと頷くと、なら昼飯つくっていかねーとなと言われてハッとした。


「ヴォルさんに食べさせられるような腕前じゃないよ!?」

「サンドイッチなら素人が作っても変わんねーよ」


そういうお義父さんにそうかなーと思いながらもエプロンをつけて横に立つ。


「何作るの?」

「カツサンド。カツは店でも使おうと思ってるから、卵割って溶いてくれ」


わかったと頷いて、ボールに10個ぐらい卵を割って、かき混ぜる。

隣ではお義父さんが平たい入れ物に小麦粉やパン粉を出している。

大きいお肉を切って叩いて、小麦粉、卵、パン粉の順に絡めていく。

油で揚げるのはお義父さんがやってくれるみたい。


「アレンはそこのキャベツを千切りにしてくれ」


お店で使うなら沢山切ったほうがいいなと思って、ボールが2つ山盛りになるくらい切り刻んでいく。

隣ではお義父さんがふんふん鼻歌を歌いながら、お肉を油の中に投入していた。

パチパチと油が熱くなってきた音がして、お肉が浮かび上がると、こんがりキツネ色に揚がっている。

これにお義父さん特製のソースを絡めるのだ。

私が刻んだキャベツを少しパンとカツの間に忍ばせて、パンで挟んで、二つに切る。

これを何回か繰り返して形が崩れないように串で刺して、網目状になっている籠に入れれば完成だ。

1種類だけだけど、ボリューム満点だから足りない事は無いと思う。

たぶん。


「ありがとうお義父さん」


私だけだったらキャベツサンドになっていたし、第一作ることさえしてなかったと思う。


「準備してきな」


そういってお義父さんは朝ごはんとお店の準備に取り掛かったので、サンドイッチを入れている籠を入り口に近いテーブルの上に置いて、私はそのままお義母さんのもとに向かう。

私自身の準備といっても、魔法の練習に何を持っていけばいいのか思いつかないので、もう手ぶら(お弁当除く)で行こうと思ってたのだ。

あ、その前にエプロン外しておこう。


「あら、準備しなくていいの?」

「うん」


もうお弁当も用意できたから大丈夫なはず。

私はお義母さんが洗ってくれた洗濯物を持っていく。

勿論まだ洗濯途中なので、籠の中身だけ持っていくよ。

籠そのものを持っていったら、洗濯物を地面に置くことになっちゃうから。


それにしても楽しみだな。

魔法ってきくとなんだかわくわくするよね。

私も使っていたかもしれないけれど、でもその記憶がないから未知の世界って感じで楽しみなのだ。


そうして洗濯物を干し終えて、みんなで朝食を食べ終えた頃にヴォルさんが来た。


「じゃあ行ってきます!」


お弁当も忘れずに手にして、店を出る。

今日は騎士寮がある貴族区ではなく、門がある方向に向かっていた。


初めの頃はあれほど壁の外に出ないと決意していたのに、お義母さんと一緒に野草とか取りに行くことがあるから、今ではそこまで恐怖はなくなっていた。

時期のお陰かもしれないけれど、やっぱり森の深いところまでいかなきゃ大丈夫らしく、あれから魔物を全然みていない。


「アレン、その籠は?」

「あ、お昼ごはんにと思って」

「ありがとう。アレンが作ったのか?」


とんでもない!ほぼ9割がたお義父さんの手によるものですと首を激しく振ったら、笑われた。


「それでも早く起きて作ってくれたんだろう?ありがとう」

「あ、…はい」


嬉しそうにほほ笑まれて、なんだかむず痒くなってしまった。

今度はお義父さんにいわれなくても、すすんで作ろう。

そう心で誓いながら、青い空を見上げる。


門から出て、暫く歩いた草原で歩みを止めた。

場所的には森と街の真ん中くらいだろうか。


「アレンは魔法玉を使っていると言ってたな。自分の魔力は感じられるか?」


ヴォルさんの問いに首を振る。

魔法玉は触れると発動していたから、魔力を感じる感覚は私にはないのだ。


「手を貸してくれるか?」


そういわれて両手を差し出すと、ヴォルさんの手が重ねられる。


「今から俺の魔力を手のひらに集めるから、アレンは感じててくれ」


そう言われて、すぐ手が冷たくなる。


「あ!」

「冷たく感じるか?」


フッと笑ってそう告げるから、私はコクコクと頷いた。


「俺は雷と水の属性を持っている。そして、今手のひらに水の魔力を集めているから冷たく感じるんだ。

イメージとして魔力は自分の意志に従う血液、…のようなものだと思ってくれればいい。だから…」

「右だけ冷たくなりました!」

「そう。右に魔力を集めて、とどまらせている。そして魔力を外に出すには明確なイメージが必要だ」


重ねられている手が離れると、ヴォルさんの手の平に水の球が浮かんだ。


「わぁ!!」


丸から四角、三角に浮かんでいる水の形が変わる。


「凄い凄い!」

「イメージが明確だと、このようなことも出来るんだ」


浮かんでいた水が飛散する。


「今度はアレンの番だな。

まず、アレンの属性は光だから、手のひらに光が集まっていることをイメージするといい」











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