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マジカル♡キュアドル!!  作者: きっと小春
第一章 魔法少女の誕生編
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第六話 マジカル猛特訓

 自室のTVの中で、はちきれんばかりの巨乳の96%を曝け出し、踊りに合わせて上下左右に揺らすブラックサキュバスがいた。

 下腹部に関してはコメントも言いたくない。

 しかし、とても楽しそうだし、幸せそうだ。

 本人が見てもブラックサキュバスの笑顔は素敵で可愛い。

 と、顔から湯気が出そうな程真っ赤になる。

 もう恥ずかしすぎてTVを直視できない。

 チェンネルと変えると、今度は”帰ってきたブラックサキュバス!!”という特番が放送されていた。

「あー……。もう!!」

 ベッドの上、枕に顔を沈めて「どーすんの!! 学校へ行けないよ!!」と叫ぶ。

「行けるさ。その前に飯だ、飯」と部屋に呼びに来たアナスタシア。


 ♂ ⇒ ♀


 いつの間にか教育係になった風化さんは、今日もマジカル♡キュアドルについてキャパシティ以上の情報を叩き込んでくる。

「マジカル♡キュアドルには、それぞれ司る感情や思いがあるの。ソルイグニスの私で言えば、情熱と冷静。ピンキーレインボーで言えば愛と勇気よ」

「わ、私は?」

「ブラックサキュバスは誘惑と解放」

「誘惑? ねぇ、本当にブラックサキュバスって……アイドルなの? サキュバスって……悪魔じゃない?」

「馬鹿な事を言わないで、ブラックサキュバスは紛うことなき立派なマジカル♡キュアドルよ」

「もしかして、あの時、周囲の人達が暴徒化したのは、もしかしてブラックサキュバスの力?」

「その通りよ。まだ魔法少女なって間もないのに、あの人数を一瞬にして虜にしてしまった力は恐ろしくも頼もしいわ」

「ブラックサキュバスの力が制御できないと、学校にも行けないのかな?」

「杏までとは言わないけど、結構精神力が弱いから、まずはそこを鍛えないといけないわね」


 ♂ ⇒ ♀


 【特訓その1】


「魔力水を全部吸収したんだから、魔力増強の訓練は必要ないわね。でも、その分魔力制御は難しいはずよ」と言い出した風化さんに連れられて、この前来た臨海新都心に来ている。

 臨海新都心はまだまだ工事が盛んに行われている。

 そして、私は工事現場よくあるプレハブの中で隠れるように窓の外の様子を伺っていた。

「魔法でそよ風を作り出し、通りを歩く女の子たちのスカートをめくるのよ」

 馬鹿なことを説明しているが、風化さんの顔は真剣そのものだ。

 だからこそ頭は大丈夫かな? と心配になる。

 それにマジカル♡キュアドル……特にブラックサキュバスの存在意義について疑問を感じる。

 思春期……特に性に敏感で歯止めがない男の子を誘うような衣装。

 それに【誘惑と解放】を司るが、それがどのよにして【希望と勇気を守る正義の使者】に結びつくのか?

 その答えは、17年ぶりのレアなマジカル♡キュアドルらしいけど、ただ不要だったんじゃ……。

「ほら、ボーッとしてないで、スーカートめくって!」

 言い返したいけど、怖い風化さんモードになっているため、道を歩くJKのスカートの近くにそよ風を……。

 あっ、つむじ風になっちゃった。

 パンチラどころじゃない。

 JKのスカートは、完全にめくり上がり、足の付け根や下着が丸出しになる。

 パンチラ見チャンスなのだが、周囲の人達はそれどころじゃない。

 阿鼻叫喚の中、つむじ風から逃げ惑う人々。

 しれっと、ソルイグニスに変身した風化さんが、つむじ風で被害が出ないようにバリアで防ぐ。

 しかし、私は、JKのおパンツ見ても全く興奮しない。

 心が完全に女の子になってしまったんだ……と、ショックを受けた。


 この日から数ヶ月、週に一度スカートめくり訓練が行われたため、この通りはやたらとスカートがめくれる……パンチラ通りとして男の子たちの間で有名なスポットになった。


 【特訓その2】


 またまた臨海新都心。

 今度は建設中のマンションの屋上にいる。

 関東平野を一望できそうな高さのマンション。

 余り高いところが好きじゃない、私は足が震えている。


「マジカル♡キュアドルは戦闘系魔法少女じゃないの。でも身を守ることは大事よ。どんな方法があるかわかるかしら?」

「えっと……。風化さんはバリアみたいなの使ってますよね?」

「よく見ているわね。アレはバリア、そうね……結界みたいなものよ。マジカル♡バリアって言うの。広範囲を守れるけど、暴走した車ぐらいの攻撃力で破壊されてしまうわ。もっと強力なのはマジカル♡シールド。これは正面にしか出せないけど、展開されたシールドは対戦車砲も弾き返すとか……。試したことないけどね。それとマジカル♡アーマー。これは変身したときの衣装に組み込まれていて、かなりのダメージを吸収してくれるみたい」

「えっと、マジカル♡バリアとマジカル♡シールドは任意で展開。マジカル♡アーマーは自動ってことですね」

「そうよ」

「でも……今の話だと……。このマンションから飛び降りたとき、どれも対応できないんじゃ……マジカル♡アーマーぐらい? ってか、飛び降りるなんて絶対に無理です!!」

「大丈夫よ、ほら……」

 ドンと背中を押され200mオーバーのマンションの屋上から落ちる私!?

「マ、マジカ―――!!」と、頭の中が真っ白になり、気絶した。


「うっ……」

 目覚めた私は、体中から痛みを感じるし、体が動かせない。

 どんな状態になっているか、風化さんがスマホで写真を撮って見せてくれた。

 手足はトンデモナイ方向に折れ曲がり、顔は半分潰れ、頭が割れ脳みそが出ている。

 死んじゃうんだ……。

 きっと……これがマジカル♡キュアドルの本当の試験で、私は……空を翔ぶことも、バリアで見を守ることも……何も出来なかった。

 マジカル♡キュアドルとして、才能が無かったんだ……。

 死ぬって、もっと怖いと思ってたけど……何だかいい気分……。


「で、マジカル♡キュアドルは変身中、絶対に死なない。今見た通り、体はボロボロになるけど、マジカル♡リザレクションで、時間はかかるけど完治するの。でも気を付けるんだよ? いくら不死でも半殺し状態で誘拐されてエッチなことされちゃうかもしれないからね! 特にブラックサキュバスは要注意よ」


 風化さん……スパルタ過ぎる……。


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