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マジカル♡キュアドル!!  作者: きっと小春
第一章 魔法少女の誕生編
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第四話 アイドルの資質 後編

「凄いわ。魔法水を全部……体に取り込んだの?」

 クイッと赤い眼鏡を正した佐藤 風化が、空っぽのビーカーの底に倒れている、わ、私……を見て驚いている。

 体中に力が漲っているけど、自分の体なのに使い方が全くわからなくて、喋ることも立ち上がることも出来ない。

「おいおい、コイツ……ブラックサキュバスじゃん。土方姉さんの再来だぞ?」

 いつも私を小馬鹿にしている花見 アナスタシアが驚く。

 ふふ、何が何だかわからないけど、してやったり感がある。

「お、おっぱいが……」

 狭山 杏の言葉に全員の視線が私の胸に集まった。

「肉体が変化したとい言うの?」

 ブルームーンの佐々木さんが驚いている。


 私は体の動かし方、つまり魔法の扱い方を佐々木さんから教わり、どうにか歩く程度には体を動かせるようになった。

 しかし、意識が……自分を女の子だと認識している。

 つまりは、男だった自分は過去の記憶として、今では女であることが当たり前になっている。

 そんな事を悩んでいたら、「多分、体が魔法水で分解されて、再構築される時、あるべき正しいカタチになったのよ」と佐々木さんが教えてくれた。


 ♂ ⇒ ♀


 それにしても酷い格好だ。

 リ●のカーニバルを思い浮かべて欲しい。

 その中でも一際目立つ、ほぼ全裸のような格好が……ブラックサキュバスの衣装なのだ。

 というか、衣装というのもおこがましい。

「こんなの恥ずかしくて無理」

 と口では言っているが、心の中では……もっと見て欲しい。

 どうしたら……この体の魅力を皆に伝えられるのだろうとか考えていた。

 そう……衣装に合わせて胸やお尻まで肥大化している。

 こんなの小学生の体じゃない。

 だから素敵。

 そして、踊っている最中に、胸がぽろりとか、衣装の一部が外れて、恥辱を味わいたい。

 何やら思考が危ない方向に傾いてくので変身を解くと、服を着ていなかったため全裸になる。

 しかし、いつもどおりのツルペタな胸に戻った。

「よかった……」とピンキーレインボーこと狭山 杏の小さな呟きが聞こえた。

 

 ♂ ⇒ ♀


 佐藤 風化さんから、風化と呼んでと言われた。

 その風化が作ってくれた夕食なんだけど、ブラックサキュバスで人前に出ると思うだけで、食欲が無くなる。

 簡単に言えばブラックサキュバスのときは露出狂で、今は至って普通の感覚で恥ずかしすぎると泣きそうになる。

「最初だけだ。いざ人前に出ちまえば、注目される快感が忘れられなくなる。だから飯はきちんと食べろ」

 珍しくアナスタシアが慰めてくれる。

 いつも憎まれ口を叩いているのに、急に優しくするなんて狡い。

 嬉しくて涙がこぼれた。

「オイオイ……」

「アナスタシアの言う通りよ。安心して」

 佐々木さん……いや、美月お姉さんに言われると信じるしか無い。


 ♂ ⇒ ♀


 用意された自室で、一人ブラックサキュバスに変身する。

 スタンドミラーで見た、その容姿は妖艶でエロかっこよかった。

「私って……凄く美人で可愛い。それにこの胸の大きさ……」

 自画自賛である。

 しかし、自分で自分に惚れてしまう程に、完璧な容姿だ。

「でも、魔法少女って……どんな魔法が使えるんだろう?」

 変身できる時点で、凄いとは思うけど。

 まぁ、明日からは魔法少女の訓練だと言っていた。

 明日になればわかるのかな?


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