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マジカル♡キュアドル!!  作者: きっと小春
第一章 魔法少女の誕生編
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第三話 アイドルの資質 前編

 期待していた父親にあっさりと裏切られた俺。

 まるで売り飛ばされた牛の気分だ。

「先ほどお話した通り、一週間、立派なマジカル♡キュアドルになれるように、合宿が必用となります」

 俺を置き去りにして、勝手に話が進んでいく。

「もうブルームーンさんにお任せします」

 清純派のブルームーンのオーラに当てられて鼻の下を伸ばす。

 こんな父親の姿は見たくなかったな。

 既に母親が一週間分の着替えを用意していた……父親が断ることなんて考えてなかったんだ……。


 ♂ ⇒ ♀


 ブルームーンが変身を解く。

 白いワンピースで、私服もブルームーンのイメージ通り清純派だ。

「では、お嬢様をお借りします」

 驚くことに移動手段は、電車だった。

 清純派のブルームーンと、小さな美少女が並んで歩けば、行き交う人がかなりの確率で二度見する。

「自己紹介がまだだったわね。佐々木 美月、14歳。部活は弓道部」

 俺が黙り込んでいるものだから、ブルームーンの方から話題を振ってきた。

 魔法少女になるかどうかよりも、俺が元の世界に戻れれば、それでいい。

 それに魔法少女なら何か知っているかも知れない。

「ねぇ。実は……」

 出来る限り丁寧に詳しく説明したが、帰ってきた答えは、「ごめんなさい。わからないわ」だった。

 期待していたが、わからないものは仕方がない。

 そして、辿り着いたのは国会議事堂。

 マジカル♡キュアドルの本拠地は国会議事堂の遥か地下にあるらしい。


 ♂ ⇒ ♀


 通された部屋には、三人の魔法少女がいた。

 その中で赤い眼鏡をかけた如何にも勉強できます的なお姉さんが聞いてきた

「その子がミッキーが言っていた子?」

「うん。可愛いでしょ?」

「凄く可愛い。でも……小学生?」

「は、はい…・・。小学五年です……」

 俺は圧倒的な魔法少女のオーラにビビっていた。

「おー。ひばりにも後輩が出来たか」

 ソファーにだらしなく寝転がっている金髪の女の子が言った。

 外人? いやハーフかな?

 ひばりと呼ばれた女の子は、オドオドとしていて目線が合っただけで顔を背けられた。

「で、どうすんだ? もう素質調べんのか?」

「うん、増員は急務だから」

 後から聞いた話なのだが、魔法少女はある日突然魔法少女ではなくなるらしい。

 魔法少女は、少女だけがなれる奇跡の力で、大人になると力を失うみたいだ。

 そして、今年に入って、7人の魔法少女が卒業してしまったとのこと。


 ♂ ⇒ ♀


「ははっ! 水晶に手を当てるとか、トランプで占うとか、魔法陣に乗るとでも思ったか?」

 金髪ハーフの魔法少女スタークィーンこと花見 アナスタシアが俺を見てゲラゲラと笑う。

 俺は衣服を脱がされ素っ裸で、人がまるごと入れるビーカーの上にせり出した飛び込み台の立っていた。

「大丈夫よ。その水は魔法水で、呼吸もできるわ。私を信じて」

 佐々木さんに言われると、やるしかなくなるよな……。

 危なくなったら佐々木さんが助けてくれると信じて、ビーカーの中に飛び込む。

 最初の説明通り、思い切りビーカーの中の水を飲み込む。

「えっ? 空気みたい……」

 そして喋れることに驚く。

「うん。大丈夫そうね。お腹が空いたら水を飲んで、トイレに行きたくなったら……そのまましちゃって。出てるところは誰にもわからないから」

「そうだぞー。大の方も出た瞬間に消えちまうからな」

「もう、アナッチは下品」と赤い眼鏡をかけたソルイグニスの佐藤 風化が、花見 アナスタシアを咎める。

「おいおい。重要なことだろ? 生理現象は人間だれにでもあるんだ」

 俺の一個上、小6のピンキーレインボーこと狭山 杏が俺の胸を見ながら自分の胸に触れた。

 狭山さんは自分の胸にコンプレックスがあるらしい。

 どうやら俺の胸がツルペタだと知って安心したようだ。

 でも後でお前の裸も見せろよなと思ったところで、意識が……水の中に解けていくような感覚に襲われた。


本日はここまで

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