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マジカル♡キュアドル!!  作者: きっと小春
第一章 魔法少女の誕生編
3/23

第二話 2つの世界

 昼休み、こっそりと体育館の裏にある物置小屋の近くの木の下を掘り返す。

「あった!」

 これは石垣 京介と二人で産めたタイムカプセルだ。

 やはり凡その想い出は、こっちの世界でも同じなんだと確信する。

 そして、タイムカプセルを開けてみると、山吹 栞と書かれた手紙が入っていた。

 つまり男友達が女友達に変わっただけで、やってる事は同じ?

 栞には悪いが、手紙を読む。

 ”私は…………好き”

 それは俺に対しての告白だった。

 つまり男だった時、石垣 京介は……俺に手紙で告白していたことになる。

 男だった時は、イケメンではないが、今は間違いなく美少女だ。

 こんな可愛い女の子に惚れない男はいない。

 女だって……。


 ♂ ⇒ ♀


 タイムカプセルを埋め直した俺は、五時間目の授業が始まるギリギリで教室に駆け込んだ。

 そして、俺の斜め前に座る山吹 栞の背中を見つめる。

 男の子時代、女の子に相手にされなかったため、クラスの女の子について何も知らない。

 う〜ん……BLは……男に対してそんな気持になれないけど、男の魂を持つ俺なら……百合も楽しめるかも?

 元高2の俺は、小5の女の子を手玉に取るくらい……簡単じゃねー。

 だって女の子の気持なんて、ワカンネー!!

 そんな事を考えていると、不意に栞が振り返る。

 決して美人ではないが、ニコッと笑った栞は、とても可愛かった。


 ♂ ⇒ ♀


 放課後、本当に魔法少女が迎えに来た。

 正門から堂々と歩いて帰ろうとするから、学校中の生徒が押し寄せて来た。

 やっぱり圧倒的なオーラが魔法少女にはある。

 ブルームーンは嫌な顔一つせず、心の奥から喜ぶ。

「皆、応援ありがとう! 時間がないけど、皆のために一曲歌います!!」

 どこから出したのか、マイクを手に如何にもJ-POPな歌を踊り付きで歌った。

 スピーカーなど無いが、学校の上空から歌声が響く。

「これが……魔法少女の力?」

 俺以外の生徒は、この曲を知っているらしく、一緒に歌う者、ダンスする者、アイドルコールの合いの手や、それぞれが楽しみ大盛り上がりとなる。

 正直、魔法少女のパフォーマンスに圧倒される。

 そして、俺には無理だと……確信した。


 ♂ ⇒ ♀


 父親が仕事から帰ってくるまでに母親を陥落させた魔法少女。

 その容姿、その話術、その料理、何から何まで母親好みだった。

「魔法少女になれば、この位出来るようになります。お嬢さんを立派な魔法少女にしてみせます!!」

「大丈夫かしら? あの子……要領悪いから……」

 理解っているじゃないか、流石母親!

「大丈夫です!! 任せてください!!」

 梨々花の奴なんて、魔法少女の膝の上に乗って、胸の谷間に顔を埋めている。

「私のお姉ちゃんもブルームーンみたいになれる?」

「フフ。お姉ちゃんは、私以上の素質があるわ」

「本当?」

「うん。楽しみにしていてね。後はお父さんに許可をもらうだけなんだけど……」

「絶対に許可してもらう!!」

 

 おいおい、俺には……無理だよ……。


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