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マジカル♡キュアドル!!  作者: きっと小春
第三章 二人の魔法少女編
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第ニ話 いつもの三人

 マジカル♡キュアドルの本拠地である国会議事堂の遥か地下。

 教育係の赤い眼鏡をかけたソルイグニスの佐藤 風化さんが正座する私の前で仁王立ちだ。

「ブラックサキュバスの力を使って一般人を誘惑するなんて、貴方のやったことは犯罪です」

「まぁ、風化。そんなに怒らなくても。この通り反省しているし。そもそもお前の教育が駄目だったから、ブラックサキュバスの力が制御できなかったんじゃないのかな」

「なっ!?」

 マジカル☆ウィッチ橘 玲香の言葉に、風化さんが絶句する。

「何を言い出すのかと思えば、そもそも可憐が性と快楽を教えたのが原因ですからね。マジカル☆ウィッチの連帯責任です!!」

 風化さんは負けじと、橘さんに食って掛かる。

「連帯責任とか……酷い」

「そんな冗談を言っている場合じゃないです。もしもブラックサキュバスの力が制御できないなら」

 制御できないなら!?

 なんなの?

 滅茶怖い!!

 クイッと赤い眼鏡を正して、怖い風化さんモードになる。

「可愛そうだけど……封印させてもらうわ」

 これは……本気だ!!

「そんなの嫌です!! 好きでマジカル♡キュアドルになったわけじゃないのに!!」

 風化さんの下半身にしがみつき、必死に訴える。

「泣き言なんて聞かないわ。私が戻るまでの謹慎期間中に、7年前の土方 のぞみが起こしてしまった事件の録画を見ておくことね」

「おい、風化。いくら何でも……まだ小学生なんだから……」

「橘さんにも覚悟を決めてもらう必用があります」


 ♂ ⇒ ♀


 監視役は、杏と愛ちゃんだ。

 私の仕出かした事を……きっと全部二人に知られちゃってんだろうな。

 恥ずかしい……。

「そんなに落ち込まないでください。有り余るブラックサキュバスの力のせいですから」

 こんな性犯罪者に優しい言葉をかけてくれるなんて!!

「あ、愛ちゃん!?」

「それ違う。本人に同系統の資質があるから、ブラックサキュバスに選ばれた。こいつは変態」

 まさにメテオストライク!!

 心にズドンと隕石が落ちて、爆風が全てを飲み込んだ。

「うっ……。うわぁぁぁぁぁん!!!」

 知っていた。

 そんなことだろうと気がついていた。

 誰もそれを責めなくて、自分も自分で嘘をついていた。

 だけど、杏は、空気を読めない女の子。

 いとも簡単に、それを打ち崩す。

 愛ちゃんの手が肩に触れる。

 愛ちゃんを襲いたい。

 裸にしてベロベロ舐めたい!!

 駄目!! 

 ここでブラックサキュバスに負けては、駄目!!

「耐えたな。偉い」

 えっ!? 

 杏と愛ちゃん……知ってて……わざと?

「ごめんなさい。どうしても杏が……」

「よく聞け。愛を望むのは恋でも愛でもない。それはただの欲望」

「杏、愛ちゃん。今日はもう疲れた……。部屋で休ませて」

「部屋はない。逃げ場もない」

「えっ!? ずっと一緒?」

「当たり前、お前犯罪者」


 ♂ ⇒ ♀


 その頃、マジカル♡キュアドル・清純派ブルームーン佐々木 美月と、マジカル☆ウィッチ・アイスクィーン北条 明里が、進藤 すずの自宅に謝罪とお願いに来ていた。

 当初は、進藤 すずの両親から猛攻撃を食らう二人だったが、お願いの言葉でその状況は一変した。

「進藤 すずさんは、マジカル♡キュアドルとマジカル☆ウィッチの両方の力を持つハイブリット型。つまりマジカル♪ハイブリット、50年に一人の天才です」

 マジカル♡キュアドルなどに選ばれれば、法律により参加は強制なのだ。

 娘を預けるかも知れない先輩たちを、両親はこれ以上責めることは出来ない。

「ですが、まだすずさんには、このことは伏せておいてください。思春期の心はとても敏感なんです。まだマジカル♪ハイブリットに目覚めるには少し早いのです」

「だったら、ブラックサキュバスに誘惑されたのは、まずかったんじゃないのかね?」

「それがですね……。大変もう上げ難いのですが。すずさんには、人の心を操る力があるようなのです」

「なっ!? うちの娘がブラックサキュバスを唆したと言うのかね!!」

「まだ確証はありませんが。恐らく間違いありません」

「私達は、すずに愛情を注いで育ててきた。人の心を操るなんて……。私達の育て方は間違っていたのか……」

「いいえ。マジカル♪ハイブリットは、どの両親よりも多くの愛情を注いで育てられた子でしか産まれません。間違いなく日本一の両親です」

「……」

「後はマジカル♪ハイブリットとして、清く正しく力を使えるように、力に目覚めるまで支えてあげてください」

「わかった……」


 ♂ ⇒ ♀


「あ、あのさ……。もしかして……トイレまでついてくる気?」

「ごめんなさい。そういう命令なので」

「心配ない。愛はそういうのに興味はない」

「興味の有無じゃない!! 恥ずかしいの!!」

「それとコレ」

 杏から大きめのビーカーを渡された。

「……なにこれ?」

「そこにオシッコ入れる。ただそれだけ」

「ぜっっんぜんっ、意味がわからない!!」

「思い出して。ブラックサキュバスになる切っ掛けになった巨大なビーカーを」

「凄い……嫌な予感がするんだけど……」

 杏はニヤリと笑った。

「正解!! あの液体は魔法少女たちのオシッコ」

「いやぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!! あれ全部飲んじゃった!!!」


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