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マジカル♡キュアドル!!  作者: きっと小春
第ニ章 長阜県のビーストロード編
12/23

第一話 新天地の三人

 長阜県の有名な観光地に到着した。

「温泉も美肌効果バツグンだし、寺なんかも素敵で勉強になるし、食べ物も美味しいから。だから……もう泣かないで」

 不貞腐れている私を、初対面のマジカル☆ウィッチ大橋 愛が、ご機嫌取りする。

 その後ろで勝ったばかりのソフトクリームを頬張るピンキーレインボーこと狭山 杏。

 この土地で頻発するビーストの事件。

 それを調査するために、強制的に転校までさせられたのだ。

 もう人生滅茶苦茶じゃない!?

 愛ちゃんに頭を撫でられていると……。

「見て、あれ! マジカル♡キュアドルじゃない!?」「超レアじゃん! ピンキーレインボーとブラックサキュバスに、マジカル☆ウィッチのシルフィード!」「愛様カッコイイ!!」「いやいや、ブラックサキュバスだろ。変身前も……胸はないけど、スゲー可愛い」「何言ってるのよ、杏ちゃんの良さがわからないの?」「噂は本当だったんだ」「ということは、ここに長期滞在するのかな?」「すげー、毎日でも会えるじゃん」

 と、あっという間に人だかりが出来る。

 愛ちゃんは、マジカル☆ウィッチに変身すると、私と杏の手を取り、空高くジャンプする。

「た、高い、高いよ!! 落ちたら死んじゃう!!」

 先程の人だかりが、米粒のように小さい。

「大丈夫。私は、風を操るシルフィードのウイッチ。落ちたりはしないわ」

 目線が変わるだけで……世界がこんなにも美しいって、知らなかった……。


 ♂ ⇒ ♀


「さて、編入手続きも終わったし、今日から一緒に暮らすんだから、いい加減、杏と仲直りして?」

 愛ちゃんに言われて、転校の原因となった杏を見る。

「杏さん、何で私だったの?」

 杏は私と愛ちゃんの胸を指差す。

「ツルペタ、同盟」

 愛ちゃんは、自分の胸を押さえて、ガクリと項垂れている。

「はぁ? そ、それだけ??」

「それだけじゃない。それが大事」

 確かに、清純派のブルームーン美月さんも、ソルイグニスの風化さんも、スタークィーンアナスタシアも、それなりに大きかったような……。

 何だか、ムカついて来た。

 拳を握ると、「殴ってもいい。だけど、一緒に……お願い」などと言ってくる。

「わ、わかったわ。でも……許したわけじゃないから」

「それでもいい。一緒が大事」

「わ、私……まだ小6だから!!」

 突然、フリーズが解けた愛ちゃんが涙目だ。

「でも、大きくない人、少ない」

 そんなに胸って大事なのかな?

 確かに男もアレのサイズを気にするからな。


 ♂ ⇒ ♀


「「「「「「きゃー!! 可愛い!!」」」」」」

 出迎えてくれた女子大生に引っ変え取っ替え抱きしめられた。

 まるでヌイグルミのような扱いを受ける。

 まだまだ子供の三人であるため、長阜女子大の寮にお世話になることになっていた。

 もっとVIPで高級なマンションで暮らしたかったなと思ったが、これはこれで良いかも。

 と、思ったが、やはり……うざい。

 ご飯も、お風呂も、共同生活で顔を合わせるところには、必ずお姉さんたちがいて、子猫か子犬を世話するが如くちょっかいを出してくる。

 杏は当たり前のように、それに順応して、何から何までお姉さんたちの世話になっている。

 愛ちゃんは、波風立てないように絶妙な距離感を築き上げていた。

 どうにか部屋に逃げ込んだが、この三日間、まるでビーストの事件に進展がない。

「連休が終わって、明日から登校なんだけど、杏。ビーストの情報は? ……杏?」

 見ると、杏はベッドで熟睡していた。

「早っ!」

 杏を起こそうと立ち上がると、愛ちゃんに腕を掴まれた。

「良いのよ。私が説明するね」

「でも、元々、これって……杏の仕事でしょ?」

「いろいろ思うところもあるでしょうけど、今は……私の説明を聞いて」

「は、はい……」

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