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マジカル♡キュアドル!!  作者: きっと小春
第一章 魔法少女の誕生編
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第十話 契約と副産物

 唇を奪われ咄嗟に橘さんの体を突き飛ばすが、橘さんはびくともしなかった。

 それどころか、唇をこじ開けるように橘さんの舌が侵入してくる。

 男時代から……キスの経験なんてない私は、興奮と絶望と快楽に思考ついていけず……オーバーフローして……橘さんになさるがままだ。

 プライバシーも性犯罪も関係ないとばかりに、体の秘部を勝手に触ってくる。

 そして、最も反応がある場所を見付けては、そこを重点的に攻められた。

『どう? 感じてるでしょ? 隠しても無駄よ……』

『え……。頭の中に直接……橘さんの声が……』


「希望と勇気を守る正義の使者、マジカル♡キュアドル!!」

 恐怖の余り、ブラックサキュバスに変身する。


「誘惑は、私の……司る領域。勝手に汚さないで」

『悪ふざけ……いいえ、貴方の魅力に負けたのが悔しくて……』

『キスも、あんなところ触られたのも、初めてだったんだから』

 ブラックサキュバスを通すと本音が言えないため、念話で憤りをぶちまけた。

『ごめんなさい……。嘘を言っても、無駄よね。私の心がわかるでしょ?』

 一目惚れ。

 その感情に全てが集約されていた。

 それは自分も……同じだった。


 マジカル♡キュアドルの変身を解いて、念話について教えてもらう。


『念話は契約の副産物よ。3m以内に近づくと、念話で会話ができるの。3mだから普段は心の中を覗くことはないの。安心して』

『今更です。もう全部覗いたんでしょ?』

『……そうね。異世界転生者だったのね。噂では聞いていたけど、本当に実在するなんて』

『そこ? それは……そうですけど……。他言無用でお願いします』


 ♂ ⇒ ♀


 一応、本日の出来事を教育係の風化さんに説明しておく。

「えっ!? 嘘でしょ!? 孤高のウイッチ、橘 玲香と契約したの!?」

 電話越しだけど、風化さんの驚いた顔が目に浮かぶ。

 風香さんの話しによれば、橘さんは、どんなマジカル♡キュアドルが契約を結ぼうとしても、話さえ聞いてくれないほどのマジカル♡キュアドル嫌いらしい。

「貴方には本当に驚かされてばかりね。でもこれで安心ね。橘さんは、トップクラスの実力者よ」

 うん? 何か、自分が褒められているみたいで嬉しい。

「それと杏との合同作戦、大変よね。しばらく会えないけど、頑張ってね」

「えっ!?」

「うん? 長阜県での長期滞在の件よ? あれ? 杏から聞いてないの?」

「そ、そんなの聞いてません!!」


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