剣士3
※やや性的な描写を含みます。
リズの荷物を勝手に取り出し、素材にむしゃぶりつくようになってしばらく経った。誰かの視線は感じていたけれど、気にも止めなかった。砂や死体を粉末にしたものもある。並みの神経じゃあ、口に含んだだけで、反射で嘔吐してしまうような味らしいが、私にとってはどんなものより美味だった。
「素材そのまま摂取」の効果は絶大だった。敵はどんどん強くなったけれど、私はこれらを一掃した。水辺の国の勇者からも話をきかせてほしいと言われた。
例えば魔術のイロハも知らないのに、剣に炎を纏わせ、そのまま振りかぶり焼き払う。ハッキリ言って異常だ。目は虚ろで焦点を失い、只管戦いを求めて暴れまわる狂人。
魔王と戦うため、星が導いた救世主、選ばれし者。
興奮と全身の血が沸騰するほどの快感。戦いの熱がさめなくて、私は戦いが終わると一人で下半身の湿りを拭った。命の駆け引きがこんなに楽しいなんて。
ぐつぐつに融け崩れた下半身を擦って、甘い声が漏れる口に指を突っ込んで、快感に震えた。
震えながら蘇生の薬を目でも鼻でも口でも流し込む。
血と愛液と、青い光を放つ魔法薬が混じって、紫色の液体がそこら中にまき散らされる。
なんて綺麗な色だろう。手元が狂って魔法薬が落ちてしまう。
勿体ない。
気づけば私は床を這って、魔法薬を舌で舐めとっていた。そろそろ回復が、魔法薬だけでは追いつかなくなった。回復にも素材をそのまま使わないと。
楽しい。こんなに楽しいことがあるのか。
快楽に溺れていると、誰かが背後に立った。異常に感覚が研ぎ澄まされているから、それが誰か直ぐに気づく。首だけで私は振り返った。
「あ、リズ。あたしね。今日の薬、いい感じなの。それで、いいの。うん。今日はみんな焼いてやった。いや、凍らせもしたかな。とっても楽しいのよ。リズならわかるでしょ。あたしと一緒、だから。ねえ、リズ」
私は着衣を乱しながら、リズに近づいた。経過報告は終わったからいつもみたいに抱いてほしい。リズはそんな私を心底冷たい目で見ている。きっちり服を着こんで、私を睨んでいる。
「キーラ、少しおいたがすぎるんじゃないか?」
リズは、先ほど私が舐めていた床の上を靴先で踏んづけた。こいつは本当に意地悪だ。
「俺は何度も忠告したよ。間違っても、中毒にはなるなって」
ん?と顔を覗き込まれて、瓶を取り上げられる。私は子供みたいに肩を落として、目線を逸らした。
「ごめん・・なさい」
途切れ途切れに謝ると、リズは私を抱き上げた。怒っていないようだ。困った子供を相手しているかのように、私を抱き上げたままリズはくるくる回った。
「今日の分の回復薬は飲んだ?」
「うん。もう、飲んだから・・」
じれったい。私はリズの前に跪いて、口を寄せた。ベルトを噛んでみる。上目遣いでじっとリズを見ると、さっきの冷たい表情はもうなかった。
「本当に仕上がっちゃったね、キーラ。それが君の目指した英雄なのか。俺は節度を守れと言ったはずだよ。色事は嗜む程度にって」
リズの低い声が降ってくると何も考えられなくなる。
ベルトを口で外していくと、リズが私の頭を掴んだ。
「今日はこの後、水辺の国の英雄とお話会をするんじゃなかったの?俺とイチャイチャしてていいのかな?」
私は無言で口を進めた。いつもみたいにすればいいのに。この後の予定の話しなんてしないでほしい。この後何が起こるかなんて、この後どうなっていくかなんて考えたくない。考えられない。
しばらくして、リズは深く息をつくと、頭の手を離してくれた。
水辺の国の英雄とは初めて会う。互いに討伐に忙しかったから、顔を合わせることもなかった。水辺の国とは古くからの同盟国だから、交流を深めてもなんらおかしくはない。
待ち合わせ場所に行くと、英雄たちが快く迎え入れてくれた。彼らは水を使った戦法が得意な魔術師が多いそうだ。私たちの戦いに興味があると言ってくれた。
特に私はこのところ魔族の大群を退けたとして、水辺の国でも有名になっていたらしく。剣士のキーラを名乗るとどよめきが起こった。
そんな私をアレイシスとデイミスは誇らしげに見ながらも、庇うように前に立っていたのが不思議だった。
水辺の勇者の第一印象は、人数が多いなということだった。
リズと深い関係を結んでからの会合だったが、このころの私は何も気にしていなかった。
私たちのチームは双剣の勇者と剣士と大賢者、錬金術師で構成されている。
一方で、水辺の勇者たちは、剣士、竜騎士、弓使い、賢者、白魔導士と多岐に渡っていた。これは後で国に文句をつけなくてはいけない。あんなに人数が多いなんてきいてない。白魔導士がいたのは羨ましかった。こちらはヒーラーがいないから、わざわざ魔法薬で回復要員を補っているというのに。
「ねえ、水辺の国ってもしかしてうちより、お金持ちなわけ?あんなに勇者を用意できるのも、きっと援助できるだけの資金があるからでしょ?」
デイミスにそっと耳打ちする。
「水辺の国は島国で、貿易港も多いから。お金は持っているでしょうね」と彼女は答えた。
ああそうか。水資源が豊かだと、国力も違うのかと私は感心した。これは、水辺の勇者たちに負けていられない。
水辺の勇者のリーダーは、弓使いだった。千里をも射抜く最強の弓使い。私も仕事の関係上、弓も少しは使えるが、戦闘ではもっぱら剣を使っていた。
「そちらの襲撃も大変でしょう。心中お察しいたしますわ」
彼女は丁寧に挨拶をしてくれた。
「はい。ご丁寧にありがとうございます。でも、四人でずっと頑張ってきましたから。これからもこのメンバーで励みます」
デイミスが深々とお辞儀をしている。私たちもそれに続いた。リズはさっきまでのことが嘘のように、爽やかな笑顔を浮かべて白魔術師と歓談を楽しんでいる。
私は一つおかしいことに気付いた。
私に誰も話しかけようとしないのだ。私のことが話題になって会うことになったのではなかったのか。私と目が合うと、みんなひっと息を飲んで離れていった。
おかしい。魔法薬の過剰摂取のしすぎとはいえ、特に外見に変わりはないはずだ。
しばらく一人でいると、水辺の白魔術師が私に近づいてきた。
彼女はまだ10歳にもみたないくらいの背丈の低い少女だった。目線を合わせると、少女は杖を強く握りしめた後、私の鎧に触れた。
「どうか、貴女様や仲間のみなさんに神様のご加護がありますように」
彼女の手がかざした場所からうっすらと白い光が現れる。回復かおまじないか。でも、加護を授けてくれたということは、防御魔法か。
「ありがとうございます。白魔術師さん」
「いいえ。私は、これくらいしかできません」
まだ小さいのにしっかりしているな、と感心した。彼女も勇者に選ばれてしまったのだろう。こんなに小さいのに国の上に立って戦わないといけない。きっと辛いだろうな。
「キーラさんは、怖くないのですか。私は回復役ですから。いつも仲間が傷ついて帰ってきます。キーラさんはとても勇敢な剣士だと聞きました。みんな褒めていた。でも・・」
その子は悲しい目をして、私を見上げている。
「見た目が綺麗でもみんなは、わかります。とても辛かったのでしょう。体がもう、形を保っているだけでも手いっぱいのはずです」
「でしょうね」
口からでた声は自分でもぞっとするほど低かった。
「私はね、壊れる寸前でいつも戦っているの。最近、急に魔族が強くなったわよね?それでも仲間が一人も死んでいないのは、私の活躍があるからでしょ」
白魔術師相手だからか、比較的穏やかな気持ちになれている。リズと一緒が一番落ち着いていた私にとって、知らない子供相手に心地よさを感じるのは不思議だった。
「あなたは、真実を拒絶した。次は仲間を拒絶して、自分自身すら恨んでいる」
「私の仲間があなたに話しかけなかったのは、いつかの自分の姿と重なったからです」
「自分を拒絶した先には破滅が見えている」
彼女は杖に下げていた袋から何か小さなおはじきサイズの石をいくつか取り出し、私に差し出した。確か水辺の国にあるお守りみたいなものだ。持っているとお守りの加護が下りて、攻撃を何度か無効化できる。わずかに光を放っているところから、この子の加護もついているのだろう。そういうものはお仲間に渡したほうがいいのに。
そんなに私は酷い状態なのだろうか。
「これは今の貴女には気休め程度にしかならないと思います」
「いつか本当に壊れてしまうその日まで。だからどうか幸せに」
「貴女は、貴女であるというだけで、嬉しいひとはいるのです。貴女は信じないだろうけど」
私は石を受け取った。
「白魔術師様のご忠告、胸に響きました」
こう答えると、彼女は何も言わず仲間の元へ戻って行った。
それにしても、私はそんなに酷い状態なのだろうか。素材を齧っていると言っても、そんなに体に変化はないし。ギリギリを歩いているのはわかっているが、剣士なんて動けてなんぼだ。多少体が壊れても問題ないのでは?
白魔術師と話しをした後、まだ話したりないだろうに、アレイシスとデイミスが駆け寄ってきてその場を切り上げた。
自分の陣営に戻ると、私は吐いた。嘔吐なんていつものことだ。口元を拭って振り返るとアレイシスがいた。
「僕は・・」
彼は拳を握りしめて私をじっと見つめている。
「僕は、デイミスに聞いて。君に魔法薬の許可が下りていて、君が安定しているならそれでいいと思っていた」
「近頃の君はいくらなんでも酷すぎる」
アレイシスは戦闘後に「助かったよ」と声はかけてくれるものの、ここ最近は労い以外の言葉をかけてくることはなかった。あまり話しかけるなと前に忠告してから、彼との接触も減っていた。
「酷いって何よ」
「君、素材ごと薬を摂取しているらしいじゃないか!君は自分で気づいていないかもしれないけど、気配がもう、人間じゃないんだよ」
人間じゃない、か。大事な人にここまで言われると、流石に答える。
「ああ。だから、さっきの水辺の勇者も私に近寄らなかったってことね」
冷笑しながら私はその場から立ち去ろうとした。でもそれをアレイシスが阻む。
「君は役に立たない自分に耐えられないと言った。でも僕らは君が壊れていくのを見るのは耐えられない。頼むから無茶はやめてくれ。君は我儘すぎる。デイミスも僕もいつも、どれだけ心配しているかわかっているのか!?」
肩を掴まれる。鬱陶しくなって私は軽くアレイシスを突き飛ばした。軽くのつもりだったのに、彼は飛ばされて壁にぶつかった。あーあ。本当にアレイシスの言う通り、あたしは人間じゃあなくなっちゃったんだ。
「悪いけど、君がいくら言っても聞かないよ。君の魔法薬乱用は止めてもらう」
そう言うアレイシスの手の中には私が持ち歩いていたはずのブースト魔法薬、「賢者の石」があった。
「返してよ!!」
ポケットの中に賢者の石がないことに気付くと、私は全身の毛が総毛立つ感覚に襲われた。
返せ!返せ!私のものだ。それがないと、貴方を守れないじゃない。
「返せ!」
私はアレイシスにとびかかった。ギリギリで躱されるが、私は壁を蹴って宙で向きを変えるとアレイシスの頭を蹴り飛ばす。鎧の爪先に赤い血が付いた。
素材はアレイシスの手元を離れ、くるくると回りながら飛んでいく。私はそれを追って手を伸ばした。彼は血を流しながらも私を取り押さえた。もがく度に鎧とアレイシスの肌が擦れて血が飛び散る。私も暴れた弾みで皮膚が裂けて血を流していた。
「動かないで!」
私が石を掴むのより早く、何かが体を駆け抜けた。「雷の魔法」と気づいた時には私は、全身に麻痺が走り、前のめりに倒れた。すごい衝撃だ。あの女、私に魔族と交戦時と同じ威力で魔法を投げやがった。
デイミスが肩で息をしながら私の前に立ちふさがっているのが見えた。杖はまだ魔法を打ったばかりで電流が見える。
「ふざけんなよ・・クソ女!!あたしに・・やりやがったな・・」
口をついて出た言葉はあまりにも汚かった。デイミスは真っ直ぐ私を見つめたまま構える杖を下げない。
「本当は攻撃なんてしたくなかった。ねえお願いよ、キーラ。リズも止めてって言っていたじゃない。素材の直接摂取はもう止めて」
「黙れ」
アレイシスの身体が吹っ飛んでいく。私は体を撥ねさせながら抜刀すると、デイミスの杖を切った。カランと杖の先が落ちる。
所詮こいつは魔術師だ。大賢者様もこのスピードにはついていけないのか。
「あのさ・・要は勝てばいいのよ。魔族共に」
血と錆で濡れた剣をデイミスに向けたまま私は続ける。
「仲間とか、傷ついてほしくないとか、そんなのどうでもいいわけ」
「どうせあたしの代わりはいくらでもいるんだから。今は暴れさせてよ。あたしが全部殺してあげるから」
「もうさ、誰が悪いとか。魔王がどうとか。どうでもいい。殺す相手を教えてよ。あたしが全部始末してあげる」
この戦いが終わったら、どうせバラバラになるメンバーだ。仲間のためになんて一時の安い感情。彼らは今でこそ熱く仲間について語っているが、時が経てばどうだろう。私のことを「勇敢な剣士だった。あの人のおかげで助かった」なんて語る程度の存在にするだろう。
だったらそれまで、黙ってあたしに戦わせとけばいいじゃん。
長い沈黙が流れた。
緊張の糸がだんだん解けていく。私は再び嘔吐した。アレイシスが駆け寄るが、私はその手をはらった。デイミスは涙こそ流さなかったが、表情からは激しい動揺の色が見られる。
「仲間同士でどうして・・こんなことに・・」
そう呟いて苦しそうに口を噛みしめていた。
「どうしたの、三人とも。楽しそうだね?俺も混ぜてよ」
完全に緊張が消えた。三人で見やると、リズが微笑みながら現れた。
「さっき、水辺の国の人たちからいろいろ珍しい素材を貰ってね。これをキーラにお土産として持って帰ってきたんだけど・・どうかな?」
「リズ!!!お前!!!」
自分は全く関係ないという風に登場したリズに、アレイシスが飛び掛かった。誰も止めない。
思いっきり拳をリズの顔に叩きつける。
大柄なリズはアレイシスの拳を受けてもちょっと顔を撫でて、全く痛そうなそぶりを見せない。
「おいおい、やめてよー、アレイシス。君にもお土産あるって」
「黙れ!!」
「なんで、なんでキーラを止めなかった!?キーラの回復役はお前だろう!?こんな状態になるまで放っておいて、お前、何を考えている!!」
「なに?なんか揉めてたの?やだなー、最近魔族も強くなって、今こそ仲間が手を取り合って共闘しなきゃいけないときに、どうしちゃったの」
リズは降参と言う風に手を挙げている。アレイシスはリズに詰め寄ったまま、怒りで震えていた。見れば、目に涙を溜めている。
「俺たちがここまできたのは、何も正義の味方ごっこをするためじゃないだろう」
リズは呆れたように、感情を爆発させるアレイシスを宥めた。
「利用するものは何でも利用する。人間らしさなんて邪魔だと思わないか」
「ふざけるな!キーラは優しい!お前と一緒にするな!この子を壊して、何も思わないのか!」
心底面倒くさそうにリズは私に近寄った。まだ吐しゃ物を口の端から零している私に水の入ったボトルを手渡す。
「アレイシス・・君、まだ自分が良い子だと思っているのか。英雄なんて人間らしさから最も遠い存在だ。キーラは仲間のために、俺たちの最終目標のためにここまで頑張ってきたんだ。その健闘を称えるどころか、君たちは邪魔をしている」
「大儀とか平和のためとか、そんなふわふわしたもののためによくここまで来れたな。所詮、お綺麗な思想を持っていても、君たちも俺も悪人だろ」
「キーラは誰よりも強くなりたいと願った。人間じゃなくなってもいいってね。それを俺は叶えた。そしてキーラが負担を背負うことで、君たちは助かっていたんじゃないか?少なくとも命にかかわる深手は負っていないはずだ」
アレイシスはそれを聞きながら膝をついた。
「英雄様になっても、死ぬのは怖いだろう?俺だっていやだね。占星術で城のおっさんたちに無理やり英雄に仕立て上げられて、命をかけて戦えと言われている。そんなの嫌だろ」
そうだ。リズは私の願いを叶えてくれた。それに何も言わなかったわけじゃあない。ちゃんと警告もしていた。それを破ったのは私。それだけだ。
「なに、なに?デイミスも、そんな顔して。俺はちゃんと止めたよ。でも、もっと力が欲しいっていったのはキーラだ。俺はそれを泣く泣く尊重したわけで」
リズは笑いながら、デイミスを見つめる。
「デイミスも酷いな。キーラが素材を齧っていたのを知っていただろう?でも止めなかった、俺と同じだ。君は一番、生産性のない人間の不要さをしっているから仕方ないかな?」
デイミスは珍しく、それを聞くと震えだした。何か言ってくれてもいいのに。大賢者様じゃないの?
「だから、これは茶番だ。みんないい子になりたいから仲間を庇うし、優しいふりをする。そんなお芝居を演じている暇があったら、もっといい作戦を立てなよ」
ここまで言って、リズは私に「珍しい素材のお土産」を渡して来た。アレイシスには上等な水の加護のついた双剣。そんなもの高額すぎてとても買えないのに、一体リズはどうやって手に入れたのだろう。デイミスには水魔法書の改訂版を渡していた。今日、発売だったらしい。
完全にみんなが項垂れて、リズに反論の余地すら取られた時、リズはやっと演説をやめて私の肩を抱き寄せた。吐き気がする、といった顔でリズを睨むアレイシスに彼は言った。
「そうだ。キーラだけど、俺のだから。手を出しちゃやーよ。間違ってもこんな安い髪飾りなんか二度と渡さないようにね」
彼は牽制のつもりだろうか。アレイシスが私にくれた髪飾りを手の中でくるっと回して見せた。そして私の体支えながらその場を去ろうとする。
「これでわかったでしょう、キーラ!!」
後ろからデイミスが叫んだ。
「リズはあなたを利用していただけ!リズは誰よりも効率を重視している!あなたが戦ってくれれば、自分の負担が減るって思っているの!信じてよ!私たちはいつでもあなたの味方なのよ!!」
何が味方だ。悪いことだって解釈しながら、私が壊れるのを止めなかったくせに。
デイミスの言葉を無視して、私はリズに体を預けた。
「キーラは俺が意地悪だって思ってる?でも、わかってくれよ。君のことが一番大事なんだ。君は俺が君を嫌ってると考えているらしいけど。誰よりも大事だよ」
「本当・・に?」
「君がしたいようにすればいい。俺はそれを応援するから」
私はリズが嫌いだ。それでも。リズの言葉はどれも心地いい。