第8話 アジト攻略一
創は敵に見つからないように進もうと思ったが、敵の方の近くまで全く身を隠せる物が無かったので仕方なく正面突破することにした。
そして創が身を隠せる物がある場所まで歩いて来ると少し遠くに混沌に誘いし者たちの構成員が見えた。
(ここは遠回りをして戦闘を避けるのが得策だが、ここの基地の構成員の戦闘能力を見ておきたいな。二人程度なら通報されずに仕留められるし、実験台になって貰っても今後の任務に支障はきたさないし良いだろう)
そうして創は混沌に誘いし者たちの構成員に向かって堂々とあるいていった。
「お前いったい何者だ!」
創は声をかけてきた構成員を観察した。
(武器はアサルトライフルか。ということはこいつは魔力量が少ないんだな。それと服装は相変わらず混沌に誘いし者たちの外套か。他に目立った装備はないようだな。それで遠くから見た時は二人居たようだがもう一人はどこに行った?)
創はもう一人の構成員を探していると、
「おい!貴様!!もしや、神国アヴァロンの手先の者か!!それならば死ね!!!!!!!!!」
そう叫びながら構成員は手に持つアサルトライフルを構えて創へと発砲しようとしたが、
「何だと!?」
構成員が持っていたアサルトライフルは切り刻まれていた。
「この程度でも反応できないのか。この程度の構成員しかいないということは、ここの基地はあまり重要なものではないのかもしれないな。」
そう言いながら創は創へと話しかけた構成員の横を通り過ぎようとした時、
「待て!!貴様!!ここを通すとでも思っているのか!!!!」
そう言って構成員が創の肩を掴もうとした時、構成員の腕が切り刻まれた。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」
構成員はあまりの激痛にその場に蹲り、絶叫した。
「この程度のダメージで戦えなくなるのか。それに手が再生しないだと?そうか、君は..........本当にすまない、君のことを勘違いしていたよ。痛い思いをさせてしまってすまない。せめてもの償いとして君を苦しまずに殺してあげよう。」
創はそう言って構成員に向けて手刀を構えた。
「い、嫌だ!!!まだ、死にたくない!!!!」
「すまないが君にはここで死んでもらう。罪を犯した者には平等の審判を下すのが世の摂理だ。来世は罪を犯さずに生きることをオススメするよ。」
そう言いながら創の手が一瞬、ブレたように見えた。
その瞬間、創の目の前にいた構成員の首が綺麗に落ちた。
(これは、まずい!!!!)
近くの建物の隅で用を足していたもう一人の構成員はその建物に身を潜めていた。
(このままやり過ごしてこの事を隊長に伝えないと!!!)
構成員はそう思い、創がどこかへ行くのを身を潜めて待っていると、
「その建物の中に隠れているのは分かっているぞ。今すぐ殺されたくなかったら俺の前まで出てこい!!!」
創は構成員が隠れている建物を見ながらそう言った。
構成員は少しでも長く生きるために創の前にのこのこと出てきた。
「お前には二つの選択肢がある。一つはこのまま何もせずに死ぬ事だ。二つ目はせめてもの罪滅ぼしとして俺にこの基地の情報を提供する事だ。選択はお前の自由にしろ。俺はどちらの選択肢でも構わない。」
「なら........せめてもの罪滅ぼしとしてこの基地の情報を話します.........。」
そうして構成員はこの方の情報を話し始めた。
彼は混沌に誘いし者たちに最近入ったばかりの新人の末端の構成員ため、詳しいことは知らないらしい。
だが、あの基地の大体の構造は知っていた。
まずは一階から三階までは末端の構成員の居住スペースになっており、一階は食堂で、二階と三階は住居スペースになっており、真ん中の大きな廊下の左右に寝室が並んでいる。
そして四階から上の階は実験施設になっているがその構成員は末端の下っ端のため、入ることができず、何の実験をしているのかは不明だ。
「それでお前の知っていることは全部か?」
「はい、そうです...........。」
「そうか、分かった。情報提供感謝する。お前は自分の罪を償ってこい。それで来世では罪を犯さずに楽しい第二の生を送ってくれ。」
創がそう言って手刀を横に振った。
そして、目の前にいた構成員の頭は地面に落ちたのだった。
創は二人の構成員を倒した後、基地に向かって歩き始めた。
創が二人の構成員を倒した場所から離れていくと、その2体の死体は謎の影の中に飲み込まれていった。
そして二つの死体があった場所には血の一滴すら残らずに消えていたのだった。