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アヴァロン〜世界を賭けた神々の戦い〜  作者: 大猩猩和
第三章 オアシス国家『ワカティナ』防衛作戦

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ワカティナ防衛作戦(創視点)九十九

 ゼルクレイグの背中の上から手を振っている草薙剣とアトランシアに手を振り返した後、創は視線をゼルクレイグから落とし、自分の前に立ちはだかっている黒騎士の巨人の方へ視線を向けた。


 黒騎士の巨人の方へ視線を向けてみると、黒騎士の巨人は未だに全くと言っていいほど創へ攻撃を仕掛ける様子はなく、ただその巨大な剣を地面に突き刺したまま創の方をじっと見つめている。


 そんなどんなに隙を晒したとしても全く動こうとしない黒騎士の巨人のことが信じられない創は自分の油断を誘うためにわざと今まで一度も動いていないのではないかと新たな仮説を立て、黒騎士の巨人が一体何を企んでいるのかと思考を再び巡らせ始めた。


 そうして、創が黒騎士の巨人の行動を深読みし、創が思考の中で思いついた想定できるありとあらゆる仮説を立て、その全ての仮説の対策方法を複数通り考え、どんな手段を使っても不意をつかれないように対策を練っている間も黒騎士の巨人はただ創の方へ視線を向けているだけで、全く動く気配はなかった。


 ちなみに、創が慢心や油断をせずにここまで本気で黒騎士の巨人の対策を練っているのかと言うと、この黒騎士の巨人が油断できるほどの敵ではないと言うわけではなく、単純にリヴァイアサンの目を気にしているためである。


 ここで、リヴァイアサンにあれほど釘を刺されたと言うのに慢心や油断などをして、足元を掬われた時にはあまりの格好悪さに普段からあまり周りへの目を気にしていない創でも恥ずかしいと感じてしまう。


 そのため、創は黒騎士の巨人の強さを全て分析し、その戦闘力が完全に把握するまでの間はリヴァイアサンからの注意通り慢心や油断は一切せず、真剣に黒騎士の巨人との戦闘に励むことに心に決めたのだった。


 そうして、リヴァイアサンたちに恥ずかしい姿を見せないためにも黒騎士の巨人の全容を把握するまでの間は慢心や油断は一切せず、真剣に取り組むことを誓った創はいつまで経っても黒騎士の巨人が動こうとしないため、黒騎士の巨人の気分変わって自分に襲いかかってくる前に今回使用する予定であった神聖武器を召喚しようと思い、その召喚術式を構築し始めた。


 その神聖武器を召喚するための術式を構築している間も創は一切の隙や油断を黒騎士の巨人に見せておらず、いつでも黒騎士の巨人が動き始めても問題ないよう臨戦態勢を維持したまま術式の完成を急いだ。


 術式を構築している間も創がいつ攻撃を仕掛けられても大丈夫なように警戒をしていたとは言え、黒騎士の巨人は未だに自分に向けて攻撃を仕掛けてくる様子はなく、創の召喚術式の完成を待っているようにも感じた。


 黒騎士の巨人が召喚術式の構築をしている最中に妨害をしてこなかったお陰で創は召喚術式の構築に専念することができ、直ぐに今回使用する神聖武器を召喚するための術式を完成させることに成功した。


 今回使用する神聖武器の召喚術式が完成したので、創は早速その召喚術式を起動し、今回使用する予定である二本の神聖武器を召喚するための二つの魔法陣を生み出した。


 創が生み出した召喚用の魔法陣からは荒れ狂う膨大な魔力が途切れることなく溢れ出しており、今から召喚する神聖武器がいかに強力な力を持っているのかを証明していた。


 この創が生み出した召喚用の魔法陣から溢れ出す強力な魔力に当てられてもなお黒騎士の巨人は攻撃するどころか、全く動く様子を見せずにただ創が生み出した二つの魔法陣の方へ視線を向け、その場で佇んでいるだけであった。


 自分が生み出した魔法陣の方に視線を向けたまま全く動きの見せない黒騎士の巨人を見た創は心の底からこの巨人は一体何を考えて行動をしているのかと頭を悩ませており、いくら考えても今までの黒騎士の巨人の行動を正当化させる理由が何も思いつかず、頭がパンクしそうになっていた。


 黒騎士の巨人のあまりにも奇怪な行動に創は頭を悩ませていたのだが、最終的に黒騎士の巨人は自分の圧倒的な強さにビビってしまい、自分への恐怖から体が動かなくなってしまったと言う普通に考えて絶対にあり得ない理由である断定し、心の中で優越感に浸っていたのだった。


 流石はイキリ系主人公の創であると言ったところか。


 ちなみに、ここまで創が調子に乗り待っている理由は仕事モードに切り替えるための自己暗示装置であるペストマスクに似た形のマスクをつけていないことが大きな理由であり、彼の本来の性格であるイキリストが存分に表に出てしまっている。


 もしも、この状況で真面目モードに切り替えるペストマスクのようなマスクをつけていたと仮定すると、これほどまで相手を見下してイキリ散らすことはなく、黒騎士の巨人を倒すことだけを考えていただろう。


 まあ、イキリモードに入っていようが、創本来の強さが変わると言うことはないので、足元を掬われたとしても基本的に負けることはないのに加え、今回はリヴァイアサンからしっかり釘を刺されているので、黒騎士の巨人との戦闘になれば、油断や慢心などは一切しないだろう。


 なので、ここは少し多めに見てあげるとしよう。


 そうして、黒騎士の巨人の行動に対する最終的な結論を出し、勝手に優越感に浸っていた創であったが、召喚用の魔法陣を展開したまま起動しないのは魔力を無駄に消費してしまうため、魔法陣を起動することにしたのだった。


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