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アヴァロン〜世界を賭けた神々の戦い〜  作者: 大猩猩和
第三章 オアシス国家『ワカティナ』防衛作戦

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ワカティナ防衛作戦(ヘルム視点)十三

 ヘルムのことを本気で殴った反動で自分の手が真っ赤に腫れあがってしまったベルヘイムはその傷をヘルムに治してもらったのだが、手の痛みが未だに治っておらず、


ベ「痛いよぉ......ヘルムぅ.......」


 ベルヘイムは手の痛みに耐えられず、シクシクと自分のことを抱き抱えているヘルムの胸の中で泣いており、ヘルムから一切離れる様子はない。


 ヘルムが自分に抱きつきながら泣いているベルヘイムのことを無理矢理引き剥がそうとすると、今までにないほどの力で離れまいと抱きついてきて離れないため、無理矢理引き剥がす事は諦めたのだった。


 そうして、ヘルムが自分に抱きついて離れないベルヘイムのことをどうしようかと迷っていると、先ほどまで見つめていた黒髪の美女がヘルムたちの方へと歩いてきたのだった。


 そして、ヘルムたちの元へ黒髪の美女が辿り着くと、シクシクと泣いているベルヘイムのことを抱き抱えているヘルムがその黒髪の美女に話しかけたのだった。


ヘ「レイルアルマって、人の姿の時は目はちゃんと二つ付いているんだな。てっきり、俺は龍の姿の時の同じように人の姿になったとしても単眼だと思っていたからびっくりだ」


 ヘルムは黒髪の美女である黒滅龍レイルアルマに龍の姿の時は単眼であるため、人の姿になった時も単眼になると思っていたが、ちゃんと目が二つ付いていたことに少し驚いたと話したのだった。


 ヘルムから単眼ではないことに驚いたと言われた黒滅龍レイルアルマは


レ「人型の生物の中で単眼の者はとても少ないので、人の姿の時でも単眼でいると周りに馴染むどころか、逆に目立ってしまうのですよ。なので、人の姿に変身する際は単眼ではなく、双眼にしているのです」


 自分が人の姿の時に単眼ではないのは人型の生物の中で単眼の種族はとても少ないため、龍の姿の時と同じように人の姿の時でも単眼いると、人型の種族に紛れようとしても逆に目立ってしまうので、わざと双眼にしていることを伝えたのだった。


 黒滅龍レイルアルマから人の姿の時は周りに紛れるためにわざと双眼にしていることを教えられたヘルムは確かに、人型の生物の中に紛れるのには単眼ではなく、双眼の方がバレにくいなと彼女が双眼にしている理由に納得している様子であった。


 ヘルムが黒滅龍レイルアルマが人の姿の時は双眼である理由に納得していると、彼の目の前に立っている黒滅龍レイルアルマが自分が抱き抱えている未だに泣き止む気配のないベルヘイムの方へ視線を向けていることに気づいた。


 チラチラベルヘイムの方へ視線を向けている黒滅龍レイルアルマの顔を見てみると、彼女はヘルムの胸の中で泣いているベルヘイムのことを心配しているようであった。


 なので、ヘルムは


へ「ベルヘイムのことなら、心配しなくても大丈夫だ。いつものことだからな」


 ベルヘイムがちょっとしたことで勘違いして怒り始め、最終的にヘルムの胸の中で泣き始めるのはいつものことなので、心配する必要はないとベルヘイムのことを心配している黒滅龍レイルアルマに伝えたのだった。


 そうして、ヘルムはベルヘイムのことなら心配する必要はないと黒滅龍レイルアルマに伝えたのだったが、今度は申し訳なさそうな表情を黒滅龍レイルアルマは浮かべ始めた。


 今度は申し訳なさそうな表情を浮かべ始めた黒滅龍レイルアルマにどうして、そんな表情を浮かべているのかとヘルムが不思議に思っていると、


レ「その......先ほどのヘルムさんとベルヘイムの喧嘩を見ていたのですが......どうやら、私が原因で喧嘩をしていたようなので、申し訳ないと言いますか.......何だか、すみません.......」


 黒滅龍レイルアルマは先ほどのヘルムとベルヘイムが喧嘩していたところを見ていたらしく、自分のせいで二人が喧嘩していたことも知っていたので、ヘルムに申し訳ない気持ちになっていたようだ。


 そのことを聞いたヘルムは


へ「いや、あれは俺が一方的に悪いからレイルアルマは気にする必要はないさ。ついつい、レイルアルマの魔力の隠蔽が上手過ぎて見惚れてしまっていたからな〜ベルヘイムが勘違いするのも仕方ないさ」


 普通に黒滅龍レイルアルマの美しさに見惚れてしまったのではなく、人の姿に変身した時の黒滅龍レイルアルマの魔力の隠蔽能力のあまりの高さに興味が湧いたようで、それでヘルムは黒滅龍レイルアルマの事をまじまじと見ようとしていたようだ。


 ヘルムが自分のことに見惚れていた本当の理由を教えられた黒滅龍レイルアルマは先ほどのベルヘイムに言い訳していた時の内容と全く違っていたため、どちらが本当の理由か分からなくなり、黒滅龍レイルアルマは混乱してしまった。


 そうして、黒滅龍レイルアルマが混乱していると、彼女が混乱していることに気づいたヘルムが頭を手で押さえながら悩んでいる黒滅龍レイルアルマに話しかけたのだった。


へ「ちなみにだが、ベルヘイムに言っていたレイルアルマの美しさに見惚れていたと言うのはあいつを騙すための嘘だ。ベルヘイムは一度思い込むと絶対に俺の言葉に耳を傾けないからな。だから、一度落ち着いて貰うためにわざとベルヘイムのことを煽って、自爆して貰ったんだ」


 ヘルムは先ほどベルヘイムに言ったことは彼女のことをわざと怒らせるための煽り文句であることを伝え、思い込んで暴走しているベルヘイムに落ち着いて貰おうとわざと自分に攻撃させたことを黒滅龍レイルアルマに伝えた。


 ヘルムからベルヘイムのことをわざと怒らせるための煽り文句であることを伝えられた黒滅龍レイルアルマは彼の作戦に納得すると共にベルヘイムのことをちゃんと理解しているのだなと安心したのだった。


 そうして、手の痛みに苦しんでいるベルヘイムが落ち着くまでの間、ヘルムと黒滅龍レイルアルマは仲を深めるためにも雑談に興じていたのだった。






 


 


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