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アヴァロン〜世界を賭けた神々の戦い〜  作者: 大猩猩和
第三章 オアシス国家『ワカティナ』防衛作戦

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ワカティナ防衛作戦(ベルヘイム視点)三

ベ「えっとね、ヘルムの凄いところは何と言っても戦場で負けた姿を一度も見たことないほどの実力を持っているところだね!!私もヘルムとは戦ったことがあるんだけど、接戦どころか手も足も出ずに一方的に負かされるほどの実力を持っているんだよ!!凄いでしょ?」 


 ベルヘイムはヘルムのことをさも自分のことのように、今まで戦場の中で負けた姿を一度も見たことがないほどの実力があると黒滅龍レイルアルマに自慢したのだった。


 ベルヘイムからヘルムが一度も戦場で負けた姿を見たことがないと言われた黒滅龍レイルアルマは自分も戦場では一度も負けたことがないので、特にこの戦場で一度も負けたことがないと言うワードは気にならなかった。


 だが、この戦場で一度も負けたことがないと言うワードの次にベルヘイムが言っていた自分も戦いを挑んだことがあるのだが、その時は何も出来ずに一方的にやられて負けてしまったと言うことを聞いた黒滅龍レイルアルマは驚きが隠せなかった。


 何故なら、ベルヘイムは黒滅龍レイルアルマに匹敵するほどの力を持つ古龍であり、あの龍種の英雄である黒滅龍レイルアルマであったとしてもベルヘイムに手も足も出させず一方的に負かすと言うことはほぼ不可能であるからだ。


 あの黒滅龍レイルアルマですら、ベルヘイムのことを一方的に負かすのはほぼ不可能であると言うのにベルヘイムによると彼女の旦那であるヘルムに一方的にやられて負かされてしまったと言うのである。


 だが、ヘルムがベルヘイムのことを手も足も出させずに負かされてしまったと言うのはベルヘイムの誇張した表現ではないかと黒滅龍レイルアルマは考え始めたのだった。


 そうして、黒滅龍レイルアルマはヘルムがベルヘイムのことを一方的に負かしたという話が信じられずにヘルムの話は彼女の誇張した話であると考えていると、ベルヘイムが黒滅龍レイルアルマに何か言い忘れたようで、再び話しかけてきた。


ベ「言い忘れていたけど、この話を聞いてヘルムの実力を確かめてやろうと戦いを挑んだりしたらダメだからね?レイルアルマお姉ちゃんでもヘルムと戦ったら負けちゃうし、レイルアルマお姉ちゃんがヘルムとの戦いで怪我をしちゃうかもしれないからね」


 ベルヘイムは先ほどまでの惚気た様子とは一変し、大真面目な表情でヘルムと戦ったら黒滅龍レイルアルマが負けてしまうことが前提として、彼女がヘルムの攻撃により怪我をしてしまう可能性が高いため、ヘルムとは戦ってはいけないと黒滅龍レイルアルマに注意喚起をしたのだった。


 ベルヘイムからヘルムとは戦ってはいけないと注意喚起を受けた黒滅龍レイルアルマはベルヘイムが自分に注意喚起をする際に言った言葉が信じられず、困惑しているようであった。


 どうして、黒滅龍レイルアルマが困惑してしまっているのかと言うと、ベルヘイムは今までの龍生の中でどんなに恐ろしい強敵が出てこようが一度も黒滅龍レイルアルマが戦いに負けると言う趣旨の内容を口にしたことがなかったからだ。


 それほどまでに黒滅龍レイルアルマの強さに絶対の信頼を置いていたベルヘイムがヘルムと戦ったら黒滅龍レイルアルマと言えど負けてしまうと言わしめるほどにヘルムは強いのだなと黒滅龍レイルアルマは確信したのだった。


 そして、黒滅龍レイルアルマはベルヘイムが言っていることは誇張された表現ではなく、事実だと確信した後、絶対に何かあったとしてもヘルムとは戦はずに話し合いなどで穏便に済ませるようにしようと思ったのだった。


 そうして、黒滅龍レイルアルマがヘルムの戦闘力を想像して恐怖していると、先ほどヘルムが自分が所属している部隊の隊長であるアルベルトに馬寄りになって顔面を殴りまくっていたことを思い出した。


 そのことを思い出した黒滅龍レイルアルマはベルヘイムを一方的に負かせるほどの実力を持つヘルムがもしも攻撃的な性格だったら、自分は彼に反撃することすら許されずに何か気に食わないことがあるたびに殴られてしまうのではないかと不安になった。


 不安になった黒滅龍レイルアルマは自分も将来的に先ほどのアルベルトのようにヘルムに馬乗りにされ、何の抵抗も出来ずに顔面に本気のパンチを喰らわされる妄想をし、絶望した顔でブルブル震え始めた。


 ヘルムのことについての妄想でブルブル震えていた黒滅龍レイルアルマであったが、流石に自分の大切な妹の旦那を自分勝手な妄想で悪役にし、それに怖がるのは失礼だと思ったので、ヘルムに対して失礼な妄想をしないように彼から視線をずらしたのだった。


 ヘルムから視線をずらした黒滅龍レイルアルマは自然とヘルムとアルベルトのことを囲んでいるディルグたちの方へ向かった。


 そうして、黒滅龍レイルアルマがディルグたちのことをぼーっと眺めていると、


ベ「レイルアルマお姉ちゃんは一体どこを見ているの?」


 ヘルムへの恐怖心からすっかり忘れていた小さくなっているベルヘイムが黒滅龍レイルアルマの顔の前まで飛んできて、黒滅龍レイルアルマは一体どこを見ているのかと質問してきた。


 自分の目の前にいきなり現れたベルヘイムに黒滅龍レイルアルマは少し驚いてしまったのだが、ベルヘイムが少し心配そうな表情で黒滅龍レイルアルマのことを見つめていたので、ベルヘイムの心配を解消するためにもすぐに彼女からの質問に答えたのだった。


レ「いえ、ベルヘイムからの話を聞いて少しヘルムさんのことが気になったので、彼は今何をしているのかなと眺めていただけです」


 黒滅龍レイルアルマはベルヘイムからの話を聞いたことにより、彼女の旦那であるヘルムのことが気になったので、彼の方へ視線を向けていただけだと言ったのだった。


 黒滅龍レイルアルマがベルヘイムにヘルムの方へ視線を向けていたことを話してみると、ベルヘイムも自然とヘルムの方へ視線を向けた。


 そして、ヘルムの方へ視線を向けたベルヘイムは今自分の目の前に広がっている光景を目の当たりにし、困惑の表情を浮かべ、顔を真っ青に染め上げたのだった。




 

 



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