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アヴァロン〜世界を賭けた神々の戦い〜  作者: 大猩猩和
第三章 オアシス国家『ワカティナ』防衛作戦
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黒滅龍レイルアルマが親になったわけ六十五

 黒滅龍レイルアルマは特にやることもなかったので、何も考えずにボケーっと必死に近未来チックなドアを開けようとしているバルクレシスのことを眺めていた。


 先ほどまではどれだけ押しても全く開く気配がなかった近未来チックなドアであったのだが、バルクレシスが諦めずに頑張ったことにより、このドアは少しずつではあるが着実に開き始めてきたのだった。


 ちなみに、フィンベルクと黒滅龍レイルアルマが近未来チックなドアを開けようとしているバルクレシスの手伝いをしていないのかと言うと、彼女たちは四足歩行の龍であるため、ドアを開くことは苦手であるからである。


 ただでさえ、普通のドアですら開けることに苦戦してしまうフィンベルクと黒滅龍レイルアルマが怪力でも有名なバルクレシスが開けるのに手こずるほど重い近未来チックなドアを開けられるはずがない。


 それに加え、この近未来チックなドアは言うほど大きくないため、バルクレシスがいるだけでフィンベルクと黒滅龍レイルアルマが入る隙間などは存在しておらず、手伝いたくても手伝えない状況である。


 それらの理由により、フィンベルクと黒滅龍レイルアルマは近未来チックなドアを開けようとしているバルクレシスのことをただ見つめていることしか出来ないのだ。


 なので、黒滅龍レイルアルマはただ呆然と近未来チックなドアと格闘しているバルクレシスのことを眺めていたのだった。


 一方、フィンベルクは近未来チックなドアを少しでも早く開けようと必死に押しているバルクレシスのことを心配そうな表情で見つめており、彼女がバルクレシスのことが心配していることが伝わってくる。


 ちなみに、黒滅龍レイルアルマがあまりバルクレシスのことを心配していないのに対し、フィンベルクがバルクレシスのことを心配しているのは家族補正がかかっているかいないかによるものである。


 黒滅龍レイルアルマはバルクレシスの面倒も見ていたため、とても仲は良いのだが、フィンベルクやバハムートのようにバルクレシスと仲が良かったと聞かれれば、そこまでではないだろう。


 そのため、黒滅龍レイルアルマがバルクレシスのことを客観視することができ、その客観視した時の評価からバルクレシスのことを心配しなくても彼女なら問題なく近未来チックなドアを開けれるだろうと結論づけているので、心配する素振りは見せていない。


 一方、フィンベルクはバルクレシスとは姉妹であるため、バルクレシスのことを見る時に家族補正がかかっており、黒滅龍レイルアルマのように正確に客観視することが出来ていない。


 なので、フィンベルクは近未来チックなドアを開けようと頑張っているバルクレシスのことが心配になってしまい、大丈夫かと不安そうな表情を浮かべているのだ。


 一応言っておくが、黒滅龍レイルアルマのようにバルクレシスのことを客観視することで冷静に物事を分析する考え方もフィンベルクのようにバルクレシスは家族だからと安全と分かっていても心配になってしまう気持ちに優劣をつけることはできない。


 フィンベルクのように家族であれば、安全だと分かっていても予想外の事態に巻き込まれてしまうのではないかと考えてしまうし、黒滅龍レイルアルマのように仲の良い友達であれば、安全と分かっていれば、よっぽどのことがなければ心配することはない。


 そのため、こちら方の考え方の方が正しくて、あちらの方の考え方が間違っているとか、彼女達の考え方のどちらかの考え方を否定することは出来ない。


 そして、黒滅龍レイルアルマの考え方もフィンベルクの考え方のどちらも大切な考え方であるため、どちらかを否定することはやめましょう。


 そうして、フィンベルクがバルクレシスのことが心配で不安そうな表情を浮かべながら眺めており、黒滅龍レイルアルマがバルクレシスならやり遂げてくれると信じているため、何事も考えずにボケーっと眺めていると、バルクレシスは最後の力を振り絞らんと全身全霊であと少しで開き切りそうな近未来チックなドアを押したのだった。


 そうして、バルクレシスは長きに渡る近未来チックなドアとの格闘に勝利を収め、頑丈かつ超重量な近未来チックなドアを完全に開き切ることに成功したのだった。


 


 





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