第7話 洞窟の奥底で
創は深淵の使者たちから身を隠しながら進み、やっと目的地であるはげ山に着いた。
「周りを見た感じ深淵の使者はいなさそうだな。これなら安心して基地へと繋がる通路を探せるな。」
そうして、創は混沌に誘いし者たちの基地へと繋がる通路を探し始めた。
はげ山の大きさはそこまで大きくないので捜索にはそこまで時間がかからなかった。
しばらくしてから、創は明らかに魔術によって何かが隠されている場所を見つけた。
「おそろしく高度な隠蔽工作、オレでなきゃ見逃しちゃうね。」
そうして、創が通路を隠している魔術を解除すると、自然地にできた洞窟のような通路が現れた。
「あいつらは自然の洞窟を利用して基地を作ったのか。さて、ここからは敵の懐の中だ。気を引き締めていかないとな。」
そうして、創は混沌に誘いし者たちの基地へと繋がる通路を進んでいった。
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混沌に誘いし者たちの基地へと繋がる通路を進み始めてから一時間が経過していた。
「この通路複雑だし、トラップ多いしでクソだるいんだけど。オレは速く家に帰らないといけないのに。」
創はこの一時間、幾つもにも分かれている通路のうち、間違った通路を進んでしまい引き返したり、様々なトラップに引っかかってきた。
例えば、三つに分かれている通路のうち、真ん中の通路を進むと、いきなり地面が割れ、毒沼に落とされかけたり、赤外線レーザーが張り巡らされている通路があったり、特定の足場を踏まないとトラップが作動する通路など、その種類は様々だ。
創はそのトラップが張り巡らされている通路を進んで来たため、トラップを回避や解除、強行突破などして来たため、距離的にはあまり前に進めていなかった。
「ここから基地までまだまだ時間がかかりそうだし、辛いな..........まぁ、頑張るしかないか...........。」
創は敵の基地へと繋がる残りの通路を進んでいったのだった。
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「やっと通路を抜けられた...........。」
創はあれからもう一時間かかってトラップが張り巡らされた通路を抜けた。
「それにしても洞窟を改造して作っていたのは知っていたが、こんなに広大な空間があるなんて思いもよらなかったな。」
通路を抜けた先には超広大な空間が広がっていた。
この空間の広さは地方都市をそのまま転送してきても余裕で入り、空間が余るくらいには広い。
「ここは洞窟の中なのにすごく明るいな。」
この洞窟の天井には発光する苔が大量に生えており、外とあまり変わらない明るさである。
「混沌に誘いし者たちの基地を攻略した後は、ここを深淵の樹海の調査のための前線基地にするのもいいな。少し、検討してみるのも良いな。」
創は洞窟の中を見渡しながら呟いた。
そして、遠くの方に巨大な筒のような建物があるのが見えた。
「あれが混沌に誘いし者たちの基地か。凄く大きいな。軽く300メートルは超えているぞ。まあ、今からあの基地を攻略するんだけどね。あの基地に向かう前に応援要請を一応出しておくか。」
そうして 創はロングコートのポケットからスマホのような見た目をしているが、明らかにスマホよりもハイテクな通信端末を取り出した。
その通信端末の電源を入れると、創の目の前に画面が投写された。
創の目の前に投写された画面を上にスライドしていき、『王直属部隊』と書かれたウィンドウを開き、キーボードを投写させて、応援要請を出した。
しかし、創がメッセージを送ろうとすると、圏外と出てきてメッセージを送れなかった。
「敵からのジャミングか、もともとここが電波が飛んで来ていないから圏外になるのか、どちらかわからないが、応援要請ができないことは分かった。仕方ない、一人でこの基地を潰すか。」
そうして、創は通信端末の電源を落とし、もう一度ポケットの中にしまうと、遠くに見える混沌に誘いし者たちの基地であろうタワーに向かって歩き出したのだった。
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