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アヴァロン〜世界を賭けた神々の戦い〜  作者: 大猩猩和
第三章 オアシス国家『ワカティナ』防衛作戦

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黒滅龍レイルアルマが親になったわけ六十

 そうして、バルクレシスがフィンベルクにブチ切れて喧嘩になってしまったので、黒滅龍レイルアルマが二人を仲裁をし、何とか仲直りするところまで持って行くことに成功したのだった。


 仲直りはしたものの吹き飛ばされたバルクレシスはあまり納得している様子はなく、不機嫌そうな表情を浮かべながら、フィンベルクに視線を合わせないようにしていた。


 一方、フィンベルクはバルクレシスのことを吹き飛ばしたことに全くと言っていいほど気にしている様子はなく、何事もなかったかのようにバルクレシスの隣を平然と歩いていたのだった。


 そんなバルクレシスに酷い仕打ちをしておきながら全く動じていないフィンベルクの姿を見た黒滅龍レイルアルマはフィンベルクはとても図太い神経をしているなと少し羨ましそうに見つめていた。


 黒滅龍レイルアルマはとても繊細勝った心配性であるため、フィンベルクのようにバルクレシスのことを吹き飛ばしてしまった場合、バルクレシスのことが心配過ぎて混乱してしまうだろう。


 そして、黒滅龍レイルアルマはバルクレシスが無事であったことを確認しても本当に大丈夫なのかと心配になってしまい、何度も何事もなかったのか確認してしまうだろう。


 それに加え、黒滅龍レイルアルマはバルクレシスのことを吹き飛ばしてしまったという罪悪感に蝕まれてしまい、フィンベルクのように堂々と隣を歩くことはもちろん、バルクレシスの側にいることすらも出来なくなってしまう。


 なので、黒滅龍レイルアルマはバルクレシスのことを本気で怒らせても平然と彼女の隣を歩けるフィンベルクのような鋼のメンタルが欲しいなあと思ったのだった。


 そうして、バルクレシスとフィンベルクがギスギスした雰囲気のまま黒滅龍レイルアルマたちはバルクレシスが破壊した壁とは違う方向にある壁に通路が伸びていたので、その通路の中へ入っていったのだった。


 この通路にも先ほどまで天井から吊るされていた古いランタンと同じランタンが一定間隔で天井から吊るされており、その間隔が先ほどまでいた部屋よりも大きいため、先ほどの部屋よりも暗い。


 そして、この通路はバルクレシスの激突の影響を受けていないのに壁や天井が割れていたり、一部崩落していたりするなど、とてもボロボロである。


 それに加え、この通路の至る所には苔のような植物が生えており、その苔のような植物からは水蒸気が発せられているため、ボロボロの通路は湿っている。


 そのため、この通路はとてもジメジメしていているのに加え、この苔のような植物からは胞子が大量に飛ばされており、その湿っている空気と胞子が合わさって、黒滅龍レイルアルマはとても不快に感じた。


 一方、バルクレシスはフィンベルクに近くにいるとまた何か問題に巻き込まれるのではないかと不安に思い、フィンベルクよりも前を歩こうとしていたのだが、バルクレシスが先に行こうとする度にフィンベルクはそれについて来た。


 そのため、バルクレシスは今度は黒滅龍レイルアルマの方へ近づいていったのだが、バルクレシスが黒滅龍レイルアルマの方へ近づくとフィンベルクも一緒に黒滅龍レイルアルマの方へ近づいて来た。


 そうして、バルクレシスは何とかフィンベルクとの距離を取ろうと頑張ったのだが、バルクレシスが移動する度にフィンベルクもそれに釣られるように移動して来たため、バルクレシスはフィンベルクから離れることは出来なかった。


 バルクレシスが離れる度に近づいてくるフィンベルクはとても澄ました顔でさも当然かのように近づていたのだが、彼女の内心はバルクレシスのことを虐めて楽しんでいた。


 そのことは虐められている当人であるバルクレシスにも伝わっており、これ以上無理矢理離れようとしてもフィンベルクの思う壺なので、バルクレシスはフィンベルクから離れることはやめたのだった。


 バルクレシスがフィンベルクから離れることを諦めると、フィンベルクは折角いじって遊んでいたのに残念だなとなると思いきや、フィンベルクはとても嬉しそうにバルクレシスの方へ近づいたのだった。


 どうやら、フィンベルクは怒っていたバルクレシスと仲良くしたかったらしく、バルクレシスが折れたことで普段通りの感じの態度に戻ったようだ。


 フィンベルクに甘えられたバルクレシスは最初は嫌がっている様子を見せていたが、途中からはしょうがないなと甘えてくるフィンベルクのことを受け入れたのだった。


 そのやり取りは黒滅龍レイルアルマもちゃんと見ており、この二人は姉妹であるため、なんやかんや言って仲はとても良いのだなと思ったのだった。


 そして、黒滅龍レイルアルマは姉妹という単語から滅戒龍グラン・ガイウスとの思い出が脳内にフラッシュバックして来て、何だか寂しい気持ちになったのだった。


 そうして、黒滅龍レイルアルマが少し悲しい気持ちになりながら、自分の前でイチャイチャしているバルクレシスとフィンベルクのことを見ていると、彼女たちの先に何か異様なものが視界に入って来た。


 何かこの空間に合わない異様なものが視界に入って来た黒滅龍レイルアルマはその異様なものが何なのか気になったので、目を細めてその異様なものを確認したのだった。

 

 

 


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