黒滅龍レイルアルマが親になったわけ三十三
そうして、黒滅龍レイルアルマは足早でバハルリア城の中心にある大きな中庭を歩いていると、遠くの方に大きな龍と小さな龍の姿を捉えることが出来た。
その二人の龍を目を細めてみてみると、黒滅龍レイルアルマは直ぐに小さな龍がベルヘイムで、大きな龍がランベリオスだと言うことがわかった。
二人の龍がベルヘイムとランベリオスと分かった黒滅龍レイルアルマは二人が何をして遊んでいるのか気になり、更に目を細めて観察してみた。
二人のこと(黒滅龍レイルアルマの視線の九割九部九厘ベルヘイム)を眺めていると、ベルヘイムはとても目を輝かせながら、金色に光るボールに抱きついて転がっていた。
黒滅龍レイルアルマは金色のボールを目を輝かせながら抱きついて転がっているベルヘイムを見て、相変わらずベルヘイムは光物が好きなんだなと思った。
それと同時に黒滅龍レイルアルマは金色のボールを目を輝かせながら抱きついて転がっているベルヘイムを見て、ほんのうむきとても可愛らしいなとも思った。
そして、ランベリオスは金色のボールを目を輝かせながら抱きついて転がっているベルヘイムが危ない時にすぐに助けられるよう近くで立っている。
ベルヘイムの近くで立っているランベリオスはとても穏やかそうな表情でベルヘイムのことを見つめており、あの様子ならランベリオスはベルヘイムの可愛さに癒やされているのだと黒滅龍レイルアルマはすぐに分かった。
そんなベルヘイムに癒されているランベリオスを見た黒滅龍レイルアルマは一人だけベルヘイムに癒されているなんてずるいと思い、少しでも早くベルヘイムの元に駆けつけようと歩く速度がさらに早くなった。
黒滅龍レイルアルマの歩く速度がさらに加速したことにより、ただでさえ歩くのが早くてついていくのが大変だったバルフェルノたちは次第に黒滅龍レイルアルマとの距離が開いていった。
そのため、バルフェルノたちは黒滅龍レイルアルマに置いて行かれないためにも彼女の後ろを必死に走りながら追いかけて行ったのだった。
そうして、黒滅龍レイルアルマは自分の後ろをついて来ているバルフェルノたちを気にすることなく、全速力でベルヘイムの元に歩いて向かっていると、ベルヘイムが近づいてくる黒滅龍レイルアルマに気が付いたのか、ベルヘイムは視線を黄金のボールから黒滅龍レイルアルマの方へ向けた。
視線を黄金のボールから黒滅龍レイルアルマの方へ向けたベルヘイムは自分の視界に大好きな黒滅龍レイルアルマが入ったことにより、先ほどよりも目を輝かせた。
そして、ベルヘイムは今まで大事に相に抱きついていた黄金のボールを投げ捨て、その拙い足取りで一生懸命走りながら黒滅龍レイルアルマの方へ近づいて行ったのだった。
拙い足取りで一生懸命走るベルヘイムの姿はとても健気で可愛らしく、黒滅龍レイルアルマはベルヘイムが自分に向かって一生懸命走っている姿に心を打たれたのだった。
この拙い足取りで一生懸命走るベルヘイムに心を打たれたのは黒滅龍レイルアルマだけでなく、ランベリオスやバルフェルノたちもよちよち走るベルヘイムに心を打たれた。
そうして、拙い足取りで一生懸命走っているベルヘイムは黒滅龍レイルアルマの元にたどり着き、ベルヘイムは黒滅龍レイルアルマの右前足に飛びつくように抱きついた。
黒滅龍レイルアルマは自分の右前足に抱きついているベルヘイムの方へ顔を近づけ、ベルヘイムの顔に黒滅龍レイルアルマは自分の顔を優しく擦り付けた。
そうすると、ベルヘイムもとても嬉しそうに満面の笑みを浮かべながら、黒滅龍レイルアルマの頬に自分の頬を擦り返した。
そんな二人のやり取りを見ていたバルフェルノ、バルクレシス、フィンベルクは黒滅龍レイルアルマとベルヘイムが本当の育ての親とその妹ではないと聞いていなければ、見間違えるところであった。
そして、バルフェルノたちは黒滅龍レイルアルマとベルヘイムの間には本当の育ての親と妹の間で生まれる深い絆に負けないほどの絆で結ばれているのだなと感じた。
一方、黒滅龍レイルアルマとベルヘイムがとても仲良しであることを知っているランベリオスは相変わらず黒滅龍レイルアルマはベルヘイムのことを大好き過ぎるなと温かい気持ちで二人を眺めながら心の中で呟いた。
ちなみに、黒滅龍レイルアルマとベルヘイムは周りから向けられる視線など気にしておらず、二人は周りの目も気にせずに仲良く話していた。
ベ「レイルアルマお姉ちゃん!私ね、レイルアルマお姉ちゃんに言われた通りランベリオスさんと仲良く遊んでたよ!えらい?」
ベルヘイムは黒滅龍レイルアルマに自分は黒滅龍レイルアルマに言われた通りランベリオスと仲良くしていたことを何かを期待するような眼差しを向けながら言った。
どうやら、ベルヘイムの発言から分かるように、ベルヘイムは黒滅龍レイルアルマの言う通りランベリオスと仲良く遊んで待っていたこと
を褒めて欲しいようだ。
そうして、ベルヘイムが機体を含んだ眼差しで黒滅龍レイルアルマのことを見つめていると、
レ「よく私の言いつけ通りにランベリオスと仲良く遊んで待っていましたね。偉いですよベルヘイム」
黒滅龍レイルアルマはとても優しい声でベルヘイムのことを褒めながら、自分の頬をもう一度ベルヘイムの頬に擦り付けたのだった。
そうすると、ベルヘイムも褒められたことがとても嬉しかったのか、今までにないほどの満面の笑みを浮かべており、その満面の笑みを浮かべながら黒滅龍レイルアルマの頬に再び自分の頬を擦り返した。
そうして、黒滅龍レイルアルマとベルヘイムは短い話し合いを得て再開したのだった。




