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アヴァロン〜世界を賭けた神々の戦い〜  作者: 大猩猩和
第三章 オアシス国家『ワカティナ』防衛作戦

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黒滅龍レイルアルマが親になったわけ十七

 何とか、バハムートの気分を逸らし、自分がベルヘイムのことを取られてしまうのではないかと考えていたことを話さずに済んだ黒滅龍レイルアルマは心の中で安堵した。


 だが、バハムートはすぐに話し終わると思いきや未だに色々なことを黒滅龍レイルアルマに話しかけてくるため、黒滅龍レイルアルマはドジを踏まないように話を続けていた。


 バハムートはつい久しぶりの再会に黒滅龍レイルアルマとの雑談に夢中になっていて忘れてしまっているが、まだ宰相のような龍の自己紹介が終わっていない。


 そして、バハムートがそのことに一切気づく様子がなかったため、宰相のような龍は大きな咳払いをし、バハムートの意識を黒滅龍レイルアルマから自分に向けさようとした。


 バハムートは黒滅龍レイルアルマとの会話に夢中になっていたが、宰相のような龍が咳払いをすると、自然と意識が黒滅龍レイルアルマから宰相のような龍に移った。


 見事に作戦通り自分にバハムートの意識を向けさせることに成功した宰相のような龍は何かバハムートに言うと思いきや、宰相のような龍はバハムートに何も言わずにただ鋭い視線を向けるだけであった。


 宰相のような龍から鋭い視線を向けられているバハムートは自分がどうして、宰相のような龍から睨まれているのか分からず、頭を悩ませたのだった。


 いつまで経っても自分一人で宰相のような龍が怒っている理由に辿り着けないバハムートに痺れを切らしたのか、宰相のような龍はヒントを与えるかのように視線をチラチラベルヘイムの方へ向けた。


 バハムートは直ぐに宰相のような龍がベルヘイムのことをチラチラ見ていることに気づいた後、どうして、宰相のような龍はベルヘイムのことをチラチラ見ているのだろうかと考え始めたのだった。


 そうして、バハムートは怒っている宰相のような龍がチラチラベルヘイムのことを見ているのかと思いながら、宰相のような龍が怒っている理由を考えていると、自分のことを不思議そうに見つめているベルヘイムが視線に入った。


 ベルヘイムが視線に入ったバハムートは自分はベルヘイムと自己紹介をし合って少し仲良くなったことを思い出した。


 と同時にバハムートは宰相のような龍がまだベルヘイムに自己紹介をしていないことを思い出し、宰相のような龍はそのことで自分に怒っているのだと分かった。


バ「あらあら、私ったらランベリオスがまだ自己紹介が済んでいないことをすっかり忘れてしまっていたわ。ごめんなさいね?」


 バハムートは宰相のような龍ランベリオスの自己紹介がまだ済んでいないことを忘れてしまっていたため、バハムートはランベリオスにそのことを謝罪した。


 ランベリオスはやっとバハムートが自分の自己紹介がまだだったことに気づいてくれたかと思いながらバハムートにこう言った。


ラ「バハムート、貴女は夢中になると周りのことが見えなくなる癖は治した方が良いですよ。貴女は自分から望んでバハルリアの統治者になったわけではありませんが、統治者となったからには周りに目を向ける必要がありますので」


 どうやら、ランベリオスがバハムートに自分の自己紹介がまだだったことを伝えなかったのはバハムートの周りへ目を向ける能力を向上させるためであったようだ。


 どうして、ランベリオスがバハムートに周りへ目を向ける能力を上げようとしたのかと言うと、バハムートはバハルリアの統治者であるため、僅かな変化にも気づき、目を向けなければならないためだ。


 それが自分から望んで統治者になったわけではないとしてもだ。


 そして、バハムートは今のように黒滅龍レイルアルマと話に夢中になり過ぎてランベリオスの自己紹介がまだと言うのにベラベラと話し続けてしまうほど周りのことへ目を向ける能力が低い。


 そのため、ランベリオスは先ほどのようにバハムート自身に気づかせることで少しでも周りに目を向けられるようにと様々な取り組みを行なっている。


 しかし、バハムートはそのことをあまり気にしていないのに加え、マイペースであるため、一向にバハムートが周りへ目を向けられるようにならない。


 そんなバハムートのことを考えていると、ランベリオスは今まで忙しかったことから来る疲れから自然とため息が漏れてしまった。


バ「ごめんなさい......ランベリオス......また私、貴女のことを怒らせてしまったのかしら......?」


 ランベリオスのため息を聞いたバハムートはまた自分がランベリオスのことを怒らせてしまったのではないかと思い、とても心配そうな表情でランベリオスに声をかけた。


ラ「いえ、最近色々と忙しかったので、そのせいで疲れが溜まってしまい、ついため息が漏れてしまっただけです。なので、バハムートに怒ってなどいないので気にしないでください」


 ランベリオスはバハムートに最近忙しかったため、その疲れからため息が出てしまったと伝えた。


 そうすると、バハムートは先ほどよりも心配そうな表情を浮かべて、ランベリオスに話しかけた。


バ「ごめんなさい......貴女がそんなに疲れているなんて知らないで私、貴女に頼ってしまっていたわ......」


 バハムートは疲れが溜まっているのにランベリオスのことを頼ってしまったことを謝罪した。


ラ「私はバハムートの宰相なので、貴女が私のことを頼ることは普通ですので、謝る必要はないです。それに、この程度の疲れであれば、1日休めば取れるので、心配しなくても大丈夫ですよ」


 ランベリオスはバハムートに自分のことは気にしなくても大丈夫だと言った。


 しかし、バハムートはそんな言葉だけで引くわけもなく、


バ「いいえ、貴女には休息が必要だわ。明日から一週間、貴女は仕事を休みなさい。貴女の分の仕事は私たちが分担してやるから、あなたは思い存分休むと良いわ」


 バハムートはランベリオスに明日から一週間の休みを言い渡したのだった。


ラ「いえ!そんなに休む必要はないです!一日程度で本当に大丈夫なので!」


 ランベリオスはすぐに自分には一日だけで充分だとバハムートに言った。


 だが、


バ「いいえ、これは上司命令です。貴女は一週間休みなさい」


 バハムートは引くことなく、ランベリオスに一週間の休みを言い渡したのだった。


 そうして、ランベリオスは明日から一週間仕事を休むことになったのだった。


 ちなみに、この二人のやり取りをしている間、黒滅龍レイルアルマとベルヘイムは、ベルヘイムが黄金に輝く壁を触りたそうにしていたので、二人のやり取りが終わるまでの間、ベルヘイムに黄金に輝く壁を触らせていたのだった。






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