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アヴァロン〜世界を賭けた神々の戦い〜  作者: 大猩猩和
第三章 オアシス国家『ワカティナ』防衛作戦

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ワカティナ防衛作戦(創視点)五十八

 創が起きてからだいぶ時間がった時、創はもうそろそろ展開したブラックホールが消滅する時間になったため、再び敵の殲滅のためにブラックホールを展開する準備をした。


 次の瞬間、消えかけていたブラックホールが何者かの手によって消滅させられた。


 そして、ブラックホールを消滅させた者は一瞬で創たちの目の前まで接近してきた。


 その時間はコンマ一秒以下。


 その圧倒的な速さにこの場で対応することが出来た者は創だけであった。


 一瞬で目の前まで迫って来た者の姿を創は捉えた。


 光すら飲み込むほどの漆黒のコートで身を包んでいる。


 そして、フードを深く被り、顔は何かをモチーフにした仮面で素顔を隠していた。


 この者は少し大きめのコートを着ているせいで体格が分かりにくいが、創は直ぐに相手の体格を見破り、相手が男性であることが分かった。


 この漆黒のコートに身を包んだ男は手に持つ刀身が黒いもので包まれた刃先が優に二メートルを超える大太刀をまるで棒を振るかのように薙ぎ払った。


 唯一反応することの出来た創は指輪を外す時間もなかったため、左腕の聖義手に仕込まれている破壊術式を展開し、薙ぎ払われた大太刀を防いだ。


『ギィィィィィィイイイイイイインンンンンンンン!!!!!!』


 創の聖義手と漆黒の男の大太刀が激しくぶつかり合い、辺り一帯には鼓膜が弾け飛びそうなほどの金切音が響き渡った。


 そして、創の聖義手と漆黒の男の大太刀からは金切音と共に全てを吹き飛ばすほどの激しい衝撃波が放たれた。


 敵からの襲撃に反応が遅れたリヴァイアサンたちはいきなり発生した金切音と衝撃波に急いで防御体制を取り、衝撃波が止むまで動くことすら出来なかった。


 漆黒の男の薙ぎ払い攻撃を防いでいた創だが、指輪の封印が解けていないせいで、本来の一割も力が出せないため、ジワジワと漆黒の男に押されていく。


 その状況をまずいと判断した創は


創「リヴァイアサンっ!!!自分を中心に半径一キロメートルを吹き飛ばしてくれっ!!俺たちを巻き込む形でなっ!!」


 仕切り直しをするため、リヴァイアサンにこの辺り一帯を吹き飛ばすように指示を出した。


リ「はいっ!!分かりましたっ!!この辺りを吹き飛ばせば良いのですねっ!!もう少しだけ時間を下さいっ!!!」


 リヴァイアサンは必死に放たれる衝撃波を耐えながら創からの指示された通り自分を中心に半径一キロメートルを吹き飛ばすための準備を行い出した。


 創に自分を中心に半径一キロメートルを吹き飛ばすように指示されたリヴァイアサンは直ぐに両手にとある魔法陣を展開した。


 その魔法陣はリヴァイアサンが息吹(ブレス)を放つ時に展開されていた魔法陣と全く一緒であった。


 息吹と同じ魔法陣を展開したリヴァイアサンは両手を地面につけ、魔法陣に恐ろしい量の魔力を注ぎ込んだ。


 リヴァイアサンが魔法陣に魔力を注ぎ込んだ瞬間、魔法陣から膨大なエネルギーが地面へ向けて放たれた。


 地面に放たれた膨大なエネルギーは直ぐに地面の中で膨れ上がり、逃げ場を求めて外へ出ようと地面の中から一気にエネルギーが空気中へ放出された。


 その空気中へエネルギーが放出されると同時に創の指示通りリヴァイアサンを中心に半径一キロメートルの大きな円形に大爆発が起こった。


 流石の漆黒の男でもこれほどまでの大爆発となれば、防御態勢を取らないと凌ぎきれないため、創の思惑通り漆黒の男は防御態勢を取るために魔法障壁を展開しながら創との距離をとった。


 一方、創はリヴァイアサンに指示を出しただけあり対策はバッチリで、もう既に後方にいるレヴィアタンから自分のことを守るための防御結界を展開して貰っている。


 どうやら、リヴァイアサンに口で指示を出すと同時に念話でレヴィアタンに皆のことを守る防御結界の展開する指示を出していたようだ。


 流石は一心同体の夫婦の連携と言ったところか。


 そうして、リヴァイアサンが引き起こした大爆発が収まる前に創は急いでオリジンに封印解除の申請を出し、指輪を一つずつ外していき、申請が最大解除まで通ったので、創は両手に嵌めていた指輪を全て外した。


 その瞬間、創だけではなく、リヴァイアサンやレヴィアタン、ゼルクレイグまでもが先程とは比べ物にならないほどの魔力を放ち始めた。


 この理由は創たちと龍種たちは一心同体であるため、龍種であるリヴァイアサンたちも創と同じように力に大幅な制限がかけられている。


 そして、このかけられている制限は創の封印と同期しており、創が封印を解除するごとにリヴァイアサンたちも本来の力へと近づいていく。


 そのため、リヴァイアサンたちも創の封印解除に呼応するように力の制限が解除されていき、全力からは程遠いが、漆黒の男とは渡り合えるほどの力はある。


 そうして、創が封印を解除している間にリヴァイアサンが引き起こした大爆発は収まっており、創たちを中心に半径一キロメートル以上の大きなクレーターが出来ていた。


 この大きなクレーターの中には創たち一行と無傷の漆黒の男がそれぞれを警戒して立っていた。


創「来い、草薙剣、アトランシア」


 創がそう唱えると、創の後方に立っていた草薙剣とアトランシアがそれぞれ元の姿に戻り、創の元に飛んでいった。


 そして、創は飛んできた草薙剣とアトランシアを見事にキャッチし、アトランシアはいつものように背中に背負った。


 創がアトランシアと草薙剣を呼んでいる間にリヴァイアサンは水で出来た剣を持ち、レヴィアタンは紫色に輝く炎で出来た剣を持って創の隣までやって来た。


 ゼルクレイグは創の前に立ち、普通の剣の半分ほどの短剣を両手にそれぞれ一本ずつ持ち、鋭い眼光で漆黒の男を見つめた。


 漆黒の男は再びその大太刀を軽々しく片手で構え、創たちのことを警戒し始めた。


 そうして、態勢を立て直した創たちと漆黒の男との戦いが始まったのだった。









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