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アヴァロン〜世界を賭けた神々の戦い〜  作者: 大猩猩和
第三章 オアシス国家『ワカティナ』防衛作戦

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ワカティナ防衛作戦(創視点)五十六

 ワカティナ防衛作戦三日目の朝、創は自然と目が覚めた。


草「おはよう、主様」


 創は目が覚めると同時に何故か視線の先に胸と顔がある草薙剣に朝の挨拶をされた。


創「ああ、おはよう草薙」


 目が覚めた創は草薙剣からの挨拶に返すと、直ぐに自分の視界に草薙剣の顔とその大きな胸が広がっていることに違和感を感じた。


 何故なら、創の記憶では地面に寝転がってそのまま眠りに落ちた。


 そのため、草薙剣に膝枕などして貰った記憶は一切なかった。


 それに加えて、創の左右隣にはレヴィアタンとアトランシアがベッタリと創の腕に抱きついており、とても気持ちよさそうに寝息をたてながら寝ている。


 創は左右から押し付けられる胸の感触と頭に伝わる草薙剣の柔らかく気持ちの良い太腿の感触に自然と頬が緩んでしまった。


リ「何ニヤニヤしているんですか?ぶん殴りますよ?」


 創がニヤニヤしていると、いきなり怒りの表情を浮かべたリヴァイアサンが顔を覗かせてきた。


創「いや、殴るのだけは本当にやめてください。リヴァイアサンに殴られたら普通に体が消し飛んで洒落にならないんで」


 創は拳を握りしめているリヴァイアサンに拳を収めるように説得し始めた。


 そして、リヴァイアサンの説得をしている創は両手はレヴィアタンとアトランシアのせいで動かせないため、唯一動く頭を横にブンブン振った。


草「も〜主様?あんまり頭を動かすと主様の髪の毛がこそばゆいからやめてね?」


 草薙剣は頭をブンブン振っている創の頭を優しく撫でながら子供のことを諭すような優しい口調で言った。


創「うん、分かった!」


 創は草薙剣から溢れ出す母性により幼児退行し、まるで幼稚園児のような元気で草薙剣に返事を返した。


草「よしよし〜主様は素直で良い子だね〜良い子にはご褒美として頭を撫で撫でしてあげますね〜」


 草薙剣は幼稚園児の母親のような態度で幼児退行してしまった創の頭をもう一度優しく撫で出した。


 草薙剣に頭を撫でられた創はとても気持ち良さそうな顔で喜んでいた。


 その草薙剣と創のイチャイチャに嫉妬で苛立ちを覚えていたリヴァイアサンはついに我慢の限界が来てしまい、握り拳を勢い良く振り上げた。


 そして、リヴァイアサンが草薙剣にデレデレしている創に向けて拳を振り下ろそうとした時、誰かが後ろからリヴァイアサンの振り下ろされそうになった拳を受け止めたのだった。


 リヴァイアサンもまさか自分の拳が誰かに止められるとは思ってもいなかったので、驚いて後ろに振り返った。


 振り返ったリヴァイアサンの視線の先にはいつものようにポーカーフェイスを浮かべているゼルクレイグがリヴァイアサンの拳を受け止めていた。


ゼ「草薙に嫉妬しちゃうのは仕方ないけど、手を出しても良い理由にはならないよ?まあ、ご主人様が悪い時は手を出しても問題はないけど、今回は草薙とイチャイチャしているだけだからね。悔しかったらリヴァイアサンもご主人様に素直に構って貰えば良いと思うよ?」


 ゼルクレイグは二日前に創のことを本気で殴って気絶させてしまったことを引きずっているらしく、創へ対する暴力には敏感になってしまっている。


 そのため、ゼルクレイグは目の前でイチャイチャされたことによる嫉妬で怒りが爆発してしまったリヴァイアサンが創のことを殴ろうとした時、今回は創は言うほど悪くなかったので、止めに入ったようだ。


 創のことを殴ろうとしたリヴァイアサンはゼルクレイグからの正論パンチにより、握りしめていた拳を収めるしかなかった。


 そして、リヴァイアサンが拳を収めた瞬間、リヴァイアサンは涙目で体がプルプル震え出した。


 どうやら、リヴァイアサンは自分の目の前で創が違う女性とイチャイチャしまくっていることに耐えきれなくなってしまったのだが、いつものように創に暴行を加えることによって発散していたのだが、今回はゼルクレイグに止められたことにより彼女の嫉妬心は行き場を失ってしまい、悲しみという形で外に発散され始めたようだ。


 メンタルの弱いリヴァイアサンは心の奥底から溢れ返ってくる悲しみに耐えることなど出来る筈もなく、直ぐにリヴァイアサンはその場に泣き崩れてしまった。


 リヴァイアサンが泣き崩れてしまった直後、創はリヴァイアサンのことを慰めるために両手にへばりついているレヴィアタンとアトランシアを起こさないように引き離し、立ち上がって直ぐにリヴァイアサンの元に駆け寄った。


創「ごめんね、リヴァイアサン.........よしよし、大丈夫だよ.......」


 創は泣き崩れているリヴァイアサンのことを優しく包み込み、頭を優しく撫でてリヴァイアサンのことを宥めだした。


 創がリヴァイアサンのことを慰めていると、リヴァイアサンも創のことを力強く抱き返した。


 そして、リヴァイアサンは涙でくしゃくしゃになった顔を上げて、創のことを見つめた。


 創は涙でくしゃくしゃになった顔のリヴァイアサンに優しく微笑みかけながら頭を撫で続けた。


 そうすると、リヴァイアサンの頬には未だに涙が伝っているが、リヴァイアサンは満面の笑みを浮かべた。


 そうして、創はリヴァイアサンが完全に泣き止むまで、リヴァイアサンの頭を優しく撫でていたのだった。






 

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