ワカティナ防衛作戦(ミスディルディア視点)二
ミスディルディアは創たちのテントを盗み聞きをしたことにより、自分がどのようにして生まれてきたのか分かった。
自分の父であると思っていたフェファイトスさんが上手くミストルティンの片割れを作ることが出来ずに創に片割れを作ることを依頼し、自分が生まれてきたこと。
ミストルティンの父はフェファイトスさんで自分の父が創であること。
自分とミストルティンのことを気遣い、本当は自分が父であるのにフェファイトスさんをミスディルディアの父親にしたこと。
そして、ミスディルディアはまだ創と仲が悪くなる前のことを思い出す。
創は自分が悲しんでいる時は自分のことのように一緒に悲しんでくれて、自分が喜んでいる時も自分のことのように一緒に喜んでくれていた。
創から魔術の勉強を教えて貰っていた時も自分が新しい魔術を覚えたり、上手く使えるようになった時は凄く褒めてくれた。
そして、自分が悪いことをすれば、甘やかして許すのではなく、自分が道を踏み外さないように真剣に怒ってくれていた。
それと創はフェファイトスさんに内緒で自分が行きたいと言った場所にたくさん連れて行ってくれた。
遊園地にカラオケ、スキーに動物園、これ以外にも数え切れないほどの場所に嫌がることなく連れて行ってくれ、自分が気を使わないように創は色々としてくれていた。
創はいつも自分の我儘を文句を言うことなく聞いてくれ、自分のことを本当に大切に思っていてくれた。
そのことを思い出したミスディルディアは自分は本当に創から愛されているのだなと言う実感が湧いてきた。
そして、ミスディルディアが創との思い出を思い出しているうちに、創はテントの中で自分の誕生秘話を話し終えていた。
ミスディルディアはこれ以上テントの中を盗み聞きする理由が無かったため、創たちのテントから離れることにした。
そうして、創たちのテントから離れたミスディルディアは自分の主人であるルインたちの元に戻ろうと思い、前線キャンプを歩いていると、ミストルティンがミスディルディアのことを迎えに来たのか、ルインたちのテントの方からミスディルディアに向かって歩いてきた。
ミデ「ミストルティンじゃない。どうしたの?」
ミスディルディアはどうしてミストルティンが外を出歩いているのか気になり質問した。
そうすると、ミストルティンがミスディルディアからの質問に答えた。
ミト「ミスディルディアが全然帰って来なかったから心配で探してたの。それで、ミスディルディアは何してたの?」
どうやら、ミストルティンはなかなか帰ってこない姉であるミスディルディアことが心配になって探しにきたようだ。
そして、ミストルティンは長い間、ミスディルディアが何処に行っていたのか気になり質問したのだった。
ミスディルディアはミストルティンからこう質問された時、創のことが心配で見に行っていたとは恥ずかしくて言えなかったので、何かミストルティンを納得させられるような言い訳を考え出した。
そうして、ミスディルディアがミストルティンのことを納得させられそうな何か良い言い訳がないか考えていると、
ミト「もしかして、創さんのことが心配で様子を伺いにでも行ってたの?」
ミストルティンがミスディルディアの心を読んだかのようなことを言った。
ミデ「そ、そそそんなことするわけないでしょ!?!?!?私は創のことが嫌いなんだし!!!!???」
ミスディルディアはミストルティンに図星を突かれたことにより、焦って目をグルグルさせ、両手をブルブル振りながら否定した。
しかし、ミスディルディアの反応が分かり易すぎるため、ミストルティンは自分の言った通りミスディルディアは創のことが心配になり、様子を伺いに行ったことが分かった。
だが、ここでミスディルディアに言ったところで訳の分からない言い訳を並べて否定するだけなので、ミストルティンはミスディルディアの言い分を信じてあげるフリをした。
ちなみに、ミスディルディアが口では創のことを嫌いだと言っているが、本当は創のことが好きであることはミストルティンは知っている。
そして、ミストルティンは創から真実を全て教えられているので、ミスディルディアのことを創が作ったことや、ミスディルディアのことを心配に思ってわざと意地悪をしていたことも全て知っている。
ミト「それじゃあ、ミスディルディアは今まで何処に行ってたの?」
ミストルティンは図星を突かれて混乱しているミスディルディアに助け舟を出すことにした。
そうして、ミストルティンが騙されるフリをしてミスディルディアに質問をすると、
ミデ「私はちょっとキャンプの外が気になって見回りに行ってたの!!だから帰りが少し遅くなっちゃったの!!決して創が心配で様子を伺いに行った訳じゃないんだからね!!」
ミスディルディアはチャンスと言わんばかりに早口かつ大きな声でミストルティンに言った。
その焦り具合と最後の無駄な文によりこの言い訳が嘘であることが一瞬で見抜けるが、ミストルティンはツッコミを入れることはなかった。
ミト「そうだったんだ。見回りお疲れ様、ミスディルディア。それじゃあ、わルインたちもミスディルディアのことを待ってるから早く戻ろっか」
そうして、ミスディルディアとミストルティンはルインたちがいるテントへ二人で仲良く帰って行ったのだった。




