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アヴァロン〜世界を賭けた神々の戦い〜  作者: 大猩猩和
第三章 オアシス国家『ワカティナ』防衛作戦
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ワカティナ防衛作戦(ルイン視点)六

ルインは第九小隊の他の兵士たちよりも少し遅れて化け物たちの軍勢が形成する前線までやって来た。


そして、ルインは目の前に広がる光景を見て、さらに絶望のどん底へと落とされてしまった。


ルインの前に広がる光景とはーーーー


兵G「こっ!!こっちに来るなぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!!!ああああああああああああ!!!!!!!!!」


兵K「い、嫌!!!まだ死にたくない!!!!!誰か助けてぇぇぇぇぇぇぇええええええええ!!!!!!!」


兵Q「あああああああああああああああ!!!!!!!!!痛いぃぃぃぃぃぃいいいいいいいい!!!!!!!痛いよぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおお!!!!!!!!!助けてぇぇぇぇぇぇぇええええええええええええええ!!!!!!!!!!お母さぁぁぁぁぁあああああああああんんんんんんんんんん!!!!!!!!!!!」


ルインの視線の先には数人の第九小隊の仲間たちがなす術なくギルタブルルたちに貪り食われ、ギルタブルルの口から溢れ出す強酸性の液体に体を溶かされる痛みで発狂していた。


そして、数人の仲間たちがギルタブルルに喰われていると他のギルタブルルたちも集まって来て、仲間たちを容赦なく捕食した。


仲間たちを捕食しているギルタブルルの体についている顔はまるでルインたちを嘲笑うかのような笑顔を浮かべているように感じた。


そして、ルインはギルタブルルが仲間たちを捕食する時に神核を上手く避けていることも気づいた。


そのことからルインはすぐにギルタブルルたちが少しでも多くの肉を貪り食うために急所を外していることが考察できた。


そうして、ギルタブルルたちは周りに仲間たちの血や内臓を撒き散らしながら気味の悪い笑顔を浮かべながら捕食していった。


ギルタブルルたちが捕食している間もルインの耳には仲間たちの助けを求める声や悲痛な叫び声が入ってきた。


ルインは捕食されている仲間たちを助けようと一瞬、動こうとしたが、彼らの周りにはすでに大量のギルタブルルたちが集まっていたため、助けることは不可能であった。


そして、ルインは現実逃避をするために視線を逸らし、耳を塞いで必死に仲間たちの叫び声を聞かないようにしていると、いきなり仲間たちの叫び声が止んだ。


ルインは声が止んだ理由はすぐに分かったが、念のためにと恐る恐る視線を仲間たちの方へ戻した。


そして、ルインの視線の先に映ったのは食われていた仲間たちの内臓や肉片、骨が周り一帯に飛び散り、体の原型を留めていない無惨な肉塊へと変えられてしまった。


ル「ああぁぁぁ........ああぁぁぁ...........」


ルインがあまりにも悲惨な現実が受け止められず、膨大なストレスにより精神に異常をきたし出した。


そして、ルインが精神的にやられてしまい、その場で立ち止まって固まっていると、いきなり背後から誰かに服を掴まれて後ろに引っ張られてしまった。


それと同時にさっきまでルインが立っていた場所にトマホークたちのレーザーが通り過ぎていった。


ルインは驚いて後ろに振り返ってみると、そこにはガイエスの姿があった。


ガイエスはルインのことを間一髪のところで助けると地面に下ろした。


ガ「なに戦場のど真ん中でぼーっとしてんだ!!死にてぇのか!!」


ガイエスは次はルインの胸ぐらを勢い良く掴み、ルインの顔を自分の顔の辺りまで持ち上げ怒鳴りつけた。


ガ「なにお前だけ一人で絶望してんだよ!!周りの奴らは必死に前を戦っているんだぞ!!!」


ガイエスがルインにそう言い放つと、絶望のどん底にいたルインにガイエスの声が届き、ルインはその声により現実世界へと引き戻された。


そして、ルインはガイエスの声により現実世界に戻って来るともう一度、周りの様子を窺った。


そうすると、さっきまでとは違い、ルインの視界に入ってきた景色は仲間のために必死に戦っている第九小隊の兵士たちの姿であった。


彼らは恐怖に支配されそうな心を必死に奮い立たせ、少しでも多くの仲間と共に帰れるように己の命を燃やして戦っている。


そんな勇気あふれる第九小隊の仲間たちの姿を見ていると、どんどん自分の心も奮い立っていくのをルインは感じた。


そして、ルインはこのままではダメだと思い、自分も前を向いて戦っていこうと決心した。


ル「すまない........ガイエス........もう、大丈夫だから安心してくれ」


ルインはそう言うと自分の胸ぐらを掴むガイエスの手を払い除けて地面に着地した。


そして、ガイエスは少し心配しながらルインの顔を見てみると既に覚悟を決めていることが窺えた。


ガ「そんなすぐに立ち直れるんだったら、俺の手を煩わせるなよな!」


ガイエスは少し嬉しそうな声でルインに言った。


ル「いや、ガイエスがいなかったら俺は立ち直ることが出来ずに死んでいただろう。本当にありがとう」


ルインはガイエスに感謝の言葉を述べると腰の右側に挿しついた装飾が施されている何か神聖な力を帯びているような雰囲気がある剣を引き抜いた。


ル「さあ、今までの分を取り戻していこうか、ミスディルディア?」






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