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アヴァロン〜世界を賭けた神々の戦い〜  作者: 大猩猩和
第三章 オアシス国家『ワカティナ』防衛作戦

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創の向かう先

創は鼻歌を歌いながら、南へと向かっていると、急に後ろから自分のことを呼ぶ声が聞こえてきた。


創は鼻歌を歌うのをやめて後ろに振り返ると、そこには手を振りながら走ってくる草薙剣の姿が見えた。


草「お〜い!主様〜!」


草薙剣は自分に気づいた創を再び呼びながら手を振った。


そうすると、歩いていた創は足を止めて草薙剣が自分の元までやってくるのを待った。


そうして、草薙剣が創に追いつくと、創は不思議そうな顔をして草薙剣に質問した。


創「どうしたんだ草薙?」


草「主様がキャンプ地から急にいなくなるから、ナターシャが心配だから見に行ってきてって言われて来たの。それで、主様はどこに行こうとしてるの?」


創「ああ、それなら民間神たちのキャンプ地に行こうとしてたんだ」


創の口から出て来た回答が予想の斜め上であったため、草薙剣はとても驚いた。


草薙剣が驚き過ぎて固まっていると、


創「そんなに驚くことか?」


創は草薙剣が凄く驚いていたため、少し不服そうにしながら言った。


草薙剣は不服そうにしている創に何か言い訳をしようとしたが、何も言葉が出てこなくて焦り出した。


そんな草薙剣を見た創はクスッと笑った後、草薙剣の頭をポンポンと優しく叩いた。


創「まあ、草薙からしたら、こんなことをするのは意外だろうな。草薙は基本、戦いの時にしか呼ばれないからこっちの顔の俺のことは知らなくて当然だ」


草「こっちの顔..........?」


草薙剣は不思議そうに首を傾げながら呟いた。


その姿があまりにも可愛いかったため、創は今すぐ草薙剣をめちゃくちゃにしたいと思ったが


創(あああああああああ!!!!!!!!どうして、そんなにかわいいんだぁぁあああああ!!!!!!!!)


創は心の中で叫ぶことにより、自分の欲望を何とか抑え込んだ。


草薙剣はそうとも知らず、創からの返答を可愛らしく首を傾げながら待っていた。


創は頭の中で草薙剣のことを色々な方法で辱めることにより心を落ち着かせながら、草薙剣の質問に答えた。


創「こっちの顔っていうのは、この国の王様としての顔だよ。草薙はあんまり王様として振る舞っている俺を見たことないだろ?」


草薙剣はそう言われて思い返してみると、王直属部隊の兵士としての創のことはたくさん知っているが、王様としての創はほとんど見たことがなかった。


草「うん.......思い返してみると、主様が王様として振る舞ってる姿を見た記憶がほとんどない..........」


草薙剣はとても悲しそうな顔と今にも消えそうな声で呟いた。


どうやら、草薙剣は王様としての創を見たことがないことにショックを受けているようであった。


創は悲しそうにしている草薙剣を見て、すぐに悲しんでいる理由が自分が今まで王としての姿を草薙剣をに見せたことがなかったことだと分かった。


創「まあ、俺は王様としての自分があんまり好きじゃないからさ、みんなにはなるべく見せないようにしてたんだよ」


創は悲しんでいる草薙剣に今まで隠していた理由を嘘偽りなく話した。


草薙剣は創がいつもは知られたくない事ははぐらかしてきたが、今回は素直に教えてくれたことに驚いた。


そして、草薙剣は創が自分に秘密を教えてくれたことを喜んだ。


草「どうして、王様としての姿が好きじゃないの?」


創「王としての俺が偽善者みたいで、国民のみんなを騙してる感じがして、なんだか気が引けるんだよ。それに、今の俺は皆が思うような良い王じゃないしな...........」


そう言う創の姿はどこか儚げで、遥か昔のことを思い出しているようであった。


草「それじゃあ、昔の主様は良い王様だったってこと?」


草薙剣は儚げにしている創にこれ以上追求するのは良くないと思ったが、好奇心に負けて質問した。


創「ああ、そうだな。昔の俺は誰かに自慢できるほど立派な王だったよ。その当時はそうは思っていなかったけどな。今の俺からすると昔の俺は正しく理想の王であり、世界最高の王だったと思う」


創は昔の自分を誇らしげに自慢しているが、その言葉は今の自分を自嘲しているようであった。


草薙剣はそんな顔をしている創のことを複雑そうな顔で眺めていると、草薙剣の感情が読めたのか、創は草薙剣に微笑みかけながら話題転換をした。


創「まあ、そんなことは今はどうでも良いな。早くキャンプ地へ向かおうか。あいつらを長い間待たせると何をしでかすか分からないからな」


創はニコやらに笑いながら、草薙剣の頭をポンポン叩いた。


草薙剣は頭をポンポン叩かれて、少し嬉しそうにしている。


創は嬉しそうにしている草薙剣を眺めた後、二人で手を繋ぎながら、民間神たちが避難してきたキャンプ地まで歩いて行ったのだった。










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